
身体障害がある方の中には、「一般雇用と障害者雇用は何が違うの?」「身体障害者雇用で働くメリットやデメリットを知りたい」と考えている方も多いのではないでしょうか。
近年は、障害者雇用に積極的な企業が増えており、働き方の選択肢も広がっています。
一方で、障害者雇用ならではの悩みや不安を感じる場面もあるため、事前に特徴を理解しておくことが大切です。
本コラムでは、身体障害者雇用で働くメリット・デメリットをわかりやすく解説します。
Contents
身体障害者雇用とは?
身体障害者雇用とは、身体障害者手帳を持つ方を対象とした障害者雇用枠での採用・雇用のことです。
企業は障害者雇用促進法に基づき、一定割合以上の障害者を雇用することが求められており、その中で身体障害者の方も活躍しています。
厚生労働省によると、2025年時点で法定雇用率2.5%を達成した企業の割合は46.0%とされており、徐々に障がい者の雇用体制が整いつつあります。
通常の雇用と身体障害者雇用の主な違いは、以下のとおりです。
| 項目 | 一般雇用 | 身体障害者雇用 |
|---|---|---|
| 応募対象 | 障害の有無を問わず応募可能 | 主に身体障害者手帳を持つ方が対象 |
| 障害の開示 | 開示しなくても応募可能 | 障害を開示したうえで応募・就職するのが一般的 |
| 職場の配慮 | 原則として特別な配慮は少ない | 障害特性に応じた合理的配慮を受けられる |
| 業務内容 | 幅広い職種・業務に従事 | 障害の状況に合わせて業務内容を調整する場合がある |
| 勤務時間 | 一般的な勤務体系が中心 | 通院や体調管理に配慮した勤務調整が可能な場合がある |
| 通院への配慮 | 個別対応になることが多い | 通院休暇や勤務時間の調整など相談しやすい |
| 職場環境 | 配慮設備がない場合もある | バリアフリー化や設備整備が行われている場合がある |
| 求人数 | 非常に多い | 一般雇用に比べると少ない傾向がある |
| 職種の選択肢 | 幅広い | 企業や障害内容によっては選択肢が限られることがある |
| 給与水準 | 職種や経験に応じて決定 | 企業によっては一般雇用より低い場合がある |
| 昇進・昇格 | 能力や実績に応じて評価 | 企業によっては昇進機会が限定される場合がある |
| 就職支援 | 一般的な転職サービスが中心 | ハローワークや就労支援機関など専門支援を利用しやすい |
| 働きやすさ | 配慮がない場合は負担が大きいこともある | 障害に応じた支援を受けながら働きやすい |
身体障害者雇用で働くメリット
身体障害者雇用には、働きやすさにつながるさまざまな利点があります。
ここからは、身体障害者雇用で働く主なメリットを3つ紹介します。
- 障がいへの理解や配慮を受けやすい
- 自分に合った働き方を選びやすい
- 就職・転職活動でサポートを受けやすい
障がいへの理解や配慮を受けやすい
身体障害者雇用の大きなメリットは、障がいへの理解や配慮を受けながら働きやすいことです。
身体障害者雇用を導入している企業は、障がいの内容や必要なサポートを把握したうえで採用を進めています。
そのため、通院や業務内容、職場環境について相談しやすい傾向があります。
また、バリアフリー設備の整備や勤務時間の調整など、一人ひとりの状況に合わせた合理的配慮を受けられるため、無理なく長期的に働けるでしょう。
自分に合った働き方を選びやすい
自分の体調や障がい特性に合わせた働き方を選びやすいことも身体障害者雇用で働くメリットのひとつです。
企業によっては短時間勤務やフレックスタイム制、在宅勤務などを導入しており、身体への負担を軽減しながら働ける環境が整っています。
さらに、通勤の負担や疲労の蓄積を抑えることで、仕事と生活のバランスを保ちやすくなり、安定した就業が期待できます。
就職・転職活動でサポートを受けやすい
就職や転職に関する専門的なサポートを受けやすいことも身体障害者雇用のメリットです。
一例として、ハローワークの専門窓口や障がい者向け転職エージェント、就労支援機関などを利用できるため、自分に合った求人を探しやすくなります。
さらに、応募書類の作成支援や面接対策、入社後の定着支援まで受けられることもあるため、不安を軽減しながら就職・転職活動を進められます。
