障害年金とは?もらえる条件や種類について詳しく解説
2024/11/04/
障害年金とは、病気や障害により働くことが困難になった場合に、生活を支えるために支給される公的な年金制度です。
日本では、国民年金と厚生年金から支給され、障害の程度に応じて金額が異なります。
生活費や医療費の負担を軽減できる障害年金ですが、すべての障害者が受給できるわけではないということをご存じですか?
本記事では、障害年金をもらえる条件や、障害年金の種類について解説します。
最後まで読んでいただくと、障害年金への理解が深まります。
Contents
障害年金とは
障害年金は、病気やけがによって日常生活や仕事が困難になった場合に、現役世代も含めて受け取れる年金制度です。
障害年金は、初診時に国民年金に加入していた場合に申請できる「障害基礎年金」と厚生年金に加入していた場合に申請できる「障害厚生年金」の2種類があります。
さらに、障害が軽度の場合には、障害手当金が一時金として支給されることがあります。
障害年金の種類
障害年金は、下記の2種類に分類されます。
- 障害基礎年金
- 障害厚生年金
ここからは、それぞれの特徴を説明します。
障害基礎年金
障害基礎年金は、国民年金に加入している間や20歳前、または60歳以上65歳未満で日本に居住している期間に、病気やけがで障害が残った場合に支給される年金です。
障害等級1級または2級に該当する状態であることが条件となります。
障害基礎年金の請求方法には、障害認定日による請求と事後重症による請求の2種類があります。
請求時期に応じて受給開始時期が異なります。
また、障害基礎年金の支給額は障害等級に応じて異なるため、事前に障害手帳や診断書などで確認できるようにしておきましょう。
【1級】
昭和31年4月2日以後生まれ | 1,020,000円 + 子の加算額※ |
昭和31年4月1日以前生まれ | 1,017,125円 + 子の加算額※ |
【2級】
昭和31年4月2日以後生まれ | 816,000円 + 子の加算額※ |
昭和31年4月1日以前生まれ | 813,700円 + 子の加算額※ |
【子の加算額】
2人まで | 1人につき234,800円 |
3人目以降 | 1人につき78,300円 |
※子の加算額は、生計を維持されている子がいるときに加算されます。なお、子とは18歳になった後の最初の3月31日までの子、または20歳未満で障害等級1級または2級の状態にある子のことです。
参照元:障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額|日本年金機構
障害厚生年金
障害厚生年金は、厚生年金に加入中に病気やけがを負い、障害基礎年金の1級または2級に該当する障害を負った際に、障害基礎年金に加えて支給される年金です。
さらに、2級に該当しない軽度の障害でも、3級として障害厚生年金が支給されます。
障害厚生年金の請求方法には、障害認定日に基づく請求と、事後重症による請求の2つがあります。
認定日以降に障害が重くなった場合でも、事後重症として請求可能です。
また、病気やけがが治癒し、軽度の障害が残った場合には、一時金として障害手当金が支給されます。
【1級】
(報酬比例の年金額) × 1.25 + 〔配偶者の加給年金額(234,800円)〕※
【2級】
(報酬比例の年金額) + 〔配偶者の加給年金額(234,800円)〕※
【3級】
【3級の最低保証額】
昭和31年4月2日以後生まれの方 | 612,000 円 |
昭和31年4月1日以前生まれの方 | 610,300 円 |
障害年金をもらえる条件
障害年金は、障害があれば必ず請求できるわけではありません。
受給するためには、定められた条件を満たす必要があります。
ここからは、障害年金の受給条件を障害年金ごとに紹介します。
障害基礎年金
障害基礎年金を受給するためには、3つの要件を満たさなければなりません。
まず、障害の原因となった病気やけがの初診日が、国民年金加入期間、もしくは20歳前または60歳以上65歳未満の年金制度に加入していない期間であることが必要です。
次に、障害認定日において、障害等級表の1級または2級に該当する障害状態であることが求められます。
最後に、初診日の前日までの保険料納付期間と免除期間の合計が全期間の3分の2以上であることが条件です。
ただし、初診日が令和8年4月1日前で65歳未満の場合、直近1年以内に保険料未納がなければ受給可能です。
障害厚生年金
障害厚生年金を受給するためには、3つを満たさなければなりません。
まず、障害の原因となった病気やけがの初診日が、厚生年金保険の被保険者であることが必要です。
次に、障害認定日において障害等級表の1級から3級のいずれかに該当する障害状態であることが求められます。
障害認定日に該当しなくても、その後障害が重くなった場合には受給が可能です。
