コラム

反社会性パーソナリティ障がいとは?

2024/08/27/

皆さんは、反社会性パーソナリティ障がいについてご存知ですか。

反社会性パーソナリティ障がいは、精神障がいのひとつで、世界人口の1〜3%が罹患しているとされています。

今回は、反社会性パーソナリティ障がいの原因や判断基準、治療方法などを紹介します。

本記事が反社会性パーソナリティ障がいへの偏見をなくすきっかけとなれば幸いです。

反社会性パーソナリティ障がいとは?

反社会性パーソナリティ障がいとは、パーソナリティ障がいのB群に分類される精神障害です。

反社会性パーソナリティ障がい同様にパーソナリティ障がいのひとつである自己愛性パーソナリティ障がいについて知りたい方は、コラムをご覧ください。

Genome-wide association study of antisocial personality disorderによると、世界人口の1〜3%が反社会性パーソナリティ障がいを罹患しており、女性よりも男性に多く見られます。

反社会性パーソナリティ障がいは、他者を軽視し、無責任で衝動的な行動を示します。

自分の行動を正当化するため、他者を傷つけても良心の呵責がありません。

また、計画性が欠如するため、仕事や金銭問題で困難に直面したり、危険な行動や法を犯したりすることもあります。

その一方で、表面的には魅力的に振る舞い、自己評価が高く、自分勝手と見なされます。

反社会性パーソナリティ障がいの原因

反社会性パーソナリティ障がいは、遺伝的要因と環境的要因が関与しているとされています。

Genome-wide association study of antisocial personality disorderによると、反社会性パーソナリティ障がいは発症の約50%が遺伝によるもので、家族に同様の障害を持つ人が多いとリスクが高まります。

また、反社会性パーソナリティ障がいは、特定の遺伝子領域に異常が関連していることが研究で示されています。

また、幼児期の虐待やネグレクトが道徳心や倫理観の発達を妨げ、他者への共感能力が欠如することが影響します。

愛情の不足や非行行為、ADHD(注意欠如・多動症)も、発症リスクを高める要因のひとつです。

ADHD(注意欠如・多動症)について知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。

反社会性パーソナリティ障がいの診断基準

反社会性パーソナリティ障がいは、主に以下の2つの基準に基づき診断されます。

  1. DSM-5
  2. ICD-10

ここからは、反社会性パーソナリティ障がいの診断基準について説明します。

DSM-5

DSM-5(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders – Fifth Edition)とは、APA(アメリカ精神医学会:American Psychiatric Association)が発行する精神疾患の診断基準を示したマニュアルです。

精神疾患の基本的な定義を提供し、治療や研究に利用される世界共通の基準です。

反社会性パーソナリティ障がいの診断には、15歳以降に発症することが前提とされており、他人の権利を無視する行動が広範に見られるとされています。

具体的には、社会的規範の違反、虚偽、衝動性、攻撃性、無謀さ、一貫した無責任、良心の呵責の欠如などが3つ以上当てはまると反社会性パーソナリティ障がいと診断されます。

また、18歳以上の場合は、15歳以前に素行症を発症していることも反社会性パーソナリティ障がいと診断される条件のひとつです。

ICD-10

ICD-10(International Classification of Diseases – 10th Edition)とは、WHO(世界保健機関:World Health Organization)が作成した国際的な疾病分類マニュアルです。

病因や死因を体系的に分類し、統計データを記録・分析することを目的としています。

反社会性パーソナリティ障がいの診断基準には、他人の感情への無関心、社会的規範や責任への無視、持続的な人間関係の維持困難、低いフラストレーション耐性や攻撃性、罪悪感の欠如、社会的な行動の合理化などが含まれます。

これらの特徴は、反社会的行動や易刺激性が持続することを示し、診断の確実性を高めます。

反社会性パーソナリティ障がいの治療方法

医療技術の進歩により、反社会性パーソナリティ障がいの治療方法も確立されつつあります。

ここからは、代表的な反社会性パーソナリティ障がいの治療方法を3つ紹介します。

  1. 精神療法
  2. 薬物療法
  3. TMS療法

精神療法

反社会性パーソナリティ障がいの治療には、精神療法である集団精神療法と家族療法が用いられることがあります。

集団精神療法では、同じ障害を持つ他者と共に問題を話し合い、共同で作業することで自己理解や他者とのコミュニケーションを改善し、社会適応を図る治療方法です。

一方、家族療法は患者とその家族が一緒に取り組む治療方法で、家族全体で問題行動の対処法を見つけ、協力しながら解決を図ります。

家族療法は特に未成年者に多く用いられ、成人の場合は集団精神療法が主に利用されます。

薬物療法

薬物療法とは、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害剤)や抗うつ薬などの薬物を使用する治療方法です。

SSRIは、衝動性や攻撃性を抑える効果があり、不安や抑うつの症状を和らげます。

SSRIを投与する際は、抗精神病薬や気分安定薬(リチウム、カルバムアゼピン、バルプロ酸)が併用されることもあります。

薬物療法はあくまで対症療法であり、反社会性パーソナリティ障がいの根本的な治療には心理療法が必要です。

TMS療法

TMS治療(磁気刺激治療)とは、反社会性パーソナリティ障害の治療にも有効とされる最新の治療法です。

磁気刺激の頻度によって神経細胞の働きを調整し、神経可塑性を改善することで、症状の緩和を図ります。

日本では、一部の医療機関でのみ実施されている治療方法です。

FDA(アメリカ食品医薬品局:Food and Drug Administration)の認可を受けたTMS治療は、脳の神経細胞に磁気を用いて刺激を与え、神経伝達の仕組みを改善します。

Repetitive TMS on Left Cerebellum Affects Impulsivity in Borderline Personality Disorderによると、TMS治療が感情や衝動性のコントロールに効果的であることが提唱されています。

また、Repetitive Transcranial Magnetic Stimulation in the Treatment of a Difficult to Treat Condition, Borderline Personality Disorderでは、パーソナリティ障害に対する有効性も報告されました。

IRODORIで反社会性パーソナリティ障がいに理解がある人と出会おう

今回は、反社会性パーソナリティ障がいの原因や判断基準、治療方法などを紹介しました。

インターネットの普及などにより精神障がいへの理解が深まりました。

しかし、人によって症状は異なるため、知識があったとしても罹患者との認識に差が生じることがあります。

周りの人と適切な関係性を築くために、勇気を出して自身の症状を打ち明けてみましょう。

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