身体障害者雇用で働くデメリット
身体障害者雇用は、メリットばかりではありません。
いくつか注意するべきこともあります。
ここからは、身体障害者雇用で働く主なデメリットを3つ紹介します。
- 求人数や職種が限られる
- 給与や昇進に差が生じる
- 周囲とのコミュニケーションに悩むことがある
求人数や職種が限られる
身体障害者雇用のデメリットのひとつが、一般雇用と比べて求人数や職種の選択肢が限られることです。
障がい者雇用枠の求人は増加傾向にあるものの、地域や業界によっては募集自体が少ない傾向があります。
そのため、希望する職種がなかなか見つからないことも少なくありません。
また、事務職や軽作業など特定の業務に求人が集中することもあるため、自分の希望条件と合致する職場を探すまでに時間がかかることもあります。
給与や昇進に差が生じる
企業によって一般雇用と比較して給与や昇進の機会に差が生じることも身体障害者雇用で懸念するべき要素のひとつです。
身体障害者雇用では、障がいへの配慮を前提として業務範囲や責任が限定されることがあります。
そのため、給与水準が低く設定されることも珍しくありません。
さらに、補助的な業務を中心に任される職場では、必然的に昇格やキャリアアップの機会が少なくなります。
周囲とのコミュニケーションに悩むことがある
身体障害者雇用では、職場によっては周囲とのコミュニケーションに悩みを抱えることがあります。
障がい者雇用に慣れていない職場では、同僚や上司がどのように接すればよいかわからず、必要以上に気を遣ったり、距離を取ったりすることもあります。
さらに、本人も「迷惑をかけたくない」、「配慮を求めすぎたくない」という思いから困りごとを伝えられず、意思疎通が不足してしまうことも少なくありません。
身体障害者雇用で後悔しないためのポイント

身体障害者雇用で満足できる働き方を実現させるためには、いくつかやるべきことがあります。
ここからは、身体障害者雇用で後悔しないためのポイントを3つ紹介します。
- 自分に必要な配慮を整理する
- 業界・企業理解を深める
- 支援機関を活用する
身体障がいと向き合いながら働きたい方は、こちらのコラムも併せてご覧ください。
自分に必要な配慮を整理する
身体障害者雇用で後悔しないためには、自分に必要な配慮を事前に整理しましょう。
一例として、通勤方法や勤務時間、業務内容、職場設備などについて自分がどのようなサポートを必要としているのか明確にしておくことで、入社後のミスマッチを防ぎやすくなります。
面接や応募の段階で自分に必要な配慮を具体的に伝えられるようにすることで、無理なく働き続けられる環境を選べるようになりましょう。
業界・企業理解を深める
身体障害者雇用で納得できる就職・転職活動を実現させるためには、業界や企業への理解を深めることが欠かせません。
同じ障がい者雇用でも、企業によって配慮内容や働き方、評価制度、キャリア形成の機会は大きく異なります。
企業の公式サイトや採用情報だけでなく、口コミや企業説明会なども活用しながら、自分に合った職場かどうかを慎重に見極めましょう。
支援機関を活用する
身体障害者雇用への就職・転職活動を成功させるためには、支援機関を積極的に活用しましょう。
一例として、ハローワークの専門窓口や障害者向け転職エージェント、就労支援機関では、求人紹介だけでなく応募書類の添削や面接対策など幅広い支援を受けられます。
一人で悩みを抱え込まず専門家の力を借りることで、自分に合った職場を効率的に探せるようになりましょう。
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今回は、身体障害者雇用で働くメリット・デメリットについて解説しました。
身体障害者雇用には、障害への理解を得やすいことや配慮を受けながら働けることなど、さまざまなメリットがあります。
その一方で、企業によって働きやすさが大きく異なるため、事前にしっかり情報収集することが求められます。
自分に合った環境で働くためにも支援機関を活用しながら就職活動を進めてみてください。
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