人との関わりに強い緊張や不安を感じ、必要以上に周囲の視線や評価が気になってしまうことは、社交不安障害（SAD：Social Anxiety Disorder）に見られる特徴のひとつです。
とくに、恋愛や出会いの場では、自分を見せることやコミュニケーションが求められるため、不安が強まりやすい傾向があります。
本コラムでは、社交不安障害によく見られる特徴やついつい口にしてしまう口癖などを紹介します。
Contents
社交不安障害がある人の特徴
社交不安障害（SAD：Social Anxiety Disorder）とは、他の人からの見られ方や評価に対して強い不安や恐怖を感じてしまう状態が続く精神障害です。
単に「人見知り」や「緊張しやすい」だけでなく、日常生活・学校・仕事・恋愛・人付き合いなどに影響が出るほど苦痛が大きくなります。
社交不安障害の主な原因には、以下のようなものがあります。
- 遺伝・体質的要因（家族に社交不安障害の人がいる、脳の神経回路の働きに異常があるなど）
- 環境・育ちの要因（いじめ、家庭内暴力など）
- 心理的・認知的要因（自己評価が低い、失敗や恥ずかしいことを極度に恐れる）
社交不安障害がある人には、以下のような特徴があります。
- 人前や社会的な場面で強い緊張や不安を感じやすい
- 「どう思われるか」を気にしすぎてしまう
- 自己肯定感が低い
- 対人の場面で身体的症状が見られる
人前や社会的な場面で強い緊張や不安を感じやすい
社交不安障害があると、人前や初対面の相手との交流で強い緊張を感じます。
一例として、話す内容や表情に過剰に反応してしまい、思うように行動できなくなることがあります。
その結果、会話や行動を避けてしまう傾向が強まり、日常生活に支障をきたすことも少なくありません。
「どう思われるか」を気にしすぎてしまう
社交不安障害があると、他人の評価や印象を必要以上に気にしてしまいます。
さらに、たとえ相手が何も考えていなくても、自分の言動を否定的に捉えてしまいます。
そのため、自然体で振る舞うことが難しく、自己表現にためらいを感じることも少なくありません。
自己肯定感が低い
社交不安障害があると、自分に自信を持つことが難しくなります。
一例として、「自分は価値がない」や「うまくできない」などと感じやすく、失敗を過度に恐れます。
そのため、挑戦や新しい出会いに踏み出すのが億劫になり、自己評価がさらに下がることも少なくありません。
自己肯定感が低いと感じたときの対処法について知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。
対人の場面で身体的症状が見られる
社交不安障害があると、精神面だけでなく、身体的な症状が現れることがあります。
一例として、人と接する場面で動悸や手の震え、発汗などの身体症状が現れます。
さらに、緊張や不安が高まると、声が震えたり赤面したりすることも珍しくありません。
このような症状は、本人の意思ではコントロールしにくく、さらに不安を強める悪循環につながることがあります。
社交不安障害について詳しく知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。
社交不安障害の人が口にしてしまう口癖
社交不安障害の影響は、行動だけでなく発言にも影響を及ぼします。
ここからは、社交不安障害の人が口にしてしまう口癖を5つ紹介します。
- 「迷惑じゃないですか？」
- 「すみません。」
- 「変に思われたらどうしよう。」
- 「嫌われたかもしれない。」
- 「断られたら立ち直れない。」
「迷惑じゃないですか？」
社交不安障害があると、相手に負担をかけていないか気になり、「迷惑じゃないですか？」と口にしてしまいます。
さらに、相手の都合や気持ちを過剰に考えすぎてしまい、頼みごとや提案をためらうことも少なくありません。
その結果、本当はやりたいことや伝えたいことを控えてしまい、自己表現が難しくなります。
「すみません。」
社交不安障害があると、何か行動するたびに「すみません。」と言ってしまうことが多くなります。
さらに、自分の存在自体が相手に迷惑をかけているのではないかと感じ、つい謝ってしまうことも少なくありません。
このような口癖は、安心感を得るための手段である一方で、自己評価を下げる要因になります。
「変に思われたらどうしよう。」
社交不安障害があると、他人からどう見られるかを必要以上に意識してしまいます。
ちょっとした行動や言葉が誤解されるのではないかと心配し、「変に思われたらどうしよう。」というような言葉を発してしまいます。
このような思考は、不安を強めるだけでなく、自然体でのコミュニケーションを難しくする要因でもあるため、注意しなければなりません。
「嫌われたかもしれない。」
社交不安障害がある人は相手の些細な反応であるため、「嫌われたかもしれない。」というような言葉を発することがあります。
一例として、メッセージの返信が遅いだけでも、自分が嫌われている証拠だと解釈してしまいます。
この思い込みは心を疲れさせ、積極的なコミュニケーションを妨げるでしょう。
「断られたら立ち直れない。」
社交不安障害があると、拒否や断りに対して非常に敏感になり、「断られたら立ち直れない。」というような言葉を発することがあります。
一例として、相手に誘いやお願いをする際、失敗の恐怖が大きく、なかなか行動に踏み切れないことが増えます。
こうした心配は、自分を守るための防衛でもありますが、行動の幅を狭める原因にもなるため、注意しなければなりません。
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今回は、社交不安障害によく見られる特徴やついつい口にしてしまう口癖などについて解説しました。
社交不安があると、つい緊張してしまったり、会話が途切れてしまったりすることがあります。
その一方で、優しさや思いやり、豊かな感受性といった、社交不安障害を抱える人ならではの魅力は確かに存在します。
社交不安障害を持つ人にとって大切なのは、そうしたあなたを理解し尊重してくれる相手と出会うことです。
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