睡眠障がいの症状は?原因や治療法も解説
2024/10/03/
睡眠障がいとは、睡眠の質や量に問題があり、日中の生活に支障をきたす障がいです。
睡眠障がいと聞いて夜になっても眠れない状態をイメージするかもしれませんが、睡眠障がいの症状は多岐にわたります。
本記事では、睡眠障がいの種類や原因、治療法などを紹介します。
Contents
睡眠障がいとは
睡眠障がいとは、睡眠に関連する病気の総称です。
睡眠障がいの症状には、十分な睡眠をとっても日中に強い眠気が続く、体内時計の乱れによる睡眠パターンの不調など多岐にわたります。
睡眠障がい国際分類第3版(ICSD-3)では、64種類の診断名が存在します。
一般的に睡眠障がい単独では、障がい者手帳交付の対象となりません。
しかし、睡眠障がいが重度で、うつ病や発達障がいなどの精神障がいや身体疾患と関連している場合、手帳の取得が認められることもあります。
障がい者手帳について詳しく知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。
睡眠障がいの種類
睡眠障がいは、以下の6種類に分類されます。
- 不眠症
- 過眠症
- 概日リズム睡眠障がい
- 睡眠時随伴症
- 睡眠時呼吸障がい
- 睡眠関連運動障がい群
ここからは、各睡眠障がいの特徴を紹介します。
不眠症
不眠症とは、夜間に十分な睡眠が取れなくなる睡眠障がいです。
不眠症の主な症状は、寝つきが悪くなる「入眠困難」、夜中に何度も目が覚める「睡眠維持困難」、朝早く目覚めてしまう「早朝覚醒」の3つです。
睡眠維持困難や早朝覚醒は、高齢者に多く見られます。
厚生労働省によると、成人の30%以上が一過性の不眠症状を経験しているとされており、その内10%が慢性的な不眠症に苦しんでいます。
不眠症は、睡眠時間だけで判断されるものではなく、日中のパフォーマンスや集中力、記憶力、気分への悪影響も考慮しなければなりません。
過眠症
過眠症とは、十分な睡眠時間を確保しているにもかかわらず、日中の活動時間に強い眠気や居眠りが繰り返される睡眠障がいです。
過眠症は「中枢性過眠症」と「二次性過眠症」の2つに分けられます。
中枢性過眠症には、突然の強い眠気や情動脱力発作などに見舞われる「ナルコレプシー」や持続的な眠気と長時間の睡眠が必要な「特発性過眠症」、周期的に傾眠期が訪れ、眠気や食欲、性欲の異常増加が見られる「クライネーレビン症候群」などが含まれます。
一方、二次性過眠症は、閉塞性睡眠時無呼吸症候群やレストレスレッグス症候群、周期性四肢運動障がいなど、睡眠の質が低下することで発生する過眠症です。
概日リズム睡眠障がい
概日リズム睡眠障がいとは、体内時計のリズムが通常の24時間周期から逸脱し、社会的に求められる時間に寝起きすることが難しくなる睡眠障がいです。
主な種類には、睡眠相が遅れる「睡眠相後退症候群」や、逆に早まる「睡眠相前進症候群」、24時間周期と同調しない「非24時間睡眠覚醒症候群」、睡眠・覚醒が不規則になる「不規則型睡眠・覚醒パターン」があります。
自分の体内時計に合わせた時間に寝起きできる場合には、十分な睡眠をとれるため、他の睡眠障がいがなければ睡眠の質そのものに問題はありません。
しかし、通常の社会生活に適応できず、仕事や学業に支障をきたす傾向があります。
睡眠時随伴症
睡眠時随伴症とは、睡眠中に異常な行動や体験が生じる睡眠障がいです。
睡眠時随伴症は、ノンレム睡眠およびレム睡眠に関連するものに分類されます。
ノンレム睡眠時は、「夜驚症(叫び声をあげる、泣くなど)」や「睡眠時遊行症(歩き回る、走るなど)」、「睡眠関連摂食障がい(食べ物を調理して食べるなど)」が典型的です。
患者は覚醒しにくく、何が起こったかを記憶しません。
これらは主に小児期に発症し、思春期早期に自然に治ることもありますが、成人期まで持続する場合もあります。
一方、レム睡眠時随伴症には、鮮明な悪夢を頻繁に見ることで日常生活に支障をきたす「悪夢障がい」や夢の内容に従って身体が実際に動く「レム睡眠行動障がい」が含まれます。
レム睡眠行動障がいは、50歳以降の男性に多く、「神経疾患(パーキンソン病やレビー小体型認知症など)」と関連があるとされるため、注意しなければなりません。
睡眠時呼吸障がい
睡眠時呼吸障がいとは、睡眠中に異常な呼吸を示す睡眠障がいです。
代表的なものに睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)があります。
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が何度も停止することで、深い睡眠が妨げられ、日中の過度の眠気や倦怠感、集中力の低下などを引き起こす睡眠時呼吸障がいです。
