コラム

障害者手帳2級の基準や受けられる支援・サービスを解説

2024/12/03/

障害者手帳2級は、重度の障害があり、日常生活や社会生活で大きな支援が必要と認定された人に交付される障害者手帳です。

医療費助成や公共料金の減免、交通機関の割引など、1級と同様の福祉サービスが受けられますが、内容は自治体ごとに異なります。

本記事では、障害者手帳2級の基準や受けられる支援・サービスについて解説します。

障害者手帳とは

障害者手帳は、障害者の方が必要な支援やサービスを受けやすくするために発行される公的な証明書です。

以下の3種類に分類されます。

  1. 身体障害者手帳
  2. 療育手帳
  3. 精神障害者保健福祉手帳

障害者手帳を所有するメリットについて知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。

身体障害者手帳

身体障害者手帳は、身体に障害のある人が申請することによって交付される障害者手帳です。

障害の状態を証明する医師の診断書を添付し、都道府県知事に申し込むことで交付されます。

身体障害者手帳は、障害の状態が改善される、または死亡した場合には、返還しなければなりません。

また、15歳未満の障害者には、保護者が手続きを代行し、15歳に達した後は本人に手帳が引き渡されます。

療育手帳

療育手帳は、知的障害者に対して支援を提供するために交付される障害者手帳です。

主に福祉の便を図る目的で使用されます。

療育手帳は、知的障害のある児童や成人が対象となり、児童相談所や知的障害者更生相談所で診断を受けた後、都道府県知事が交付します。

精神障害者保健福祉手帳

精神障害者保健福祉手帳は、精神障害のある人々が社会復帰や自立を進めるために支援を受けるために交付されている障害者手帳です。

精神障害者が一定の状態にあることを証明するもので、障害の程度に応じた福祉的支援やサービスが提供されます。

精神障害者保健福祉手帳は、申請者の居住地の都道府県知事が交付しており、申請には医師の診断書などが必要です。

更新は2年ごとで、更新の度に障害等級も確認しなければなりません。

障害者手帳の等級

障害者手帳の等級は、手帳ごとに異なった基準が制定されています。

ここからは、各障害者手帳の等級について解説します。

  1. 身体障害者手帳
  2. 療育手帳
  3. 精神障害者保健福祉手帳

身体障害者手帳

身体障害者手帳は、障害の症状や程度に応じて1級から7級までの等級に区分されています。

身体障害者手帳の等級は、障害の種類によって基準が異なります。

一例として、視覚障害は、視力や視野の範囲が判断基準です。

視力の良い方の眼の視力が0.01以下の場合は1級、0.02以上0.03以下なら2級に該当します。

また、視野角度や視認点数も基準の一部です。

等級が高いほど支援や福祉サービスの対象が広がり、生活の質を向上させるための支援が提供されます。

詳細な基準については、厚生労働省の規則に基づいて定められています。

療育手帳

療育手帳の等級は、「重度(A)」と「それ以外(B)」に分類されています。

「重度(A)」は、知能指数が概ね35以下で日常生活において介護が必要な場合や、異食や興奮などの問題行動が見られる場合に該当します。

「それ以外(B)」は、知能指数が概ね50以下で視覚、聴覚、肢体などに障害を併せ持つ場合が対象です。

療育手帳の基準も厚生労働省が定めていますが、自治体によって独自の判断基準を採用する場合もあります。

精神障害者保健福祉手帳

精神障害者保健福祉手帳は、精神疾患や日常生活における能力障害を基準として、1級から3級までの等級に分けられています。

1級は、統合失調症や気分障害、発達障害などの疾患によって高度な人格変化や思考障害、その他の日常生活に大きな支障をきしている場合に該当します。

また、能力障害としては、食事や身の回りの清潔保持、金銭管理、通院・服薬、対人関係の形成、危機管理などにおいて全面的な援助が必要とされる状態です。

2級は、1級ほどの高度な障害ではないものの、疾患による中等度の症状や残遺状態が見られる場合です。

2級では、日常生活の多くの場面で援助が必要となります。

一例として、金銭管理や通院・服薬、対人関係の維持といった分野で自立が難しいとされています。

3級は、精神疾患や能力障害が比較的軽度でありながら、なお支援が必要な状態が該当します。

疾患の症状は著しくはないものの持続性があり、日常生活では自発的に行動できる場合でも、援助が求められる状況です。

具体的には、通院や趣味・社会活動への参加がある程度可能でも、安定した対人関係の構築が困難であったり、危機的状況での適切な対応に不安が残ったりする場合が該当します。

等級の判定基準は、厚生労働省が定めていますが、個々の申請者の状況に応じた詳細な判断は医師や専門家による診断を受けましょう。

障害者手帳2級を保有していると受けられる支援・サービス

ここからは、障害者手帳2級を受けられる支援・サービスを5つ紹介します。

  1. 税金控除
  2. 通信料割引
  3. 上下水道料金割引
  4. 公営住宅の優先入居
  5. テーマパークの入園料割引

今回紹介した支援・サービス以外にどのような支援・サービスが受けられるか知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。

