コラム

解離性同一性障害とは?特徴や症状、原因を解説

2024/11/04/

解離性同一性障害(DID:Dissociative Identity Disorder)は、個人が複数の異なる人格を持つ精神的障がいです。

記憶や行動に混乱が生じ、ストレスやトラウマから解離することが主な原因とされています。

症状の度合いによっては、仕事や私生活に影響をきたすこともあります。

しかし、解離性同一性障害についてよく知らないという方も少なくないでしょう。

そこで、本記事では解離性同一性障害の特徴や症状、原因などを解説します。

解離性同一性障害とは

解離性同一性障害(DID:Dissociative Identity Disorder)は、かつて多重人格障がいと呼ばれた精神障がいです。

ひとりの人間の中に複数の独立した人格が存在し、各人格が異なる記憶や行動パターンを持つようになります。

解離性同一性障害では、トラウマから自己を守るために無意識に意識や記憶を解離させることで、異なる人格が交代で現れ、他者からは一貫性のない行動として映ります。

イマジナリーフレンドとの違い

イマジナリーフレンドとは、主に子供が空想の中で作り出す友達のことです。

現実には存在せず、想像の友達と会話したり遊ぶことで、感情や想像力を発達させます。

解離性同一性障害とイマジナリーフレンドは、異なる現象です。

解離性同一性障害は、複数の人格が実際に交代で意識を支配し、それぞれが独立した記憶や行動が見られます。

一方、イマジナリーフレンドは主に子供が想像で作り出す友達であり、現実とは明確に区別されていて、自己と他者の境界は保たれています。

解離性同一性障害では、人格の交代が日常生活に影響を与えるのに対し、イマジナリーフレンドは通常、生活に支障をきたしません。

解離性同一性障害の症状

ここからは、解離性同一障がいの主な症状を5つ紹介します。

  1. 複数の人格が存在する
  2. 解離性健忘
  3. 自傷行為
  4. パニック発作
  5. トラウマがフラッシュバックする

複数の人格が存在する

虐待や深刻な心的外傷を経験した際、本人の心がその苦痛から逃れるために、意識を解離させることで、異なる人格が形成されます。

これにより、異なる人格がそれぞれ特定の感情や記憶を保持し、本人を守ろうとします。

解離性健忘

解離性健忘は、特定の記憶や出来事を無意識に忘れてしまう現象です。

とくに、強いストレスやトラウマに関連した記憶が欠落することが多く、本人がその出来事や経験を思い出せない状態になります。

解離性健忘は、防衛的なメカニズムとして働き、精神的な苦痛から自身を守るために、意識的な記憶からその出来事を切り離すと考えられます。

この結果、他の人格がその記憶を保持している場合も少なくありません。

また、人格交代が記憶の断絶を補完することがあります。

自傷行為

解離性同一性障害では、異なる人格がそれぞれの感情や記憶を持つため、自己否定や無力感、罪悪感に苛まれることが少なくありません。

その結果、自傷行為が感情を和らげたり、自分の存在を感じる手段となる場合があります。

また、解離によって感覚や現実感が希薄になることで、身体的な痛みを感じにくくなり、痛みによって自分の感覚を取り戻そうとすることもあります。

パニック発作

パニック発作は、突然の強い不安や恐怖感が押し寄せ、心拍数の増加、呼吸困難、めまいなどの身体症状を伴う一過性の発作です。

解離性同一性障害は、過去のトラウマや感情的ストレスが引き金となります。

トラウマ体験の記憶や感情が特定の状況や出来事によって無意識に呼び起こされると、異なる人格が表面に現れます。

人格の変化がパニック発作につながる原因のひとつです。

また、解離により現実感が薄れ、自己のコントロールを失った感覚に襲われることで、恐怖や息苦しさが増し、パニック発作が起こることがあります。

パニック発作が頻繁に繰り返されるパニック障がいについて詳しく知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。

トラウマがフラッシュバックする

通常、解離はストレスやトラウマからの防衛反応として機能します。

しかし、特定の状況や刺激が当時のトラウマ体験を無意識に思い起こさせると、その記憶が急に意識に戻ってきます。

結果として、フラッシュバックが起こり、トラウマの感覚や感情が生々しく再体験されるのです。

恋愛における解離性同一性障害の特徴

解離性同一障がいは、年齢や性別にかかわらず発症するリスクのある精神障がいです。

そのため、パートナーが突然解離性同一障がいになる可能性もあります。

ここからは、恋愛における解離性同一障がいの特徴を5つ紹介します。

  1. パートナーに対する態度や感情が急激に変化する
  2. パートナーとのやり取りに矛盾が生じる
  3. パートナーとの性的関係が不安定になる
  4. パートナーとの心理的距離感が不安定になる
  5. 自己表現が難しくなる

精神障がい全般の恋活・婚活事情について知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。

パートナーに対する態度や感情が急激に変化する

解離性同一性障害を持つ人は、それぞれの人格が異なる記憶、感情、行動パターンを持つため、人格の切り替えによって、同じパートナーに対して異なる反応を示すことがあります。

