
恋愛は人とのつながりを深め、心に安らぎや充実感を与えてくれる大切なものです。
しかし、双極性障害を抱える方の中には「恋愛がなかなか長続きしない」と悩む方も少なくありません。
中には、パートナーへの愛情が本物であっても、気分の波や衝動的な言動が原因となり、関係がこじれてしまうことがあります。
本コラムでは、双極性障害を持つ方が恋愛を続けにくい背景や心理をもとに恋愛を安定させるための改善ポイントを紹介します。
Contents
双極性障害の恋愛が長続きしない原因

双極性障害は、気分が高揚する「躁状態」と、気分が落ち込む「うつ状態」を繰り返す精神障害です。
WHO(World Health Organization:世界保健機関)によると、2019年には成人の約150人に1人が双極性障害を抱えているとされています。
また、NCNP(National Center of Neurology and Psychiatry:国立精神神経医療研究センター)は、以下のような状態が双極性障害であるとしています。
躁状態のサイン
- 睡眠時間が少なくても平気になる
- 人の意見を聞かない
- 根拠のない自信に満ちあふれている
- 衝動的に買い物やギャンブルで散財する
- 初対面の人の声をかけたがる
- 性的に奔放になる
うつ状態のサイン
- 表情が暗い
- 涙もろい
- 過度に自分を責めている
- 倦怠感がある
- 頭痛や肩こりがある
双極性障害があると、恋愛が長続きしないことがあります。
双極性障害の恋愛が長続きしない主な原因は、以下3つです。
- 気分の変動によるコミュニケーションの不一致
- 自己否定感や罪悪感により自ら関係を終わらせる
- 治療や自己ケアが不十分
双極性障害についてさらに詳しく知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。
気分の変動によるコミュニケーションの不一致
双極性障害の恋愛が難しいとされる大きな要因のひとつが、「気分の落差」です。
躁状態では、エネルギーが満ちあふれているため、まるで恋愛に全力投球するかのように、頻繁に連絡を取ったり、パートナーへの愛情を惜しみなく伝えたりします。
また、プレゼントやデートの頻度が高くなり、パートナーは「大切にされている」と感じることも多いでしょう。
しかし、うつ状態になると急に返信が途絶えたり、会うことを避けたり、そっけない態度になったりすることがあります。
本人にとっては「ただ気分が落ち込んでいて動けない」だけでも、パートナーからすると「急に冷たくなった」「嫌われたのでは」と受け取られてしまうでしょう。
この誤解が積み重なると、不信感が生まれてしまいます。
自己否定感や罪悪感により自ら関係を終わらせる
うつ状態に入ると「自分はダメな人間だ」という思考が強くなる傾向があります。
とくに、恋愛では「自分はパートナーを困らせてばかり」、「パートナーを幸せにできない」と自分を責めやすくなるでしょう。
その結果、パートナーに「迷惑をかけたくない」という気持ちから距離を置いたり、自ら別れを切り出すことも少なくありません。
パートナーが擁護しようとしても、当人の心にはなかなか届かず、悪循環に陥ってしまいます。
治療や自己ケアが不十分
双極性障害は治療の継続が不可欠な精神障がいです。
服薬を勝手に中断したり、生活リズムが乱れたりすると、気分の波がより強く現れやすくなります。
気分の波が大きくなると、関係性が悪化しかねません。
また、セルフケアケアを怠ると、回復が遅くなるため、自分だけでなくパートナーにも負担がかかります。
双極性障害の人が恋愛を長続きさせるためのポイント

双極性障害があるからといって、恋愛できないわけではありません。
ここからは、双極性障害の人が恋愛を長続きさせるためのポイントを5つ紹介します。
- パートナーに双極性障害のことを知ってもらう
- 気分の変化を事前に伝える
- 冷静に行動する
- 自己否定に陥らないようにする
- パートナーに依存しすぎない
パートナーに双極性障害のことを知ってもらう
双極性障害の人が恋愛を長続きさせるためには、パートナーに双極性障害のことを知ってもらいましょう。
本人がどれだけ努力しても、パートナーが病気を理解していなければ「気分の変化」を性格の問題やわがままと誤解されかねません。