主な症状には、大きないびき(その後の呼吸停止)、寝汗、頻繁な夜間覚醒、頻尿、起床時の頭痛などがあります。
さらに、睡眠時無呼吸症候群は、体内の酸素不足を引き起こし、高血圧、心筋梗塞、脳卒中、糖尿病、脂質異常症などの合併症リスクを増加させます。
睡眠関連運動障がい群
睡眠関連運動障がい群とは、睡眠中やその前後に生じる単純で反復的な運動などにより睡眠の質を妨げる睡眠障がいです。
代表的な疾患には、レストレスレッグス症候群(RLS:Restless Legs Syndrome)と周期性四肢運動障がい(PLMD:Periodic Limb Movement Disorder)があります。
レストレスレッグス症候群では、主に夕方から夜にかけて安静にしている際、下肢に「むずむず」や「かゆい」といった不快な感覚が現れます。
四肢を動かさずにはいられなくなるため、うまく入眠できません。
一方、周期性四肢運動障がいは、睡眠中に足や手などの筋肉が急に収縮と弛緩を繰り返す不随意運動が生じます。
これにより深い眠りが妨げられ、日中の強い眠気や倦怠感を引き起こします。
睡眠障がいの原因
ここからは、睡眠障がいの主な原因を5つ紹介します。
- ストレス
- 疾患
- 薬や刺激物
- 生活リズムの乱れ
- 生活環境
ストレス
ストレスは、心身の緊張を引き起こし、リラックス状態が必要な睡眠に悪影響を与えます。
とくに、神経質で生真面目な性格の人は、ストレスを強く感じやすく、眠れないことに対して過度に心配するため、結果的に不眠症に陥りやすくなります。
また、ストレスにより心拍数や血圧が上がり、脳が興奮状態にあると、寝つきが悪くなり、眠りも浅くなるため、十分な休息が得られません。
疾患
疾患は、睡眠障がいの原因となることが多く、具体的には病気による症状が睡眠を妨げます。
睡眠を妨げる疾患には、高血圧や心臓病による胸苦しさ、呼吸器疾患の咳や発作、前立腺肥大や糖尿病による頻尿、関節リウマチの痛み、アレルギーのかゆみなどがあります。
これらの症状が夜間に現れると、寝つきが悪くなり、途中で目が覚めることが増え、不眠症状を引き起こすでしょう。
薬や刺激物
降圧剤や甲状腺製剤、抗がん剤などの治療薬は、不眠を誘発することがあり、抗ヒスタミン薬は逆に日中の眠気を引き起こします。
さらに、コーヒーや紅茶に含まれるカフェインやタバコのニコチンは覚醒作用があり、入眠を妨げます。
また、カフェインには利尿作用もあり、夜間のトイレで目が覚める頻度が増え、睡眠の質が低下するため、摂取しすぎないようにしなければなりません。
生活リズムの乱れ
交替制勤務や時差などで体内時計が乱れると、体が昼夜の区別をつけにくくなり、入眠や目覚めのタイミングがずれてしまいます。
現代社会では、24時間営業の店舗や夜遅くまでの仕事など、昼夜の区別が曖昧になる生活スタイルが増えています。
このような状況では、自然な睡眠リズムを維持するのが難しくなり、不眠や昼間の眠気などの睡眠障がいを引き起こしやすくなるでしょう。
生活環境
騒音や強い光があると、リラックスできずに眠りにつくのが困難になります。
また、部屋が暑すぎたり寒すぎたり、湿度が高すぎたり低すぎたりすると、体温調節がうまくできず、深い眠りに入りにくくなります。
このように睡眠に適した環境が確保できないと、質の良い睡眠が妨げられることがあります。
睡眠障がいの治療法
睡眠障がいの治療には、主に「生活習慣改善」、「薬物療法」、「医師の相談」が挙げられます。
生活習慣改善では、睡眠の質を向上させるために規則正しい就寝・起床時間の設定や日中の適度な運動、カフェインやアルコールの摂取を控えるなどの方法が有効です。
薬物療法では、症状に応じて睡眠薬や抗うつ薬などが用いられることがありますが、副作用や依存のリスクがあるため、医師の指導のもとで薬を服用することが重要です。
また、睡眠時無呼吸症候群などの身体的要因がある場合には、専門的な検査や治療も必要です。
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今回は、睡眠障がいの種類や原因、治療法などを紹介しました。
睡眠障がいは、日常生活に原因が潜んでいることがあります。
睡眠障がいに悩まされている方は、自分の生活や仕事を見直しつつ、必要に応じて専門機関へ相談してください。
また、睡眠障がいについて打ち明けられる人を探すことも、睡眠障がいの治療に役立ちます。
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