恋愛をしたいという気持ちは、多くの人に共通する自然な感情です。
しかし、回避性パーソナリティ障害(APD:Avoidant Personality Disorder)を抱える方にとっては、その気持ちを行動に移すことがとても難しく感じられることがあります。
パートナーと関わりたいのに「嫌われるのではないか」、「否定されるのではないか」という強い不安が先立ってしまい、なかなか一歩を踏み出せないことも少なくないでしょう。
恋愛において「距離を縮める」という行為は、自己開示や積極的なコミュニケーションをともなううため、とても勇気が必要です。
しかし、小さなステップを重ねていくことで、回避性パーソナリティ障害を持つ方でも安心しながらパートナーとの距離を縮めることが可能です。
本コラムでは、恋愛を望む回避性パーソナリティ障害の方が「距離を詰めるための第一歩」を踏み出すための考え方や行動のヒントについてお伝えします。
Contents
回避性パーソナリティ障害が恋愛を難しくする理由
回避性パーソナリティ障害(APD:Avoidant Personality Disorder)は、パーソナリティ障害のひとつです。
強い不安や劣等感などにより、人との関わりを避けやすい傾向があります。
回避性パーソナリティ障がいについて詳しく知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。
回避性パーソナリティ障害を抱えると、以下のような要因により恋愛が難しくなります。
- 否定や批判に対する強い恐怖
- 自己評価の低さ
- 安全を優先しすぎる傾向
否定や批判に対する強い恐怖
回避性パーソナリティ障害の人は、パートナーからの拒絶や批判に極端に敏感です。
恋愛では、パートナーの表情や言葉に一喜一憂することがあります。
しかし、回避性パーソナリティ障害があると、ほんの小さな違和感や沈黙を「嫌われたサイン」と受け取ってしまいかねません。
その結果、好意を持っているにもかかわらず「これ以上近づくと拒絶される」と感じ、関係を深めるのを避けてしまいます。
自己評価の低さ
回避性パーソナリティ障害がある人は、「自分は魅力がない」、「愛される価値がない」という思い込みが強い傾向があります。
そのため、パートナーが好意を示しても「本心ではないのでは」と疑ってしまうことも少なくありません。
その結果、せっかくパートナーが歩み寄ってくれても安心できず、不安が高まって距離を保とうとしてしまいます。
このように、回避性パーソナリティ障害特有の自己評価の低さは、パートナーからの愛情を素直に受け止めにくくしてしまいます。
安全を優先しすぎる傾向
回避性パーソナリティ障害の人は、人間関係においてリスクを取ることを強く避ける傾向があります。
一例として、「告白して断られたらどうしよう」や「踏み込みすぎて迷惑に思われたらどうしよう」と考え、安心できる距離を保とうとします。
そのような安全策が結果的にパートナーとの距離を縮める機会を奪ってしまい、恋愛関係が発展しにくくなるでしょう。
回避性パーソナリティ障害の人が自分の不安と上手に付き合う方法
回避性パーソナリティ障害を抱える方は、「失敗したらどうしよう」という不安から、つい完璧な会話や理想的な恋愛像を追い求めてしまいます。
しかし、恋愛は必ずしもスムーズに進むものではありません。
どのような人でも恋愛において、誤解やすれ違いがあることは当然です。
「失敗しても大丈夫」という気持ちを持てるようになることが、恋愛における大きな強みになります。
ここからは、回避性パーソナリティ障害の人が自分の不安と上手に付き合う方法を5つ紹介します。
- 不安を書き出す
- 小さな成功を記録する
- 信頼できる人に話す
- 距離を縮める過程を「共同作業」と考える
- 恋愛できる環境を整える
不安を書き出す
回避性パーソナリティ障害の人が自分の不安と上手に付き合うためには、不安を感じていることをメモ帳などに書き出しましょう。
回避性パーソナリティ障害の人は、頭の中で不安がぐるぐると巡り続ける「反すう思考」に陥りやすくなります。