パートナーが双極性障害のことを理解しているだけで、受け止め方がまったく異なります。
また、病気を「共に学ぶ姿勢」も大切です。
専門書や信頼できる医療サイトを一緒に読むことで、パートナーは「支える準備ができている」と感じられるでしょう。
双極性障害のことを伝えるタイミングと伝え方について知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。
気分の変化を事前に伝える
双極性障害の人が恋愛を長続きさせるためには、気分が変化しそうなときに事前にパートナーへ一声かけましょう。
恋愛において「連絡が減ること」や「会う頻度が落ちること」は、パートナーにとって不安材料のひとつです。
しかし、その理由が「気分が落ちているから」だと分かっていると、パートナーは無用な不安を抱かずに済みます。
また、あらかじめ「うつ状態のときはこういう傾向がある」と伝えておくと、パートナーは「今はそういう時期だから焦らなくていい」と冷静に受け止めやすくなります。
冷静に行動する
双極性障害の人が恋愛を長続きさせるためには、衝動的に行動しないようにしましょう。
躁状態では感情が高ぶり、思ったことをそのまま口に出したくなることがあります。
しかし、感情の勢いで放った言葉は後悔につながりやすく、パートナーを傷つけてしまうことも少なくありません。
双極性障害の人が冷静に行動するためには、以下のように一呼吸置く習慣を身につけることが効果的です。
- 一度深呼吸する
- スマホにメモして時間をおく
- 一晩寝かせてから伝える
また、パートナーに「感情が高ぶったときはすぐに話さずに整理するから、少し待ってほしい」とあらかじめ伝えておくと、パートナーも理解しやすくなります。
感情をコントロールする方法について知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。
自己否定に陥らないようにする
双極性障害の人が恋愛を長続きさせるためには、過度に自分を否定しないようにしましょう。
うつ状態になると「パートナーに迷惑をかけている」、「こんな自分は愛される価値がない」と思い込みやすくなります。
こうした自己否定は、実際には病気の症状であるにもかかわらず、本人にとっては「揺るぎない事実」のように感じられてしまいます。
この悪循環を防ぐためには、「気分が落ちているときは、できるだけ短い言葉でも気持ちを共有する」、「否定的になっているときは、無理に励まさず、ただそばにいてほしい」などと取り決めておきましょう。
双極性障害の人とのかかわりが少ないと、「どう支えればいいかわからない」と悩むことがあります。
本人から具体的なリクエストがあると、サポートしやすくなるでしょう。
その結果、自己否定のスパイラルに陥りにくくなり、関係も安定しやすくなります。
自己肯定感を高める方法について詳しく知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。
パートナーに依存しすぎない
双極性障害の人が恋愛を長続きさせるためには、パートナーに依存しすぎないようにしましょう。
パートナーに支えてもらえることは、大きな安心材料になるでしょう。
しかし、過度に依存してしまうとパートナーに負担がかかりすぎるため、関係が破綻しやすくなります。
パートナーの負担を軽減するためには、「第三者のサポート」を確保してください。
友人や家族、専門のカウンセラー、支援団体など、相談できるパートナーを複数持つことで、パートナーにかかる負担を分散できます。
また、趣味や日常の楽しみを持つことも依存の予防になります。
双極性障害に理解がある方と出会いたい方にはIRODORIがおすすめ
今回は、双極性障害を持つ方が恋愛を続けにくい背景や心理をもとに恋愛を安定させるための改善ポイントを解説しました。
双極性障害を抱える方が恋愛を長続きさせることは、決して不可能ではありません。
むしろ、病気を理解して支え合える関係は、より強固な絆を生むことがあります。
恋愛は、お互いに歩み寄り、安心できる関係を築いていくものです。
双極性障害に向き合いつつ、自分らしい恋愛を育みましょう。
「自分の病気を理解してくれるパートナーと出会いたい。」
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