うつ病でなくなった恋愛感情は元に戻る?
2024/05/29/
WHO(世界保健機関:World Health Organization)によると、2023年3月時点で世界中の成人の内5%(男性4%、女性6%)がうつ病に罹患しているとされています。
皆さんの周りにもうつ病で悩んでいる方がいるというケースも少なくないでしょう。
うつ病に罹患していても恋愛したいと思っている方は、たくさんいます。うつ病の罹患者が恋愛することについて以下のような疑問を抱いている方もいるのではないでしょうか。
「どうしてうつ病に罹患すると、恋愛感情がなくなるんですか?」
「うつ病でなくなった恋愛感情は元に戻るんですか?」
本稿では、うつ病罹患者の恋愛感情がなくなる原因と恋愛感情を元に戻す方法を紹介します。最後まで読んでいただくと、うつ病罹患者の恋愛感情への向き合い方に対する理解が深まります。
Contents
うつ病とは
国立精神・神経医療研究センターは、うつ病について「精神的ストレスや身体的ストレスが重なることなど、様々な理由から脳の機能障害が起きている状態」と定義しています。
程度や罹患期間は異なりますが、うつ病では以下のような症状が長期的に継続します。
- 憂鬱な気分が続く
- 何をしても楽しくない
- あらゆることに興味がわかない
- 疲れているのに眠れない
- ずっと眠い
- イライラが収まらない
- 自暴自棄になる
- 思考力が落ちる
- 死にたいと思う
うつ病の主な原因は、以下の3つとされています。
- 社会的要因
- 心理的要因
- 生物学的要因
社会的要因
「コロナウイルスの感染拡大により飲み会や友達と遊ぶが減った。」
「テレワークが推奨されたことで在宅勤務が増えた。」
などの社会的な要因により、精神的な負担が増え、うつ病を罹患するケースが見られます。
社会的要因は、時代の流れによって変化するため、都度対策を考えなければなりません。
心理的要因
「上司に怒られてばかりで仕事に対するモチベーションが上がらない。」
「結婚したいと思っていたパートナーと別れることとなった。」
というように仕事やプライベートで強いストレスを感じると、うつ病に罹患する可能性が生じます。
また、引っ越しや離婚など環境の変化が激しい場合もうつ病を罹患する可能性があります。
生物学的要因
東京慈恵会医科大学・ウイルス学講座の小林伸行准教授と近藤一博教授らの研究グループは、うつ病の原因とされている「ヒトヘルペスウイルス 6 (HHV-6)」の「SITH-1 遺伝子」には、うつ病を吹き起こしやすいタイプとうつ病を引き起こしにくいタイプが存在することを発見しました。
ストレスへの耐性や感情の起伏などは人によって異なり、それに伴いうつ病の罹患しやすさも変化します。
自分が大丈夫だと思っていることでも、他の人にとってはうつ病になる可能性があるような出来事であることも珍しくありません。
うつ病に罹患すると恋愛感情がなくなる原因
うつ病に罹患したからと言って必ず恋愛感情がなくなるわけではありません。うつ病罹患者でもパートナーを見つけたいと考えている方はたくさんいます。
しかし 、以下のような理由で他の人からうつ病罹患者が恋愛感情がないと思われることがあります。
- 性欲が薄れる
- 人と距離を置く
- ネガティブな感情に陥りやすい
性欲が薄れる
うつ病に罹患すると、食欲や睡眠欲などの欲望が薄れるため、何かをしようとしても億劫な気分になります。性欲も例外ではありません。うつ病の影響で性的な興味が薄れるため、性交への意欲が湧かなくなり、パートナーから愛想を尽かされたと勘違いされやすくなります。
人と距離を置く
うつ病罹患者は、他の人よりコミュニケーションに対して疲労が溜まりやすいため、人と距離を置きたくなることが多々あります。感情表現が分かりづらくなるのもコミュニケーションを起因とした疲労の影響です。
また、SNS(Social Networking Service)などのメッセージのやり取りも面倒だと感じてしまうため、親密な関係へと進展しにくくなります。
うつ病罹患者は、コミュニケーションの機会を避けやすい傾向にあるため、恋愛感情がないと思われてしまいます。
ネガティブな感情に陥りやすい
うつ病罹患者は、物事をマイナスな方向に考えやすくなるため、ネガティブな感情に陥りやすい傾向があります。
気になった人にアプローチしようとしても、
「自分のことなんか絶対に好きになってくれない。」
「スキンシップして嫌がられたらどうしよう。」
などと考えてしまうため、消極的になってしまうことも少なくないでしょう。
恋愛感情に対して前向きになれないため、うつ病罹患者は、恋愛感情がないと思われてしまいます。
うつ病でなくなった恋愛感情は元に戻るのか
うつ病によってなくなった恋愛感情は、恋愛を通じて取り戻せます。
うつ病罹患者は、恋愛に対して消極的になることもありますが、恋愛を通じて存在意義を見出したり、ポジティブな感情を抱いたりすることで、徐々に恋愛感情が戻る可能性があります。
なお、うつ病罹患者は、パートナーへの依存度が高くなる傾向があるため、注意が必要です。
以下のコラムでは、恋愛におけるうつ病の人の特徴や注意すべきポイントについて解説しています。併せてご覧ください。
うつ病の治療方法
うつ病を罹患している状態でも恋愛感情が元に戻る可能性もありますが、うつ病を治療するのも恋愛感情を取り戻すのに有効な手段です。
ここからは、代表的なうつ病の治療方法を3つ紹介します。
1.薬物療法
2.精神治療法
3.その他の治療法
薬物療法
薬物療法とは、薬物を利用してうつ病を治す手法です。
即効性がなく、副作用がある可能性も考えられますが、一般的なうつ病の治療方法として広く使用されています。
薬物療法を受ける場合は、薬物の服用頻度などを主治医と相談しつつ、処方箋は継続的に服薬しましょう。
精神治療法
精神治療法とは、主治医と罹患者の会話を通じて治療を進める手法です。
副作用の可能性がある薬物療法とは異なり、身体への負荷が少ない治療方法です。
代表的な精神治療法には、以下のようなものがあります。
- 支持的精神療法
- 対人関係療法
- CBT(認知行動療法:Cognitive Behavior Therapy)
精神治療法は、主治医との相性が重要です。
セカンドオピニオンなどを利用しつつ、罹患者に合った専門機関を利用しましょう。
その他の治療方法
うつ病の治療方法は、薬物療法や精神治療法以外にも以下のような治療方法があります。
- 高照度光療法
- ECT(修正型電気けいれん療法:ElectroConvulsive Therapy)
- TMS(経頭蓋磁気刺激法:Transcranial Magnetic Stimulation)
比較的新しい治療方法は、先進医療や自由診療などに分類される可能性があります。
先進医療や自由診療は、高額療養費制度や一部保険の対象となりません。そのため、高額な費用が発生する可能性があります。
先進医療や自由診療を利用する場合は、事前に主治医や保険会社に相談しましょう。
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今回は、うつ病罹患者の恋愛感情がなくなる原因と恋愛感情を元に戻す方法を紹介しました。
症状の度合いにもよりますが、うつ病は、数カ月、数年というように長期的に継続するケースも多く見られます。
うつ病が長引いたことで、自信が持てなくなってしまった方も少なくないでしょう。
現在は、さまざまな専門機関がうつ病に関する研究を進めています。
うつ病でお悩みの方は、一人で抱え込まず、専門機関を含めた第三者へ相談しましょう。
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