コラム

恋愛における『逃げたい』気持ち。回避性パーソナリティ障害と向き合うには?

2025/04/30/

「恋愛したい気持ちはあるのに、なぜか逃げたくなる…」

そんな思いに心当たりはありませんか?

回避性パーソナリティ障害は、他人からの否定や拒絶に対する強い不安から、恋愛関係を築くことにも苦しさを感じてしまう精神障害です。

この記事では、回避性パーソナリティ障害を持つ方が恋愛で「逃げたい」と感じる原因と、無理なく向き合いながら関係を築いていくためのヒントをご紹介します。

「自分らしく、でも誰かとつながりたい」その気持ちに寄り添いながら、一歩ずつ前に進むためのきっかけになれば幸いです。

回避性パーソナリティ障害とは?

回避性パーソナリティ障害(Avoidant Personality Disorder:AVPD)とは、他者からの否定的評価や拒絶に対して強い恐れを抱き、社会的な交流や親密な関係を極端に避ける精神障害です。

精神疾患の診断・統計マニュアル第5版(DSM-5)によると、以下のうち4つ以上に該当すると、回避性パーソナリティ障害と診断されます。

  • 批判・否定・拒絶を恐れて、仕事上の活動などで対人接触を避ける。
  • 自分が好かれている確信がなければ、人との関係を持とうとしない。
  • 恥をかくことやバカにされることを恐れて、親密な関係を制限する。
  • 社会的状況では、批判されるのではないかと常に気にしている。
  • 自分を社会的に不適切で、個人的魅力に欠け、他者より劣っていると見なしている。
  • 新しい対人状況に関わるのを極度に控える(恥をかくリスクを避けるため)。
  • 失敗や恥をかく可能性があるために、個人的なリスクを取ったり、新しい活動に参加するのを嫌う。

回避性パーソナリティ障害について詳しく知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。

回避性パーソナリティ障害は、社会不安障害と似ていますが、以下のような違いがあります。

回避性パーソナリティ障害社会不安障害
主な特徴自己否定的で、人間関係全般を回避特定の社会的状況に対して強い不安
対人関係基本的に広範囲の対人関係を避ける特定の場面(例:人前で話す)で不安
自己評価持続的に「自分は無価値」と感じる場面ごとの不安はあるが、自己評価は安定している場合も
不安の対象拒絶・批判・恥ずかしさへの極度の恐れ恥をかくことへの恐れ(主にパフォーマンスや注目場面)
発症時期幼少期〜思春期に始まり持続する思春期〜若年成人に発症することが多い
日常生活への影響職業、対人、自己概念すべてに強く影響限定された場面(例:発表、会食など)に限定されることが多い
重症度より慢性・広範囲にわたる症状が場面限定であることが多い

社会不安障害について詳しく知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。

回避性パーソナリティ障害を持つ人が恋愛で「逃げたい」と感じる原因

ここからは、恋愛において回避性パーソナリティ障害を持つ人が「逃げたい」と感じる原因を5つ紹介します。

  • 好意を持っても距離を置いてしまう
  • 好意を素直に信じられない
  • 自分は愛される価値がないと思い込む
  • 本音や弱さを見せることに強い恐怖を感じる
  • 実際の関係に絶望しやすい

