ASD(自閉スペクトラム症:Autism Spectrum Disorder)は、対人関係やコミュニケーション、こだわりなどに影響を及ぼす発達障がいです。
恋愛において、ASDがあると、恋愛感情がどのような感情なのかわからなくなることがあります。
本コラムでは、ASDの人が感じる『恋愛感情がわからない』という悩みと向き合う方法について解説します。
Contents
ASDとは
ASD(自閉スペクトラム症:Autism Spectrum Disorder)は、対人関係やコミュニケーション、行動面に特徴が現れる発達障がいです。
相手の気持ちを読み取ることが苦手になったり、会話のやりとりが一方的になったりすることがあります。
また、強いこだわりや感覚の過敏・鈍麻といった特徴が見られることもあります。
さらに、興味の対象が極端に限定され、柔軟な対応が苦手になることも少なくありません。
しかし、その一方で、特定の分野に高い集中力や記憶力を発揮する人もいます。
ASDは知的能力にかかわらず現れるため、見た目だけでは気づかれにくいことがあります。
ASDと他の発達障がいとの違いは、以下のとおりです。
ASD(自閉スペクトラム症)
- 対人関係:他の人の気持ちを理解することが難しい傾向があります
- コミュニケーション:会話の流れや表情・身振りなどの言葉以外の表現を読み取ることが苦手なことが多いです
- 集中力:興味のあることには非常に集中できますが、そうでないことは続けるのが難しいことがあります
- 感覚:音や光、触られることなどに敏感だったり、逆に鈍感だったりすることがよくあります
- 学習への影響:興味関心や環境によって学習の成果が大きく変わることがあります
- 周囲からの見え方:「空気を読まない人」「マイペースな人」という印象を持たれやすいことがあります
ASDについて詳しく知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。
ADHD(注意欠如・多動症)
- 対人関係:主に衝動的な行動や注意の向け方のずれから対人関係で困ることがあります
- コミュニケーション:相手の話を最後まで聞かずに話し始めてしまうことがあります
- 集中力:気が散りやすく、一つのことに長く集中し続けることが難しいことがあります
- 感覚:人によっては感覚の過敏さや鈍さが見られることもあります
- 学習への影響:作業の手順を飛ばしたり、集中を持続できないことで学習の効率が下がりがちです
- 周囲からの見え方:「落ち着きがない」「忘れっぽい」といった誤解を受けやすいことがあります
LD(学習障がい)
- 対人関係:通常は特に問題なく人間関係を築くことができます
- コミュニケーション:日常会話では大きな困難はあまり見られません
- 集中力:特定の学習分野によって理解しやすさや集中のしやすさに差があることがあります
- 感覚:感覚の過敏さや鈍さはあまり見られないことが多いです
- 学習への影響:読むこと、書くこと、計算することなど特定の分野で学習に困難が生じることが特徴です
- 周囲からの見え方:実際には能力の問題があるのに「頑張りが足りない」「怠けている」と誤解されやすいことがあります
ASDの人が恋愛感情がわからなくなる理由
ASDがあると、恋愛感情がわからなくなることがあります。
ここからは、ASDの人が恋愛感情がわからなくなる理由を4つ紹介します。
- 恋愛への関心が薄い
- アレキシサイミア傾向がある
- パートナーの気持ちを理解するのが苦手
- スキンシップへ花瓶んだったり無反応だったりする
恋愛への関心が薄い
ASDの人は、恋愛への関心がもともと薄いため、恋愛感情がわからなくなることがあります。
一例として、他人と深く関わるよりも、自分の興味や安心できる環境を優先する傾向があります。
そのため、周囲が言う「恋愛のときめき」や「好きという感情」がピンとこないことも少なくありません。
また、恋愛に対する欲求自体が弱く、自分に何か欠けていると感じてしまうこともあります。
アレキシサイミア傾向がある
アレキシサイミアとは、自分の感情を認識したり、言語化したりすることが困難になるASDの特性です。
「ドキドキする」や「一緒にいたい」などの感覚を言葉にできず、混乱を招くこともあります。
