恋愛は、誰にとっても心が揺れ動くものです。
しかし、ADHD(Attention Deficit Hyperactivity Disorder:注意欠如・多動症)を持つ人にとっては、その感情の波がより大きく、時に衝動的な言動となって現れてしまうことがあります。
そのため、「言わなくてもよかったことをつい言ってしまった」、「パートナーを驚かせるほど感情的に行動してしまった」という経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
本コラムでは、ADHDと恋愛における衝動性との関係、そしてそれをうまく付き合っていくための対処法について詳しく解説していきます。
Contents
ADHDにおける衝動性とは
ADHD(Attention Deficit Hyperactivity Disorder:注意欠如・多動症)とは、不注意・多動性・衝動性といった特性が日常生活に影響を及ぼす発達障がいです。
12歳以前から診断されることがある発達障がいですが、大人になってから診断されることも少なくありません。
ADHDの特徴のひとつに「衝動性」があります。
衝動性とは、思いついたことを即座に行動に移してしまったり、感情を抑えきれずに言葉にしてしまったりする傾向のことです。
脳の実行機能の働きに関わるもので、「考えてから行動する」というプロセスを飛ばしてしまいます。
恋愛関係においては、この衝動性が強く影響します。
一例として、次のような場面が挙げられます。
- パートナーに不安を感じた瞬間に立て続けに連絡してしまう
- ささいなできごとへ強い嫉妬や怒りを感じてしまう
- デートの場で思いついたことを急に提案して戸惑わせてしまう
- 「もう別れる!」と感情的に口にしてしまう
これらの言動は、決して性格が悪いことによるものではありません。
ADHD特性として、自然に起こりやすい反応です。
しかし、このような言動が繰り返されると、パートナーに誤解を与えたり、関係に負担をかけたりしてしまいます。
ADHDについて詳しく知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。
恋愛中の衝動的な言動が生まれる原因
恋愛において衝動的な言動が出やすいのには、いくつかの心理的な背景があります。
ここからは、ADHDの人が恋愛中に衝動的な言動が見られる原因を3つ紹介します。
- 感情の波が激しい
- 人間関係に自信を持てない
- 自己肯定感が低い
感情の波が激しい
ADHDの人は、感情を穏やかにコントロールすることが難しく、「感情の波」が急激に上下する傾向があります。
嬉しいときには人一倍テンションが上がりますが、悲しいときや不安なときには一気に気持ちが沈み込みます。
そのため、気持ちの変化が行動や言葉に直結しやすく、「昨日は楽しそうだったのに、今日は急に落ち込んでいる」などとパートナーに驚かれることも少なくありません。
人間関係に自信を持てない
恋愛関係では「パートナーに嫌われたらどうしよう」という不安が誰しも多少はあるものです。
しかし、ADHDの人はその不安に耐える力が弱い傾向にあります。
一例として、パートナーの返事が数時間来ないだけで「無視されているのでは」と強く感じ、すぐに立て続けに連絡してしまうことがあります。
このように、頭では「忙しいだけかもしれない」と理解していても、感情が先に高ぶってしまうため、衝動的に行動してしまうことも少なくありません。
自己肯定感が低い
ADHDの人は、日常生活でミスや失敗を繰り返すと、自分はダメだという自己否定感を抱えやすくなります。
この自己肯定感の低さは、恋愛に影響することも少なくありません。
一例として、「自分なんて愛されるはずがない」、「どうせ嫌われる」と思い込んでしまいます。
こうした恐怖や不安を打ち消そうと、衝動的に「本当に好き?」や「私のこと嫌いじゃないよね?」と繰り返し確認してしまいます。
衝動的な言動を和らげるための対処法
恋愛中に衝動的な言動が出てしまいそうなとき、どのように対処すればいいのでしょうか。
ここからは、衝動的な言動を和らげるための対処法を5つ紹介します。
- 「一呼吸おく」習慣を身につける
- 感情を「見える化」する
- 信頼できる第三者へ打ち明ける
- パートナーの立場を思い浮かべる
- 自己肯定感を育む
「一呼吸おく」習慣を身につける
衝動的に行動する前に、一呼吸おく習慣を身につけましょう。
ADHDの人は、思ったことをすぐに行動へ移す傾向があります。
一例として、感情が高ぶった瞬間にメッセージを送ったり、強い言葉を口にしてしまうことがあります。
深呼吸を数回してから考える、メールを送る前にタイマーをセットして10分置いてみる、一旦紙やスマホのメモに気持ちを書き出して落ち着くなどの工夫を凝らすと、衝動的な言動を抑えられるでしょう。
感情を「見える化」する
感情は、見える化するとコントロールしやすくなります。
一例として、そのときの感情を日記やアプリに記録することで、自分の気持ちの変化にパターンがあることに気づけます。
見える化するときは、「夜になると不安が強まる」や「パートナーからの返信が遅れると怒りや焦りが出やすい」など、具体的な傾向を書き出しましょう。
感情の見える化以外で感情をコントロールする方法を知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。
信頼できる第三者へ打ち明ける
不安や怒りを恋人に直接ぶつけてしまうと、関係にひびが入ることがあります。
その前に、信頼できる友人やカウンセラーに相談することで、気持ちを整理できるため、冷静になれるでしょう。
また、友人や家族などに話すだけでも心が軽くなり、衝動的な行動を防げます。
ADHDなどの障害を打ち明けるタイミングと伝え方について詳しく知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。
パートナーの立場を思い浮かべる
パートナーとの関係を長続きさせるためには、パートナーの立場を思い浮かべながら行動しましょう。
衝動的に「なぜ返信してくれないの?」と聞く前に、パートナーの状況を思い浮かべましょう。
一例として、「仕事で忙しいのかもしれない」や「疲れて休んでいるのかもしれない」と考える習慣をつけると、不安にすぐ飲み込まれずに済みます。
また、少しずつでも「自分の気持ち」と「パートナーの事情」を切り分けられるようになると、衝動的な行動は減っていきます。
自己肯定感を育む
パートナーと良好な関係を育むためには、自己肯定感を高めましょう。
「嫌われたらどうしよう」という不安は、根本的には自己肯定感の低さから生まれます。
日常の中で小さな成功を積み重ねる、得意なことに時間を使う、自分を褒める習慣を持つことで、少しずつ「自分は大丈夫」という感覚を育てられるでしょう。
また、恋愛だけに自分の価値を委ねず、自分自身の存在を肯定できるようになると、パートナーに過度に依存することも減り、安定した関係を維持できます。
自己肯定感を高める方法について知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。
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今回は、ADHDと恋愛における衝動性との関係、そしてそれをうまく付き合っていくための対処法について解説しました。
ADHDを持つ人が恋愛中に衝動的に言動してしまうのは、ごく自然なことです。
しかし、ADHDの特性を理解し、工夫して向き合うことで関係を壊すことなく、むしろお互いの絆を深められます。
衝動的な一面も含めて自分を受け入れ、パートナーと協力しながら歩みましょう。
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