好意を持っても距離を置いてしまう

回避性パーソナリティ障害を持つ人は、好意を抱くほどに拒絶される恐怖が強まります。

対人関係に対する恐怖が強くなると、無意識に心理的距離を置き、身を守ろうとします。

また、親密になることは喜びだけでなくリスクとも感じるため、安心を求めながらも不安に耐えきれず、無意識に壁をつくってしまうのです。

このような矛盾は、恋愛における葛藤を生み出します。

好意を素直に信じられない

回避性パーソナリティ障害を持つ人は、自己評価が極端に低くなる傾向があります。

自分が好かれるはずがないと感じると、パートナーからの好意を素直に受け取れなくなります。

また、パートナーから好意を示されても、裏があるのではないか、自分が誤解しているのではないかと疑い、不安を強めてしまうでしょう。

このような不信感は、恋愛関係の進展を妨げる要因のひとつです。

自分は愛される価値がないと思い込む

回避性パーソナリティ障害を持つ人は、幼少期からの否定的な経験や自己否定感が根強く、自分を劣った存在だと感じやすい傾向があります。

そのため、自分は愛される価値がないと無意識に思い込み、他者からの好意や優しさを受け取ることに強い抵抗を感じます。

このような思い込みは、恋愛において自己表現や関係の深化を妨げる大きな壁となるでしょう。

本音や弱さを見せることに強い恐怖を感じる

回避性パーソナリティ障害を持つ人は、過去に本音や弱さを見せたことで否定されたり、拒絶されたりした経験が根強く残っている場合があります。

そのため、ありのままの自分を見せれば傷つくという恐怖を深く抱えています。

また、本音や弱さを見せることを拒絶されるリスクと感じ、自分を守ろうとして心を閉ざしてしまうことも恋愛から逃げたくなる要因のひとつです。

実際の関係に絶望しやすい

回避性パーソナリティ障害を持つ人は、理想の恋愛像を抱くことが多く、現実とのギャップに苦しむことがあります。

一例として、理想通りの愛情や関係を求めるあまり、実際の関係に満足できず、自分は愛されていないと感じて絶望してしまいます。

また、自己評価が低いため、相手の愛情を疑い、失敗を恐れて関係に対して消極的になることも恋愛から逃げたくなる要因のひとつです。

回避性パーソナリティ障害と向き合いながら恋愛関係を築くポイント

ここからは、回避性パーソナリティ障害を持つ人が自身の症状に向き合いつつ、恋愛するときに意識すべきことを4つ紹介します。

  • 恋愛に対する不安は障害の特性によるものと自覚する
  • 自分のペースで関係を築く
  • 完璧な恋愛を目指さない
  • 友人や家族との関係を広げる

恋愛に対する不安は障害の特性によるものと自覚する

回避性パーソナリティ障害と向き合いながら恋愛関係を築くためには、恋愛に対する不安は障害の特性によるものと自覚しましょう。

回避性パーソナリティ障害を持つ人は、自己評価が低いため、恋愛の不安を個人の欠点と結びつける傾向があります。

不安は障害の特性による自然な反応だと自覚することで、過度な自己批判を避け、冷静に自分を受け止められます。

自分のペースで関係を築く

回避性パーソナリティ障害と向き合いながら恋愛関係を築くためには、自分のペースで恋愛関係を築きましょう。

回避性パーソナリティ障害を持つ人にとって、急速に親密になることは、強い不安やストレスを引き起こします。

自分のペースで少しずつ距離を縮めることで、安心感を保ちながら信頼関係を育めます。

完璧な恋愛を目指さない

回避性パーソナリティ障害と向き合いながら恋愛関係を築くためには、完璧な恋愛を目指さないようにしましょう。

回避性パーソナリティ障害を持つ人は、恋愛をはじめとした対人関係における失敗や拒絶を極度に恐れます。

不完全な中でも関係を築く柔軟な姿勢を持つことで、心の負担が軽減され、恋愛関係を長続きさせやすくなります。

友人や家族との関係を広げる

回避性パーソナリティ障害と向き合いながら恋愛関係を築くためには、友人や家族との関係を広げましょう。

回避性パーソナリティ障害を持つ人は、パートナーに対して過度に依存する傾向があります。

友人や家族など、パートナー以外の関係も大切にすることで、心の支えが複数でき、恋愛に対するプレッシャーを軽減できます。

また、さまざまな人間関係を持つことで自己肯定感も育ち、恋愛をより健全に楽しめるようになるでしょう。

回避性パーソナリティ障害に理解がある人と出会いたい方にはIRODORIがおすすめ

今回は、回避性パーソナリティ障害を持っていると恋愛で「逃げたい」と感じる原因や、回避性パーソナリティ障害と向き合うコツについて解説しました。

この障害を持っていると、自己肯定感が低くなりやすく、恋愛関係を築くことに対して強い不安を感じることがあります。

しかし、自分の想いを少しずつ素直に伝えながら、自分のペースで関係を育んでいけば、好意を寄せる相手との信頼関係を築いていくことは十分可能です。

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