最後に、初診日の前日までの被保険者期間において、保険料納付済期間と免除期間の合計が全期間の3分の2以上でなければなりません。
ただし、令和8年4月1日前の初診日であれば、直近1年以内に未納がなければ受給できます。
障害年金と障害者手帳のもらえる条件は異なる
障害者手帳は、身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の総称です。
障害手帳を持っていると、障害者総合支援法に基づく支援や、自治体や事業者が提供するサービスを受けられます。
障害年金と障害者手帳の受給条件にはいくつかの違いがあります。
障害年金は、公的年金に加入しており、保険料を納めた期間が一定条件を満たしていることが必要です。
また、障害年金を請求するためには、申請者の障害が障害等級に該当しなければなりません。
一方、障害者手帳は身体障害、知的障害、または精神障害に対して交付され、それぞれの障害の種類や程度に応じて自治体によって異なる手続きが求められます。
障害者手帳の等級は、障害年金とは別に判断されるため、両者は異なる基準で評価されます。
障害者手帳の詳細や受けられるサービスなどを知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。
障害年金の申請方法
障害年金の種類によって申請方法は異なります。
ここからは、それぞれの申請方法を紹介します。
- 障害基礎年金
- 障害厚生年金
障害基礎年金
障害基礎年金を申請する際は、必要な書類を揃えましょう。
障害年金の申請には、「年金請求書」が必要です。
年金請求書は、市区町村役場や年金事務所、年金相談センターで入手できます。
また、請求時には「基礎年金番号通知書」や「年金手帳」など、加入期間を確認できる書類、戸籍謄本や住民票などの身元確認書類、そして医師の診断書が求められます。
診断書は、障害認定日から3か月以内のものを準備してください。
仮に、障害認定日と請求日が1年以上離れている場合は、直近の診断書も提出しなければなりません。
また、初診時の医療機関が異なる場合は「受診状況等証明書」も用意しましょう。
さらに、障害の状態を説明するための「病歴・就労状況等申立書」や、年金の受取先金融機関の通帳のコピーも準備してください。
申請者に18歳未満または障害を持つ子どもがいる場合は、その子供との続柄や生計維持を証明する書類が追加で必要です。
障害基礎年金の申請に必要な書類の提出先は、申請者の住所地の市区町村役場の窓口です。
なお、初診日が国民年金第3号被保険者期間中である場合は、最寄りの年金事務所や年金相談センターへ提出してください。
障害厚生年金
障害厚生年金を申請する際には、まず「年金請求書」を用意しましょう。
年金請求書は、最寄りの年金事務所または年金相談センターの窓口で入手可能です。
加えて、基礎年金番号通知書や年金手帳、戸籍謄本や住民票などの本人確認書類も用意してください。
マイナンバーが登録されている場合は、これらの書類の一部が不要です。
また、障害認定日から3カ月以内の医師の診断書も必要です。
診断書が1年以上前の場合は、直近の診断書も併せて提出しましょう。
さらに、初診時の医療機関と現在の診断書を作成した医療機関が異なる場合は、「受診状況等証明書」が必要です。
また、障害状態の補足資料として「病歴・就労状況等申立書」も求められます。
その他に、年金の受取先金融機関の通帳のコピーや、配偶者や子供がいる場合は戸籍謄本や住民票が追加で必要です。
障害厚生年金の申請に必要な書類の提出先は、最寄りの年金事務所か年金相談センターです。
障害年金をもらえると国民年金保険料を免除できる
国民年金保険料は、日本の国民年金制度において、20歳以上60歳未満の国民が納める年金の掛け金です。
障害基礎年金や厚生年金の障害年金(2級以上)を受給すると、一定の障害状態にあると認定されます。
そのため、認定された日を含む月の前月から国民年金保険料が免除されます。
国民年金保険料の免除により、生活の負担を軽減しながら、年金の資格期間を維持できるでしょう。
国民年金保険料を免除したい場合は、市区役所や町村役場で「国民年金保険料免除事由届」を提出しましょう。
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今回は、障害年金をもらえる条件や、障害年金の種類について解説しました。
障害年金を受給すると、生活費や医療費の負担が軽減され、安定した生活を維持しやすくなります。
加えて、年金受給に伴う保険料免除も受けられるため、将来の年金資格も確保できるでしょう。
まだ手続きしていない方は、障害年金の申請を検討してみてください。
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