――うつ病の診断を受けて見えてきた、仕事や人間関係での「生きづらさ」
私の障害が分かったのは、社会人になってからのことでした。
居酒屋でのマルチタスクのストレスや、夜勤を含む過酷な労働環境から眠れなくなり、受診した精神科で「うつ病」と診断されました。ただ、自分の中でどこか違和感があり、詳しく検査を受けた結果、ADHD、ASD、そして境界性知能であることが分かりました。
学生時代はそれらの特性を自覚していませんでしたが、今振り返ると、宿題や提出物を期限内に出せなかったり、勉強に集中しづらかったり、遅刻が多かったりと、その傾向は当時からあったのだと思います。
また、対人関係での困りごとは、社会人になってから強く感じるようになりました。もともと私は、信頼関係が浅い相手にはなかなか心を開きづらい性格です。そのため、上司に怒られると過度に萎縮してしまうなど、社会の中で人間関係を築く難しさを痛感していました。
うつ病と診断された後、労働環境を変えて学校関係のお仕事に就き再出発しましたが、大きな行事を前に体が動かなくなってしまい、退職しました。

――自分にも、まだ人を好きになる心が残っていた
もともと私は同性愛者で、以前、同性愛者向けのマッチングアプリを利用していたことがありました。しかし、当時はうつ症状がひどく、良い出会いには繋がりませんでした。その後、体調を崩して休んでいた時期は「もう一生、恋愛はできないかもしれない」と、なかば諦めの気持ちで過ごしていました。
転機が訪れたのは、通院先のデイケアで、久しぶりに「好き」という感情を抱いたときです。その恋自体は実りませんでしたが、自分にもまだ人を好きになる心が残っていたことに希望を感じました。「今の自分に合う場所なら、素敵な出会いがあるかもしれない」と考え、インターネットで検索して辿り着いたのが、イロドリでした。

――「安心感」を軸に、性別にとらわれない出会いを探していました
イロドリを使い始めてからは、性別に関わらず広く出会いを探していました。
女性同士のマッチングデーも活用していて、実際は男性より女性に対しての方が「いいね」を多く送っていたと思います。女性同士の方が心理的な安心感があり、実際に何人かの女性ともメッセージのやり取りをしていました。
私には、小学生の頃に受けた性被害のトラウマがあり、長年「男性」という存在に対して強い恐怖心や嫌悪感を抱いていました。男性の視線を避けたり、好意を向けられると拒絶反応が出たりすることもありました。
しかし、トラウマの治療を継続する中で、少しずつ「怖いのは加害者であり、男性すべてではない」という認識が整ってきていました。そんな時に出会ったのが、今の彼でした。
――過去のトラウマの先に直感で選んだ「安心できる人」
彼に惹かれたのは、同じ居住地で検索したのがきっかけです。
好みのプロフィール写真、美味しそうな料理の写真、動物が好きという共通点に加え、自己紹介文がとても誠実だったことが印象に残っています。第一印象で直感的に彼に惹かれ、自分から「いいね」を送りました。
彼は、スキンケアや匂いなど、身だしなみにとても気を遣う方でした。トラウマを抱える私にとって、彼の持つ「清潔感」と「誠実さ」は、一歩踏み出すための大きな安心材料になりました。

――異性不信やうつなど共通の悩みにより、不安が大きな信頼に変わりました
最初に食事のお誘いをいただいたとき、私は趣味のバレーボールの大会を控えていて、会えるのは1ヶ月先という状況でした。しかし、その会えない期間に何度も電話を重ねたことが、結果として二人の距離を縮めてくれました。
早い段階でお互いの障がいについても率直に話し合いました。
彼は10年以上うつ病と向き合ってきた経験があり、対処法などの知識も豊富でした。会う前から私の特性に対して理解と配慮を示してくれたこと、そしてお互いに「異性に対する不信感」という共通の悩みを持っていたことが、深い信頼に繋がりました。
初デートの翌日、クリスマスに彼から告白されました。
私は過去の失恋経験から、急いで関係を深めることに不安があり、「1年待ってほしい」と彼に伝えました。しかし、その後も変わらず誠実に向き合ってくれる彼の姿に心が動き、数日後にはお付き合いを決めました。
私は、会えない時間が長引いたり連絡が途絶えたりすると辛くなってしまうのですが、考え方が大人な彼は、そんな私の不安にも優しく寄り添ってくれています。
――日々のすれ違いも「二人なりのルール」で解決していく
交際後、もちろん意見がぶつかることもあります。
例えば、“甘えたい私”と“ゆっくり休みたい彼”のように、二人の気分がズレたときはその都度話し合い、「お互いの気分を尊重する」「疲れているときは無理に電話をしない」という共通のルールを作りました。
また、仲直りの方法として、二人でテニスやバドミントンなどのスポーツを楽しむようにしています。言葉だけで解決しようとせず、一緒に体を動かしてリフレッシュすることで、自然と気持ちを切り替えられるからです。年を重ねても、こうしてお互いを思い合える関係でいたいと思っています。

――ふたりの将来に向けて
私には、「結婚して、子供を産みたい」という気持ちがあるので、まずはお互いに仕事を安定させ、生活の基盤を整えたいです。
今はまだ近場で会うことが多く、私自身も「2駅先に出かけるのがやっと」という状況ですが、少しずつ行動範囲を広げて、いつか二人で旅行にも行きたいです。
二人のペースで、これからも関係を大切に育てていきます。
――自分を守りながら、心地よい出会いを見つけるために
これからイロドリを利用される方に一番伝えたいのは、「会う前にしっかり対話を重ね、相手の人間性に向き合ってほしい」ということです。
実は私も、かつてお会いする約束をしていた方から、直前で一方的にキャンセルをされてしまった経験があります。自分なりに準備を整えていた分、そのショックは大きく、しばらく何も手につかなくなってしまいました。
そんな経験をしたからこそ、皆さんには、自分を傷つけないための自衛も大切にしてほしいと思っています。 いきなり会うのではなく、まずはメッセージや電話でのやり取りを丁寧に行ってみてください。お酒にだらしなかったり、嘘をついたり、あるいは言葉だけは綺麗でも中身が伴っていなかったり……。少しでも違和感を抱いたときは、慎重になる勇気も必要です。
もちろん、清潔感のあるプロフィール写真を用意することも大切です。でもそれ以上に、お互いの存在を尊重し合える「誠実な相手」かどうかを、じっくり確かめてから進んでほしいと思います。





