コラム

アダルトチルドレンと愛着障がいの関係について解説

2024/10/03/

アダルトチルドレン(AC:Adult Children)は、機能不全家庭で育った影響が成人期に残る状態です。

アダルトチルドレンは、幼少期の不安定な親子関係により、対人関係や自己感覚に問題が生じる愛着障がいと関係があるとされています。

本記事では、アダルトチルドレンや愛着障がいの概要を紹介しつつ、関係性についても解説します。

アダルトチルドレンとは

アダルトチルドレン(AC:Adult Children)は、子どもの頃にアルコール依存症の親や虐待、過干渉など、機能不全家庭で育ったことにより、心に傷を負ったまま大人になった人々のことです。

本来は、アルコール依存症の親に育てられた子ども(Adult Children of Alcoholics)を意味します。

しかし、現在では薬物依存、虐待、心理的虐待、ネグレクトなど、あらゆる問題を抱える家庭環境で育った人にも当てはめられます。

アダルトチルドレンは、自己肯定感の低さや他者依存、強い罪悪感や孤独感などが主な特徴です。

また、他者の評価に依存しやすい傾向があります。

愛着障がいとは

愛着障がいとは、幼少期の虐待やネグレクトによって、保護者との安定した愛着が形成されなかった場合に生じる障がいです。

通常は生後2年以内に母子間の愛着が形成されますが、これが達成されないと愛着の形成が遅れ、対人関係や感情のコントロールに問題が生じることがあります。

愛着障がいには、他者への不信感や感情が抑制される「抑制型」と無差別な親しさが見られる「脱抑制型」があります。

アダルトチルドレンと愛着障がいの関係

アダルトチルドレンと愛着障がいは、どちらも幼少期のトラウマや不安定な環境が原因となる心理的な問題です。

アダルトチルドレンは、機能不全家庭で育つことで、成人後も心理的・対人関係に問題を抱える状態です。

一方、愛着障がいは、幼少期に保護者との安定した愛着が形成されなかったため、対人関係や感情のコントロールに困難を感じます。

どちらも幼少期の不安定な環境が原因となり、成人後の人間関係や自己感覚に影響を与えます。

アダルトチルドレンと愛着障がいの治療法

アダルトチルドレンと愛着障がいの研究が進んだことにより治療法も発見されています。

ここからは、アダルトチルドレンと愛着障がいの代表的な治療法を3つ紹介します。

  1. 認知行動療法
  2. 精神力動的療法
  3. 家族療法

認知行動療法

認知行動療法は、問題解決や行動活性化といった具体的な技法を通じて、患者が日常生活の中で感じるストレスに対処する方法を学び、症状の改善を図る心理療法です。

否定的な思考や行動パターンを特定し、それを建設的なものに変えることを目的とします。

認知行動療法は、アダルトチルドレンや愛着障がいの治療に効果的なアプローチです。

自己否定感や過剰な他者依存に対処し、自分の感情や行動を理解し、自己肯定感を高められます。

また、愛着障がいを持つ人が認知行動療法を受けると、対人関係における不安定な感情反応や行動を改善し、安定した人間関係を築くためのスキルを身につけられます。

精神力動的療法

精神力動的療法は、無意識の葛藤や過去の体験が現在の行動や感情にどのように影響しているかを探る治療法です。

とくに、アダルトチルドレンや愛着障がいにおいては、幼少期の親子関係や家庭環境から生じた心理的な傷を理解し、無意識に繰り返される不適応なパターンを認識・修正することを目指して利用されます。

精神力動的療法では、クライエントがセラピストに投影する感情を分析し、過去の対人関係のパターンを現在の関係に適用しないように支援します。

また、クライエントが治療過程で感じる抵抗や防衛反応を扱うことで、潜在する無意識的な問題へのアプローチが期待できるでしょう。

家族療法

家族療法とは、個人の心理的問題を家族全体の関係性やコミュニケーションの視点から理解し、改善を図る心理療法です。

家族全員が治療に参加し、家族間の相互作用や役割を見直すことで、問題の根本解決を目指します。

アダルトチルドレンの場合は、家族療法は親子間の不健全な役割分担やコミュニケーションの改善を通じて、クライエントが健全な自己を確立する手助けをします。

また、愛着障がいにおいては、家族療法を通じて愛着形成の欠如や歪んだ依存関係を修正し、健全な対人関係の構築を目指します。

家族療法は、家族内の役割や境界を調整し、機能的な家族構造を再構築する「構造的家族療法」や個人を家族や社会などの相互関係の中で理解し、変化を促す「システミックセラピー」などクライエントごとにアプローチ方法を変更することが可能です。

アダルトチルドレンや愛着障がいを持つ人との接し方

アダルトチルドレンや愛着障がいを持つ人には、理解と共感をもって接しましょう。

具体的には、彼らが過去の経験やトラウマによって心に深い傷を負っていることを認識し、急かさず、無理に変わることを求めないようにしてください。

また、アダルトチルドレンや愛着障がいを持つ人と信頼関係を築くためには、相手の感情やニーズを尊重し、傾聴の姿勢を持つことが必要です。

否定的な感情や思考に対して批判したり、アドバイスしたりするのではなく、相手の感情を受け入れ、共感する姿勢を示したり、過去の経験について話すことがあれば、反論せずにそのまま受け止めたりするよう心がけましょう。

傾聴の姿勢を持つことにより、安心感を与え、自己開示を促せます。

さらに、相手が境界線を引く必要がある場合は、それを尊重し、過剰に踏み込まないようにしましょう。

とくに、愛着障がいを持つ人に対しては、過度に依存させることなく、適切な距離感を保ちながらサポートしてください。

愛着障がい以外の精神障がいを持つ人との接し方についても知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。

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今回は、アダルトチルドレンと愛着障がいの関係を解説しました。

アダルトチルドレンや愛着障害を持つ人がコミュニティを形成することは、共感や理解を共有できる安心な場を提供し、孤立感を軽減します。

また、自己肯定感や対人スキルの向上を促すでしょう。

しかし、自身の症状が原因で対人関係に対して苦手意識を持っている方も少なくありません。

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