その結果、恋愛感情が芽生えていても、それに気づかないことも少なくありません。
また、自分の内面と向き合う時間を持っても、感情の動きを捉えるのに時間がかかることもあります。
パートナーの気持ちを理解するのが苦手
ASDの人は、パートナーの気持ちを理解するのが苦手なため、恋愛感情がわからなくなることがあります。
一例として、パートナーの表情や言葉の裏にある感情を読み取れず、意図を誤解してしまうことがあります。
その結果、相手からの好意や愛情に気づけず、自分の気持ちにも自信が持てなくなることも少なくありません。
また、恋愛に欠かせない感情のキャッチボールができず、混乱することもあります。
スキンシップへ過敏だったり無反応だったりする
ASDの人は、スキンシップに対して過敏だったり、無反応だったりするため、恋愛感情がわからなくなることがあります。
一例として、触れられることに強い不快感を覚える人もいれば、逆に身体的な接触を特別な意味と感じにくい人もいます。
そのため、パートナーとの距離感をどう取るべきか迷い、戸惑いや不安を感じてしまうでしょう。
また、多くの人が恋愛と結びつけるスキンシップの感覚が自分に合わず、違和感を覚えることもあります。
ASDの人が感じる『恋愛感情がわからない』という悩みと向き合う方法
ASDの人も行動や考え方を少し変えるだけで恋愛感情を理解しやすくなります。
ここからは、ASDの人が『恋愛感情がわからない』という悩みと向き合う方法を4つ紹介します。
- 恋愛感情がわからないことを否定的にとらえない
- 恋愛感情の定義を言語化する
- 恋愛しなければならないという思い込みをなくす
- パートナー以外の人間関係も大切にする
恋愛感情がわからないことを否定的にとらえない
ASDの人が恋愛感情と向き合うためには、恋愛感情がわからないことを否定的にとらえないようにしましょう。
「恋愛がわからない=おかしい」と考えると、自分を責めてしまい、自己否定につながります。
恋愛の感じ方には多様性があり、「わからない」という感覚も自然なひとつの在り方です。
無理に周囲に合わせる必要はなく、自分のペースで関係性を築きましょう。
「わからない」から始まる自己理解も、豊かな人間関係への第一歩となります。
自己肯定を高める方法を知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。
恋愛感情の定義を言語化する
ASDの人が恋愛感情と向き合うためには、恋愛感情の定義を言語化しましょう。
曖昧なままにしておくと、他者との違いに戸惑う原因になりかねません。
恋愛に対する曖昧なイメージを言葉にすることで、自分にとっての「好き」の感覚を整理しやすくなります。
また、過去の経験や心が動いた瞬間を振り返ることで、感情の輪郭が少しずつ把握できるようになるでしょう。
恋愛感情に正解はないからこそ、自分なりの表現を持つことを意識しましょう。
恋愛しなければならないという思い込みをなくす
ASDの人が恋愛感情と向き合うためには、恋愛しなければならないという思い込みをなくしましょう。
「恋愛して当然」という社会の風潮に縛られると、自分の感じ方を否定することになります。
恋愛しない人生も、充実した人間関係や自己実現があれば十分に幸せなものです。
自分にとって心地よい関係性を探すことで、心に余裕が生まれるでしょう。
パートナー以外の人間関係も大切にする
ASDの人が恋愛感情と向き合うためには、パートナー以外の人間関係も大切にしましょう。
恋愛だけに重きを置いてしまうと、感情がわからないことへの不安や焦りが強まることがあります。
さまざまなつながりを持つことで、自分にとって心地よい関係を把握できるようになります。
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今回は、ASDの人が感じる『恋愛感情がわからない』という悩みと向き合う方法について解説しました。
恋愛感情の有無により、その人の人間的な価値や魅力が決まるわけではありません。
恋愛しない人や恋愛感情を持たない人も、十分に豊かで意味ある人生を送れます。
他人と比較せず、自分らしさを発揮しながらこれからの人生を楽しみましょう。
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