税金控除

障害者手帳2級を持っていると、税金の控除を受けられます。

一例として、相続人が85歳未満であり障害者である場合は、障害者控除の申請が可能です。

具体的には、相続開始時の年齢と85歳との差に応じて、一般障害者では10万円、特別障害者では20万円を1年あたりの控除額として計算します。

控除額が相続税額を超えた場合、扶養義務者の相続税から差し引くことも可能です。

相続税の障害者控除を利用するには、障害者手帳のコピーなどを相続税申告書に添付してください。

制度の詳細や手続きについては、税理士や税務署へ相談しましょう。

通信料割引

障害者手帳2級を所持していると通信料の割引を受けられることがあります。

一例として、NTTdocomoでは、身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳などの手帳を所持しているユーザーへ通信料割引を適用しています。

対象者は、契約者名義または利用者として登録されている場合で、割引の対象となる料金プランは、5G、Xi、FOMAの各プランです。

NTTdocomoでは、スマホの基本使用料やサービスの月額料が割引されるほか、「spモード」や留守番電話などの月額使用料が最大60%割引される特典もあります。

また、手数料の無料化や初期設定サポート、通話料無料なども提供されます。

上下水道料金割引

障害者手帳2級を保有していると、上下水道料金の割引が受けられます。

一例として、東京都水道局では、医療扶助や生活保護を受給している方、児童扶養手当を受けている方などは、申請によって水道料金および下水道料金の減免対象です。

具体的には、水道料金では基本料金と10m³までの従量料金の合計額に一定の割引が適用され、下水道料金も月額8m³までの料金が減免されます。

また、東日本大震災で避難している方々にも減免措置が設けられています。

上下水道料金割引は、水道局の窓口や郵送で受給証書や決定通知書などを提出することで、手続きを進められます。

地域によっては、下水道料金の減免に関する取り扱いが異なるため、詳細については各自治体の水道局に問い合わせましょう。

公営住宅の優先入居

公営住宅は、収入が少ない人々に対して、低価格で提供される住宅です。

障害者手帳2級を持っており、かつ住まいが必要な障害者に対して、公営住宅の優先入居が認められています。

優先入居は、地域によって異なりますが、一般的に「抽選確率の優遇」や「障害者専用住宅の整備」が実施されています。

抽選確率の優遇とは、抽選で入居者が決まる際に、障害者手帳を持つ人の当選確率を高くする方法です。

障害者専用住宅が整備され、バリアフリー対応の住宅が提供されることもあります。

一例として、横浜市では、障害者手帳を持つ人が公営住宅に入居する際に、当選率を優遇したり、月収額の基準を緩和したりする制度が設けられています。

一般的に優先入居は、各自治体の公営住宅担当部局を通じて申請しますが、地域ごとに詳細な要件が異なるため、申請前に確認してください。

テーマパークの入園料割引

障害者手帳2級を所有していると、テーマパークの入園料が割り引きされることがあります。

一例として、東京ディズニーリゾートでは、障害者手帳を持っている方に対して、特別なパークチケットを提供しています。

具体的には、一般の入園チケットよりも低い料金で提供される1デーパスポート(障がいのある方向け)が購入できます。

また、特定の条件を満たす場合には、「ファンタジースプリングス・マジック(障がいのある方向け)」という、ファンタジースプリングスに特化したチケットも購入可能です。

さらに、証明書を持っている方には、同伴者1名も一緒にチケットを購入できます。

障害者向けチケットの購入は、東京ディズニーリゾートのオンライン予約・購入サイトを利用してください。

なお、ファンタジースプリングス・マジックは、オンラインで購入できないため、注意しましょう。

ディズニーホテルやオフィシャルホテル、ウェルカムセンターでも購入可能ですが、ホテルでの購入は宿泊者に限定されます。

また、入園当日は証明書の原本または障害者手帳アプリを提示し、キャストの指示に従って入園手続きしてください。

障害者手帳2級保有者に役立つ情報を得られるコミュニティへ参加しよう

今回は、障害者手帳2級の基準や受けられる支援・サービスなどを紹介しました。

障害者手帳2級は、身体的または精神的な障害が中程度であることを証明する公的な証明書です。

生活支援や福祉サービスを受けるための条件を満たします。

まだ申請していないという方は、今すぐ申請してみましょう。

また、障害者手帳2級保有者に役立つ情報を取得したいという方には、障害者向けコミュニティへの参加がおすすめです。

障がい者の出会いを応援するマッチングアプリ『IRODORI』には、障害を持っていたり、障害について理解があったりするユーザーが多数在籍しているため、障害者手帳2級保有者に役立つ情報を共有できる仲間やパートナーとカンタンに出会えます。

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