強迫性障害(Obsessive-Compulsive Disorder:OCD)は、不安からくるこだわりや確認などの強迫行動が繰り返される精神障害です。
恋愛において、強迫性障害があると、恋人からの返信が遅いだけで不安になったり、些細な言動で浮気を疑ったりします。
そのため、恋愛に対して苦手意識を持つ方も少なくありません。
そこで、本コラムでは強迫性障害の人が恋愛を楽しむ方法を解説します!
Contents
強迫性障害とは?
強迫性障害(Obsessive-Compulsive Disorder:OCD)は、不合理とわかっていても繰り返し浮かぶ不安な考え(強迫観念)と、それを打ち消すための行動(強迫行為)が見られる精神障害です。
強迫性障害の診断には、DSM-5などの基準が用いられており、以下のような特徴があります。
強迫性障害の主な診断基準
- 強迫観念、強迫行為、またはその両方が存在する
- 強迫観念や行為に多くの時間を費やす(通常1日1時間以上)
- 症状は、薬物や他の身体的疾患の影響ではない
NCS-R(National Comorbidity Survey Replication)によると、米国に在住している成人の強迫性障害生涯有病率は、2.3%でした。
強迫性障害と類似する精神障害
類似した精神障害とは、以下のように異なります。
強迫性障害(OCD)
主な症状: 強迫観念(繰り返し浮かぶ思考)と強迫行為(確認・洗浄などの儀式行動)
不安の内容: 「汚染しているのでは」「加害してしまったのでは」など具体的な不安
症状の自覚: 自分でも「ばかばかしい」と思いながらやめられない
症状の始まりやすさ: 思春期〜20代に多い
全般性不安障害(GAD)
主な症状: 慢性的な過剰な心配や不安が続く
不安の内容: さまざまなことに対する漠然とした心配
症状の自覚: 自分の心配が過剰だとある程度理解している
症状の始まりやすさ: 思春期〜成人期
うつ病
主な症状: 気分の落ち込み、興味の喪失、倦怠感、集中力の低下
不安の内容: 不安よりも自己否定的な気分が中心
症状の自覚: 自覚あり(ただし重症化すると鈍くなる)
症状の始まりやすさ: 思春期〜中年に多い
統合失調症
主な症状: 幻覚(主に幻聴)、妄想、思考障害
不安の内容: 病識が乏しく、不安よりも現実感のゆがみが中心
症状の自覚: 病識がないことが多い
症状の始まりやすさ: 10代後半〜20代前半に多い
自閉スペクトラム症(ASD)
主な症状: 対人関係の困難、こだわりの強さ、感覚過敏など
不安の内容: 不安は二次的で、主に予測できない変化や刺激に対して生じる
症状の自覚: 自覚は乏しいことが多い
症状の始まりやすさ: 幼少期から明らかになる
強迫性障害が恋愛に及ぼす影響
強迫性障害は、仕事や私生活だけでなく、恋愛にも影響します。
ここからは、強迫性障害が恋愛に及ぼす影響を4つ紹介します。
- 恋人の愛情に不安を感じる
- 依存性が高くなる
- 過度に罪悪感を抱く
- 恋人と距離を置こうとする
恋人の愛情に不安を感じる
強迫性障害があると、恋人の愛情に対して強い不安を感じやすくなります。
一例として、恋人が忙しくて返信が遅れただけで「嫌われたのでは」と感じ、不安が大きくなります。
このような恋人への不安は、繰り返し浮かぶ強迫観念によって感情が過剰に揺さぶられることが主な原因です。
また、自分の不安を抑えようとして、恋人へ何度も確認したくなる行動が、かえって信頼を築く妨げになります。
その結果、恋愛関係にストレスが生じやすく、安心して愛情を受け取ることが難しくなります。
依存性が高くなる
強迫性障害があると、恋人に対する依存性が高くなります。
一例として、恋人の気持ちを何度も確認しないと安心できず、「本当に私を好き?」と何度も尋ねてしまいます。
このような依存性の高さは、強迫観念による不安を和らげようとする心理が主な原因です。
恋人へ過度に依存すると、適切な距離感を保てなくなり、健全な恋愛関係を築けなくなるでしょう。
過度に罪悪感を抱く
強迫性障害があると、恋人に対して過度な罪悪感を抱きやすくなります。
一例として、ささいな言い争いで自分が悪いと強く感じてしまい、何度も謝り続けます。
このような過度な罪悪感は、完璧を求める強迫的な思考が自己批判を強めることが主な原因です。
過度に罪悪感を抱くことにより、自分の存在が恋人に負担になっているのではないかと不安が増してしまいます。
恋人と距離を置こうとする
強迫性障害があると、恋人と距離を置こうとします。
一例として、返信を控えたり、デートの約束をキャンセルしたりします。
恋人と距離を置こうとする言動は、自分の不安や自己否定感から、恋人を遠ざけてしまう心理が働くことが主な原因です。
親密さに対する恐れや負担感が強くなると、関係を続けることに対して躊躇が生まれます。
強迫性障害の人が恋愛を楽しむためのポイント
強迫性障害があるからといって、恋愛できないというわけではありません。
ここからは、強迫性障害の人が恋愛を楽しむためのポイントを4つ紹介します。
- 障害のことを素直に受け入れる
- 恋人へ障害のことを話す
- 恋人以外にも信頼できる人を探す
- 熱中できる趣味を探す
強迫性障害以外の精神障害にも共通する恋人と良好な関係を長続きさせるポイントについて知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。
障害のことを素直に受け入れる
強迫性障害の人が恋愛を楽しむためには、まず自分の障害を素直に受け入れましょう。
無理に隠そうとするとストレスが増し、恋愛関係がギクシャクする原因になりかねません。
自分の特性を認めることで、不安や強迫的な思考に対して過剰に責める気持ちを和らげられます。
また、障害を理解することで恋人にも正直に伝えやすくなり、健全な関係を築けます。
恋人へ障害のことを話す
強迫性障害の人が恋愛を楽しむためには、恋人に自分の障害について話しましょう。
隠してしまうと誤解やすれ違いが生じやすく、関係が悪化しかねません。
障害のことを恋人へ伝えることで、恋人が理解を深め、不安や強迫的な行動に対して共感やサポートを得やすくなります。
また、オープンなコミュニケーションを心掛けることで、双方がストレスを軽減し、健全な恋愛関係を育めるようになるでしょう。
恋人以外にも信頼できる人を探す
強迫性障害の人が恋愛を楽しむためには、恋人以外にも信頼できる人を見つけることが大切でしょう。
誰か1人に依存すると、その負担が大きくなります。
相談できる人が複数いることで、気持ちを整理しやすくなり、不安を分散させられます。
また、専門家や友人の支えを受けることで、自分自身の心のバランスを保ちやすくなるでしょう。
信頼できる人が身の回りにいないという方は、こちらのコラムをご覧ください。
熱中できる趣味を探す
強迫性障害の人が恋愛を楽しむためには、熱中できる趣味を見つけましょう。
趣味に没頭することで、強迫的な不安や考えから一時的に離れ、心の安定を保ちやすくなります。
さらに、趣味を通じて自己肯定感が高まると、恋人との親密度も高まるでしょう。
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今回は、強迫性障害の人が恋愛を楽しむ方法を解説しました。
過去の経験により、人間関係へ苦手意識を持ったり、恋愛に対して前向きになれない方も少なくありません。
その一方で、信頼できる恋人の存在は心の支えになり、日常に楽しみや前向きな感情が増えるなど、強迫性障害の人が恋愛するメリットもいくつかあります。
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