
視覚に障害があると、日常生活や外出の中でさまざまな不安や制約を感じることが少なくありません。
それに伴い、日本には視覚障害のある方が安心して生活し、自分らしく社会参加できるよう、多くの支援制度が整備されています。
視覚障害者も日本で導入されている制度を把握し、上手に活用することで、生活の質を大きく高められるでしょう。
本コラムでは、視覚障害のある方に向けて、外出や生活を支える代表的な制度について分かりやすく解説します。
Contents
視覚障害者の外出を支える制度

視覚障害とは、目の機能に何らかの障害があり、視覚による情報取得が困難な状態です。
視覚障害について詳しく知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。
国土交通省によると、2006年時点で視覚障害者の外出頻度は、ほぼ毎日が29.3%、週2,3回が29.8%でした。
日本では、そんな視覚障害者の外出をサポートするための制度が多数存在しています。
ここからは、視覚障害者の外出を支える主な制度を5つ紹介します。
- 同行援護
- 移動支援事業
- 公共交通機関の割引制度
- 福祉タクシー
- 身体障害者補助犬
同行援護
同行援護とは、視覚障害により移動が困難な方に対して、外出時に同行し必要な情報を提供したり、移動を支援したりする制度です。
障害福祉サービスの一環として国の基準をもとに運用されている制度で、主に市区町村が窓口になっています。
同行援護では外出時にガイドヘルパーが周囲の状況説明や誘導、代読・代筆などの支援を提供してくれるため、視覚障害者も安全に移動できるようになるでしょう。
同行援護を利用するためには、自治体の障害福祉窓口で相談し、支給決定を受けたうえで指定事業所と契約する必要があります。
移動支援事業
移動支援事業とは、障害のある方が外出する際に必要な移動のサポートを提供する制度です。
地域生活支援事業のひとつとして市区町村が実施している制度で、地域の実情や利用者のニーズに応じて柔軟に運用されています。
移動支援事業を利用すると、通院や買い物だけでなく外出全般における移動の不安を軽減できるため、視覚障害者が社会参加するための機会を広げられるでしょう。
移動支援事業を利用するためには、自治体の障害福祉窓口に相談し、対象者として認定を受けたうえで、登録事業所を通じてサービスを申し込む必要があります。
公共交通機関の割引制度
視覚障害があると、公共交通機関の割引を受けられることがあります。
一例として、JR東日本では視覚障害を含めた身体・知的・精神に障害があることを公的に証明する「障害者手帳」を提示すると、以下のような割引が適応されます。
(例:JR東日本の割引)
対象:第1種障害者およびその介護者
割引対象乗車券類:普通乗車券/回数乗車券/普通急行券
割引率:50%
対象:第1種障害者およびその介護者、12歳未満の第2種障害者およびその介護者
割引対象乗車券類:定期乗車券
参照元:お身体の不自由なお客さまへ障害者割引制度のご案内|東日本旅客鉄道株式会社
公共交通機関の割引制度を利用すると、移動にかかる経済的負担を軽減できるため視覚障害者の通院や買い物、余暇活動などの機会を広げられるでしょう。
福祉タクシー
福祉タクシーとは、障害のある方や高齢者など移動に配慮が必要な人が安心して外出できるよう、通常のタクシーよりも利用しやすい環境や料金支援が整えられた制度です。
市区町村などの自治体が主体となって実施しており、民間のタクシー事業者と連携しながら運行や料金助成が提供されています。
国土交通省によると、福祉タクシーの事業者数は2003年には2,362者だったのに対し、2007年には7,155者と増加傾向にあります。
自宅から目的地まで安全に移動できる手段になるため、公共交通機関の利用が難しい場面でも視覚障害者が外出するうえでの負担や不安を軽減できるでしょう。
福祉タクシーを利用するには、自治体の障害福祉窓口で申請し、福祉タクシー券の交付や利用登録を済ませたうえで、対象のタクシー会社を通じて予約・乗車する必要があります。
身体障害者補助犬
身体障害者補助犬とは、指定された訓練施設や団体が育成・認定した犬が障害のある方の生活を支援し、自立と社会参加を促進する制度です。
身体障害者補助犬法に基づき国が基準を定めており、都道府県や指定法人が認定や育成を担いながら運用されています。
