恋愛は、人間関係の中でも特に感情の揺れが大きく、自己理解やパートナーへの理解が深く問われます。
誰にとっても難しさがある一方で、ADHD(Attention Deficit Hyperactivity Disorder:注意欠如・多動症)の特性を持つ人にとっては、恋愛における「気持ちの浮き沈み」や「続かない感覚」がより強く現れることも少なくありません。
そこで、このコラムではADHDの人が恋愛において「気持ちが続かない」と感じる背景をもとに、ADHDの人が恋愛を成功させるポイントなどを解説します。
Contents
ADHDとは?
ADHD(Attention Deficit Hyperactivity Disorder:注意欠如・多動症)は、生まれつきの脳や心の働き方の違いによって現れる「発達障がい」のひとつです。
NCNP(National Center of Neurology and Psychiatry:国立精神神経医療研究センター)によると、学童期(6歳から12歳まで)の子供の3~7%がADHDと診断されており、成人も2.5%が診断されています。
ADHDがあると、以下のような傾向が見られます。
- 注意の持続が難しい
- 衝動性が強い
- 感情のコントロールが苦手
- 刺激への敏感さや飽きやすさ
こうした特性は、仕事や学業だけでなく、恋愛関係にも直接影響します。
また、ADHDがあると、うつ病や双極性障がいなどを誘発することがあります。
ADHDについて詳しく知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。
ADHDの人が恋愛で『気持ちが続かない』と感じる理由
ADHDがあると、恋愛において『気持ちが続かない』と感じることがあります。
ここからは、ADHDの人が恋愛で『気持ちが続かない』と感じる理由を4つ紹介します。
- 新しい刺激が欲しいという欲求が強い
- パートナーへの関心が薄れやすい
- 感情の波が激しい
- 罪悪感を感じやすい
新しい刺激が欲しいという欲求が強い
ドーパミンとは、脳内で働く神経伝達物質のひとつで、快感や意欲、学習、運動などに深く関わる物質です。
ADHDの人は、脳内でドーパミンが不足しやすいとされています。
そのため、新しい刺激を求める傾向が強く、恋愛初期のドキドキや高揚感に強い快感を抱きます。
一方で、関係が安定してくると、物足りなさを感じることも少なくありません。
この「新しい刺激が欲しい」という欲求が、パートナーへの気持ちが冷めたと誤解されやすい要因になります。
パートナーへの関心が薄れやすい
恋愛には、パートナーの気持ちに配慮したり、関係を長期的に見守ったりする持続的な注意力が求められます。
しかし、ADHDの人は集中力が長続きしにくいため、日常の中でパートナーへの関心が薄れてしまう瞬間が訪れやすい傾向があります。
その結果、「今この瞬間に興味を持てない=もう好きではない」と感じてしまうケースも少なくありません。
感情の波が激しい
ADHDの人は、いい意味でも悪い意味でも感情の揺れ幅が大きい傾向があります。
気持ちが盛り上がると、一気にパートナーに夢中になりますが、落ち込むと「もうダメかもしれない」と自己肯定感が極端に下がります。
このような感情の波が、パートナーとの関係が長続きしない要因のひとつです。
罪悪感を感じやすい
ADHDの人が「気持ちが続かない」と感じたとき、自分のせいでパートナーを傷つけてしまうのではないかというような強い罪悪感を抱くことがあります。
本当はパートナーのことを嫌いになったわけではなくても、感情の波や興味の移り変わりによって一時的に関心が薄れてしまうと、自分は恋愛に向いていないのではないかと思い込んでしまいます。
その結果、距離を取ったり、突然関係を終わらせてしまったりすることも少なくありません。
「気持ちが続かない」を乗り越えるためのポイント
どうすれば恋愛関係を長く大切に育めるのでしょうか。
ここからは、「気持ちが続かない」を乗り越えるためのポイントを5つ紹介します。
- パートナーに特性を理解してもらう
- 「冷めた」と「慣れた」を区別する
- 定期的に新しい刺激を取り入れる
- 感情の波を「見える化」する
- 小さな習慣でつながりを維持する
パートナーに特性を理解してもらう
ADHDを受け入れるためには、パートナーにも自身の特性を理解してもらいましょう。
自分だけで解決しようとすると、精神・身体ともに苦しくなります。
そのため、信頼できるパートナーには、自分の特性や気持ちが続きにくいことを正直に伝えておきましょう。
自身の言動を見たとしても、パートナーが「嫌いになったわけではない」と理解していると、関係は安定しやすくなります。
ADHDなどの障害を打ち明けるタイミングと伝え方について詳しく知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。
「冷めた」と「慣れた」を区別する
恋愛初期の高揚感が落ち着いてきたとき、それを「冷めた」と解釈してしまうのは多くの場合、正しくはありません。
恋愛は、時間とともに安心感へと変化していくものです。
「刺激が減った=嫌いになった」ではなく、「慣れて安心できる関係に変わった」と考える視点を持ちましょう。
定期的に新しい刺激を取り入れる
関係が安定してきた時期にマンネリを防ぐためには、定期的に新しい刺激を二人で共有しましょう。
ADHDの人は、新鮮な刺激が少なくなると気持ちが冷めたと感じやすくなります。
旅行や趣味、習い事など、新鮮さを感じられる体験を一緒に積み重ねることで、自然に気持ちが持続しやすくなります。
感情の波を「見える化」する
感情の変化を日記やアプリで記録することは、パートナーとの関係を長続きさせるのに効果的です。
ADHDの人は、その時々の気持ちに流されやすい傾向があります。
「昨日は楽しいと感じていたのに、今日は不安」といった揺れを客観的に把握することで、極端な判断を避けられます。
小さな習慣でつながりを維持する
「気持ちが続かない」を乗り越えるためには、小さな習慣をつくりましょう。
「毎朝おはようのLINEを送る」や「一週間に一度は感謝を伝える」など、シンプルな習慣を決めておくと、関係を続けやすくなります。
また、気持ちが揺らいだとしても、習慣が関係を支えてくれるでしょう。
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今回は、ADHDの人が恋愛で『気持ちが続かない』と感じる理由と対策について解説しました。
ADHDの人にとって「気持ちが続かない」と感じることは珍しくありません。
しかし、それは「恋愛に向いていない」ということでは決してありません。
恋愛は気持ちを「続ける」だけでなく、二人で「育てていく」ものです。
刺激が落ち着いた先にある安定や信頼こそが、長く続く関係の土台になります。
「気持ちが続かない」と悩むのではなく、「どうすれば安心と信頼を積み重ねられるか」という視点に切り替えてみることが、恋愛を豊かにする第一歩になるでしょう。
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