ある人格は愛情深く、別の人格は不安や警戒心を抱くこともあり、こうした急激な変化が恋愛関係に影響を与えます。

パートナーとのやり取りに矛盾が生じる

解離性同一性障害を持つ人は、ある人格が持っている記憶や感情を、別の人格が共有していないことが多く、ある時点での約束や感情が、次に現れた人格には思い出せなかったり、全く異なる感情を持っていたりします。

このため、パートナーとの間で言動が一致せず、矛盾が生じます。

パートナーとの性的関係が不安定になる

解離性同一性障害を持つ人は、ある人格が性的な関係に対して好意的であっても、別の人格はそれを不快または恐怖と感じることがあります。

とくに、トラウマが原因で形成された人格は、性的な接触に対して強い拒絶反応を示します。

そのため、性的関係が不安定になりやすいでしょう。

パートナーとの心理的距離感が不安定になる

解離性同一性障害を持つ人は、異なる人格がそれぞれ異なる感情や対人関係のパターンを持っています。

そのため、恋愛においてパートナーとの心理的距離感が不安定になることが少なくありません。

ある人格は親密さを求め、パートナーに対して非常に近い関係を望む一方、別の人格は逆に距離を置きたがる、または恐怖や不安を感じることがあります。

このように、各人格が異なるニーズや境界感覚を持つため、恋愛関係における心理的距離感が一定せず、急激に変動します。

自己表現が難しくなる

解離性同一性障害を持つ人は、異なる人格が恋愛に対して異なる反応を示すことがあり、自分の感情や考えを一貫して伝えることが難しくなります。

また、特定の人格が恋愛に関連する感情や体験を共有していない場合もあり、そのためパートナーに対して適切に自分を表現できなくなることがあります。

このような複雑さが、自己表現を困難にする要因のひとつです。

解離性同一性障害の原因

解離性同一性障害の主な原因は、幼少期の深刻なトラウマやストレスです。

虐待やネグレクトなどの経験が心に大きな影響を与え、感情的な痛みを回避するために解離が起こります。

解離は、自己のアイデンティティを分裂させ、異なる人格が形成されることによって、過去のトラウマから自分を守るメカニズムとなります。

また、環境要因や遺伝的素因も解離性同一障がいを引き起こす原因です。

解離性同一性障害の治療法

医療技術の進歩により、解離性同一障がいの治療法が確立されています。

ここからは、代表的な治療法を5つ紹介します。

  1. 認知行動療法
  2. 内観療法
  3. 精神分析療法
  4. 薬物療法
  5. 芸術療法

認知行動療法

認知行動療法(CBT)は、患者の否定的な思考パターンや行動を認識し、それを修正することを目指す治療法です。

トラウマ体験に関連する認知の歪みを修正し、解離を引き起こす状況や感情への対処法を学びます。

これにより、自己認識や情緒の安定を図り、異なる人格間での統合を進めます。

認知行動療法は、患者が現実的な思考を習得し、日常生活での問題解決力を高めるでしょう。

内観療法

内観療法は、自己内省を通じて自己理解を深める治療法です。

特定の期間や出来事について、他者から「してもらったこと」、「して返したこと」、「迷惑をかけたこと」の三つの視点で内観し、過去の出来事や自分の行動を再評価します。

この過程で、解離の原因となったトラウマや感情を探り、自己や他者との関係性の理解を深められます。

精神分析療法

精神分析療法は、無意識に抑圧されたトラウマや葛藤を探り、患者の自我を統合していくことを目指す治療法です。

治療者との自由連想や夢分析、転移と逆転移などの手法を通じて、患者の無意識に潜む心的外傷や過去の体験にアプローチします。

解離によって形成された別人格の背後にある深層心理を理解し、分裂した人格や感情を統合していくことで、全体的な心理的安定を促せるでしょう。

薬物療法

薬物を用いて治療する薬物療法は、症状そのものを治すことが目的ではありません。

併発する不安、うつ、過剰なストレス反応などの症状を緩和するために用いられます。

具体的には、抗うつ薬や抗不安薬、場合によっては抗精神病薬が処方されます。

これにより、患者が感情を安定させ、他の治療法に集中しやすくなるでしょう。

薬物療法は、あくまで補助的な役割であると覚えておいてください。

芸術療法

芸術療法は、絵画や音楽、舞踏、書道などの芸術的表現を通じて、言葉では表現しづらい感情や内面の葛藤を表現し、自己理解や統合を促進する療法です。

心理療法の一環として、他の治療法と併用されます。

芸術的な創作活動を通じて、分裂した人格やトラウマ体験を無理なく外に出し、内的な混乱や苦痛を視覚化・具現化することで、感情の処理や自己受容を進めます。

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今回は、解離性同一性障害の特徴や症状、原因などを解説しました。

解離性同一性障害への理解を深めることは、偏見を減らし、適切な支援や治療を提供することにつながります。

また、本人の苦しみやニーズを尊重し、社会的なサポートが得やすくなるでしょう。

解離性同一性障害で悩んでいる方は、勇気を出して専門家や信頼できる第三者を頼ってみてください。

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