身体障害者補助犬には、視覚障害のある方が安全に歩行できるように訓練された「盲導犬」、肢体不自由のある方の日常生活動作をサポートするために訓練された「介助犬」、聴覚障害のある方に代わって生活の中のさまざまな音を聞き分けるために訓練された「聴導犬」の3種類が存在しています。
視覚障害者も盲導犬に障害物や段差、曲がり角を知らせて安全な歩行を支援してもらうことで、外出時の不安を軽減し行動範囲を広げられるでしょう。
身体障害者補助犬は、都道府県の障害福祉窓口に相談し、適性評価や訓練を経て認定されたうえで、貸与を受けられます。
視覚障害者の生活を支える制度
日本には、外出だけでなく日常生活を支える制度も存在します。
ここからは、視覚障害者の生活を支える主な制度を4つ紹介します。
- 日常生活用具給付等事業
- 障害年金
- 特別障害者手当
- 福祉用具・住宅改修
日常生活用具給付等事業
日常生活用具給付等事業とは、障害のある方が日常生活をより円滑に送れるよう、必要な福祉用具を給付または貸与する制度です。
障害者総合支援法に基づく地域生活支援事業のひとつとして市区町村が実施主体となり、国や都道府県の補助を受けながら運用されています。
日常生活用具給付等事業を活用して点字器や音声機器、拡大読書器などの用具を入手・利用することで、情報取得や生活動作がしやすくなり、視覚障害者の自立した生活や社会参加が目指しやすくなるでしょう。
日常生活用具給付等事業は、市区町村の障害福祉窓口で申請し、必要性の審査と給付決定を受けると、指定された方法により用具の給付や貸与を利用できるようになります。
障害年金
障害年金とは、病気やけがによって生活や仕事に制限が生じた場合に、現役世代を含めて一定の要件を満たす人に支給される公的年金制度です。
国が管轄している制度で、実務は日本年金機構や年金事務所、市区町村の窓口が連携して運用されています。
収入の減少や就労の制限がある場合でも生活費の一部を安定的に確保できるため、視覚障害者の経済的な不安を軽減し、自立した生活の維持に役立つでしょう。
障害年金を申請するためには、初診日や保険料納付要件などの条件を満たしたうえで、年金事務所や市区町村へ必要書類を提出して請求手続きを進めます。
障害年金について詳しく知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。
特別障害者手当
特別障害者手当とは、重度の障害により日常生活で常に特別な介護を必要とする在宅の方を対象として月額30,450円を支給する制度です。
国の制度に基づき市区町村が窓口となって運営しており、支給の認定や支払い手続きは自治体を通じて進められます。
視覚障害者の中でも特に重度で常時介護が必要な場合は、特別障害者手当により生活にかかる費用を軽減することで、精神的および経済的な負担を和らげられるでしょう。
特別障害者手当を申請するには、居住地の市区町村の障害福祉窓口で必要書類を提出し、所得制限や障害の状態についての審査を受けたうえで認定される必要があります。
福祉用具・住宅改修
福祉用具・住宅改修とは、障害のある方や要介護者が自宅で安全かつ自立した生活を送るために、必要な福祉用具の利用や住環境の整備に対して費用を支援する制度です。
介護保険制度などに基づき市区町村が主体となって運用されており、ケアマネジャーや福祉用具専門相談員などの専門職と連携しながら実施されています。
福祉用具・住宅改修を通じて手すりの設置や段差の解消、音声機器などの福祉用具の活用によって転倒リスクを減らせるため、自宅での移動や生活動作の安全性を高められるでしょう。
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今回は、外出や生活を支える代表的な制度について解説しました。
視覚障害のある方を支える制度は、外出・生活・就労と多岐にわたり、日常のあらゆる場面をサポートしています。
これらの制度を活用することで、視覚障害による不安を軽減し、自分らしい生活を実現できるでしょう。
視覚障害者向けの支援制度は地域によって異なるため、各自治体や制度の運営団体に相談してみてください!
また、視覚障害者に役立つ情報は、公的な窓口だけでなく、視覚障害者向けのコミュニティへ参加することでも得られます。
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