
適応障害によって心身の調子を崩し、休職することになったとき、「休んでいるだけでいいのだろうか」や「早く元の生活に戻らなければ」と焦ってしまう人は少なくありません。
しかし、休職中は仕事から離れるだけの期間ではなく、心身を回復させ、今後の生活を見直すための大切な時間です。
とくに、適応障害ではストレスの原因から離れることで症状が軽くなることがあります。
そこで、本コラムでは適応障害の人が休職中に心がけたい過ごし方や、避けたほうがよい行動について解説します。
Contents
適応障害とは?
適応障害とは、仕事や人間関係、生活環境の変化などによるストレスが、対処できる範囲を超えたときに、心や行動に不調が現れる精神障がいです。
厚生労働省の「こころの耳」では、環境の変化によるストレスが個人の順応力を超えた際に生じる、情緒面・行動面の不調とされています。
適応障害があると、気分の落ち込みや不安、焦り、怒り、集中力の低下などの精神的な症状のほか、仕事を休みがちになる、人とのトラブルが増える、暴飲暴食などの行動の変化が見られます。
適応障害について詳しく知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。
適応障害の人が休職中に心がけたい過ごし方

適応障害に見られる特徴のひとつは、症状と特定のストレスとの関連が比較的明確であることです。
一例として、職場での人間関係や業務上の負担、転職・異動、家庭環境の変化などがきっかけとなることがあります。
その一方で、業務や職場環境が原因で適応障害が発症した方は、休職によりストレスの原因から離れることで症状が和らぐ傾向もあります。
そこで、ここからは適応障害の人が休職中に心がけたい過ごし方を5つ紹介します。
- 十分な休養を取る
- 無理のない範囲で生活リズムを整える
- ストレスの原因から距離を明確にする
- 休養と併せて復職の準備も進める
- 信頼できる人とのつながりを保つ
十分な休養を取る
適応障害により休職するときは、仕事から離れて心身を回復させるための十分な休養を取りましょう。
適応障害では、ストレスによって心身のエネルギーが消耗するため、休職直後から資格の勉強や転職活動などを頑張りすぎると、かえって疲労が蓄積する恐れがあります。
「何もしない時間も回復のために必要」と考え、眠れるときは睡眠を優先し、趣味や散歩なども体調に合わせて無理なく取り入れてみましょう。
無理のない範囲で生活リズムを整える
適応障害により休職するときは、体調に気遣いながら少しずつ起床や就寝、食事などの生活リズムを整えましょう。
休職中は仕事に合わせて行動する必要がなくなるため、昼夜逆転したり、食事や睡眠の時間が不規則になったりすることがあります。
いきなり完璧な生活を目指すのではなく、「毎朝同じ時間にカーテンを開ける」や「朝食を取る」というように、できそうなことから始めてみてください。
生活リズムを安定させるコツについて知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。
ストレスの原因から距離を明確にする
適応障害により休職するときは、適応障害のきっかけとなったストレスの原因からできるだけ距離を取り、心身を休ませる環境をつくりましょう。
仕事のメールや通知を頻繁に確認していると、休職していても職場のことを考え続けてしまい、十分に気持ちを休められません。
会社との連絡窓口を決めたり、仕事用のスマートフォンを見ない時間をつくったりしてみてください。
また、どこまで仕事から離れるのかを周囲と相談して明確にしておくことも重要です。
休養と併せて復職の準備も進める
体調が回復してきたら、休養だけに集中するのではなく、無理のない範囲で復職に向けた準備も進めましょう。
復職すると生活リズムや人間関係、仕事上の責任などが再び生じます。
とくに、休職中との生活の差が大きいほど、身体的・精神的負担を感じやすくなるでしょう。
主治医や職場の担当者と相談しながら、起床時間を勤務時間に近づけたり、日中に一定時間活動したりするなど、現在の体調に合わせて少しずつ準備してみてください。
信頼できる人とのつながりを保つ
適応障害による休職中も、無理のない範囲で信頼できる人とのつながりを保つようにしましょう。
適応障害があると、人と会うこと自体が負担になる時期もあります。
しかし、誰とも話さずひとりで悩み続けると、不安や孤独感が強くなってしまうでしょう。
毎日会う必要はありませんが、家族や友人に短いメッセージを送ったり、体調のよい日に電話をしたりするなど、自分が負担に感じない方法でつながりを維持してみてください。
適応障害について気軽に相談できる友達をお探しの方は、こちらのコラムをご覧ください。
適応障害の人が休職中に避けたほうがよい行動

業務や職場環境が原因である適応障害は、漠然と休職すれば回復するというわけではありません。
そこで、ここからは適応障害の人が休職中に避けたほうがよい行動を4つ紹介します。
- 焦って復職しようとする
- 休職中に予定を詰め込みすぎる
- 他の人と比較する
- 仕事のメールやSNSを頻繁に確認する
焦って復職しようとする
体調が十分に回復していない段階では、焦って復職しようとせず、回復を優先しましょう。
「早く仕事に戻らなければ」と考えて無理すると、復職後に心身の負担が大きくなり、再び体調を崩してしまいます。
復職の時期については自己判断だけで決めず、主治医や職場の担当者などと相談しながら、睡眠や食事、日中の活動などが安定しているかを確認し、段階的に復職の準備を進めましょう。
休職中に予定を詰め込みすぎる
休職中は予定を詰め込みすぎず、心身を休ませる時間を十分に確保しましょう。
仕事がないことに焦りを感じて、資格の勉強や趣味、友人との約束などを一度に増やしてしまうと、休職しているにもかかわらず疲労が蓄積します。
外出や人と会う予定を入れるときは、連日予定を入れないようにしたり、予定の後に休む時間を確保したりするなど、体調に合わせて余裕のあるスケジュールを組みましょう。
他の人と比較する
休職中は、他の人の回復状況や働き方と自分を比較しすぎないようにしましょう。
「同じような症状でも仕事に戻っている人がいる」、「自分だけ休んでいて情けない」と考えると、焦りや自己否定の気持ちが強くなってしまいます。
適応障害の症状や回復までにかかる期間は人によって異なるため、他人の生活を見て落ち込まず、自分の睡眠や体調、できるようになったことなどに目を向けてみてください。
仕事のメールやSNSを頻繁に確認する
休職中は仕事のメールや職場に関するSNSなどを頻繁に確認せず、仕事から適切に距離を置きましょう。
職場の状況や同僚の投稿を繰り返し確認していると、「自分がいない間に仕事が進んでいる」や「復職したら対応できるだろうか」などと考え、不安や緊張が強くなってしまいます。
会社との連絡に必要なメールだけを決まった時間に確認する、仕事用の通知をオフにするなど、主治医や職場と相談しながら休職中の連絡ルールを決めておきましょう。
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今回は、適応障害の人が休職中に心がけたい過ごし方や、避けたほうがよい行動について解説しました。
休職中は「仕事をしていない」、「何も成し遂げていない」と感じてしまうこともあるかもしれません。
しかし、休職により心身を休ませることも重要な取り組みです。
とくに、以前は当たり前にできていたことが難しくなっているときは、なおさら小さな変化を大切にしましょう。
また、適応障害の療養中は、仕事や人間関係から距離を置くことで、孤独を感じることもあります。
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