一例として、「嫌われたらどうしよう」、「LINEの返事が遅いのは自分が悪いからかもしれない」と考え続けると、不安はどんどん大きくなってしまいます。
紙やノートに不安を具体的に書き出すと、頭の中で膨れ上がっていた不安を客観的に見直せるようになり、「本当に起きそうなことなのか?」や「思い込みではないか?」というように、自分の考えを冷静に分析できるでしょう。
また、書き出した後に「もし起きたらどう対応できるか?」という解決策を簡単にメモする習慣をつけると、不安に振り回されにくくなります。
小さな成功を記録する
回避性パーソナリティ障害の人が自分の不安と上手に付き合うためには、小さな成功体験を逐一記録しましょう。
恋愛は「失敗」に意識が向きやすくなります。
しかし、回避性パーソナリティ障害の方にとっては「小さな成功を積み重ねること」が自信につながります。
成功体験は、「今日は自分から挨拶できた」や「パートナーの話を最後まで聞けた」といった些細なことでも構いません。
小さな成功を日記やメモに記録しておくことで、「自分にもできることがある」という実感を積み重ねられます。
とくに、自己評価が低い方は「何もできていない」と思い込みやすいので、後から見返して「できている自分」に気づけるようになりましょう。
信頼できる人に話す
回避性パーソナリティ障害の人が自分の不安と上手に付き合うためには、自分の悩みを信頼できる人に話しましょう。
不安を一人で抱え込むと、気持ちがどんどん強まってしまいます。
信頼できる人に「今こんなことで悩んでいる」と話すことで「自分だけが抱えている問題ではない」と気づいたり、「こういう考え方もあるよ」と違った視点をもらえたりします。
とくに、恋愛に関する不安は、本人にとって大きく感じられても、他人から見ると「自然なことだよ」と受け止めてもらえるでしょう。
自分の力だけではどうしようもない不安も、他人の何気ない言動だけで気持ちが軽くなることがあります。
距離を縮める過程を「共同作業」と考える
回避性パーソナリティ障害の人が自分の不安と上手に付き合うためには、距離を縮める過程を「共同作業」と考えましょう。
回避性パーソナリティ障害の人は「自分が頑張らなければ関係は進まない」と思い込みやすくなります。
しかし、恋愛は一方的な努力では成り立ちません。
むしろ、パートナーと一緒に少しずつ歩み寄りながら作り上げていくものです。
関係の進展は「自分の責任」ではなく「二人で協力するプロセス」と捉えることで、「失敗してはいけない」というプレッシャーを減らせます。
さらに、「パートナーと一緒に関係を育てていく」という視点を持つと、不安が和らぎ、より自然体でパートナーとコミュニケーションを取れます。
恋愛できる環境を整える
回避性パーソナリティ障害の人が自分の不安と上手に付き合うためには、恋愛できる環境を整えましょう。
恋愛に挑戦するためには「どんな人と、どんな場所で出会うか」も大切です。
批判的な人や理解のない環境では、不安が強まりやすく、関係を築くのが難しくなってしまいます。
一方で、障害や特性を理解してくれる人と出会うことで、安心して自分を表現できるようになるでしょう。
安心して恋愛と向き合える土台を整えることで、恋愛に向けての第一歩がぐっと踏み出しやすくなります。
恋愛できる環境を整えるためには、出会いの機会を増やすことが重要です。
出会いの機会を増やしたい方は、こちらのコラムをご覧ください。
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今回は、恋愛を望む回避性パーソナリティ障害の方が「距離を詰めるための第一歩」を踏み出すための考え方や行動のヒントについて解説しました。
回避性パーソナリティ障害を抱えていると、恋愛における「距離を詰める」行為はとても大きな壁に感じられるかもしれません。
しかし、距離を縮めるために必要なのは、大胆な行動ではなく「小さな一歩の積み重ね」です。
不安を抱えながらも少しずつ行動していくことで、恋愛の可能性を広げましょう。
そして、恋愛では出会いの場を安心して探すことも大切です。
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