コラム

双極性障害の人が恋愛で『相手を振り回してしまう』悩みへの対処法

2025/09/05/

恋愛は、誰にとっても喜びと悩みの両方をもたらすものです。

パートナーを大切に思うからこそ、不安や葛藤が生まれるのは自然なことです。

しかし、双極性障害を抱えている人にとっては、その特性ゆえに「気分の波」によってパートナーを振り回してしまったり、関係が不安定になったりすることがあります。

それにより、「本当は愛しているのに、パートナーを傷つけてしまった」や「自分の気分に振り回されて恋人を疲れさせてしまうのではないか」と悩む方も多いのではないでしょうか。

本コラムでは、双極性障害の特性と恋愛の関係を整理しながら、「パートナーを振り回してしまう」という悩みにどう向き合えばよいのかについて解説していきます。

双極性障害の人が恋愛で『相手を振り回してしまう』原因

双極性障害とは、気分が高揚する「躁状態」と気分が落ち込む「うつ状態」を繰り返す精神障害です。

双極性障害の主な症状は、以下のとおりです。

躁状態の主な症状

  • 気分が異常に高揚してハイテンションになる
  • 根拠のない自信にあふれる、誇大的な考えを持つ
  • 話が止まらず、早口になったり、次々に話題が変わる
  • 睡眠時間が極端に少なくても平気に感じる
  • 衝動的な行動(買い物、ギャンブル、浪費など)に走る
  • 性的に奔放になる、軽率な関係を持ってしまう
  • 他人の話を聞かず攻撃的・怒りっぽくなる

躁状態の主な症状

  • 強い気分の落ち込み、悲しさや虚しさが続く
  • 何をしても楽しめない、興味・喜びが感じられない
  • 疲れやすく、体が重く感じる
  • 自分を責める気持ちが強くなる、自己否定感が高まる
  • 集中力や判断力が低下する
  • 社会的な引きこもり、家族や友人との関係を避ける

双極性障害は、気分の波が激しい「双極I型障害」と症状が軽度な「双極II型障害」に分類されています。

NCNP(National Center of Neurology and Psychiatry:国立精神神経医療研究センター)によると、双極性障害の有病率は、重症・軽症合わせて0.4〜0.7%といわれています。

双極性障害の人は、恋愛において以下のような要因によりパートナーを振り回してしまいます。

  • 気分の波により行動が大きく変わる
  • 衝動的な言動を繰り返す
  • 感情のコントロールが難しい
  • 頻繁にパートナーとの距離を置いてしまう
  • 誤解や偏見が生じる

双極性障害についてさらに詳しく知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。

恋愛を長続きさせるために意識すべきこと

双極性障害の人が恋愛でパートナーを振り回してしまう悩みは、意識的に改善できます。

ここからは、お互いを支え合える関係を築くためにやるべきことを6つ紹介します。

  • 自分の症状を理解する
  • 気持ちを正直に伝える
  • 境界線を大切にする
  • パートナーと双極性障害について共有する
  • 自分を責めすぎない
  • 専門家のサポートを活用する

自分の症状を理解する

双極性障害と向き合うためには、自分の症状について理解することから始めましょう。

双極性障害は、「躁状態」と「うつ状態」という両極端な気分の波が特徴です。

これらの状態が周期的に訪れるため、恋愛においても「昨日まで元気だったのに今日は急に落ち込んでいる」といった変化が起こりやすくなります。

以下のような方法で可視化すると、恋愛において自身が何をすべきかが明確になるでしょう。

  • 日記やアプリで気分の変化を記録する
  • 主治医やカウンセラーと定期的に振り返る
  • 躁状態・抑うつ状態それぞれの前兆サインを把握する

気持ちを正直に伝える

パートナーと良好な関係を維持するためには、自分の気持ちをパートナーへ正直に伝えましょう。

恋愛でパートナーを振り回してしまうと感じる要因のひとつは、症状を隠してしまうことです。

自分がしんどいとき、無理に笑顔で振る舞ったり、逆に黙って距離を置いたりすると、パートナーは「嫌われたのかな」、「どう接すればいいのだろう」と不安になってしまいます。

そのため、調子が悪いときや一人になりたいときには、自分の考えを正直にパートナーへ伝えましょう。

自分の考えを伝えるときは、長々と説明する必要はありません。

「今日は気分が落ち込んでいるから、少し休みたい」、「今は少し一人の時間が欲しい」と端的に伝えるだけでも、パートナーは安心できます。

境界線を大切にする

パートナーと健全な関係を築くためには、境界線を大切にしましょう。

双極性障害を持つ方の中には、躁状態のときに「愛情表現が強すぎる」、「パートナーに過剰に依存してしまう」といった傾向が現れることがあります。

反対に、抑うつ状態のときは「全てを拒絶してしまう」ように見られることも少なくありません。

これらは統合失調症の特性によるものであり、悪意ではありません。

しかし、パートナーにとっては疲れや負担になる場合があります。

そのようなときに大切なのが「境界線を守る」ことです。

恋愛は、お互いのバランスで成り立ちます。

自分の感情を全てパートナーに預けるのではなく、「パートナーの自由も守る」という姿勢を意識すると、振り回してしまう不安は和らぎます。

パートナーと双極性障害について共有する

双極性障害と向き合いながら恋愛関係を育むためには、パートナーが病気についてある程度理解していることが欠かせません。

パートナーが双極性障害の特徴を知らないままだと、症状による行動を「わがまま」、「気まぐれ」と受け取られてしまう可能性があります。

無理のない範囲で、以下のようなことを共有してみましょう。

  • 双極性障害とはどんな病気なのか
  • 気分の波の傾向
  • 困っているときにどう接してほしいか

症状のことを共有することで、「分かってもらえない」という不安を減らし、「理解してもらえる」という安心感を育てられます。

双極性障害のことを伝えるタイミングと伝え方について知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。

自分を責めすぎない

恋愛関係を築くうえで、うまくいかないことがあったとしても自分を責めすぎないようにしましょう。

恋愛において、パートナーを振り回してしまった経験があると、「自分は恋愛に向いていないのでは」と落ち込むことがあります。

しかし、双極性障害の症状によってうまくいかない場面があるのは自然なことです。

それを全て「自分のせい」と捉えてしまうと、ますます自己肯定感が下がり、恋愛そのものが苦しくなってしまいます。

うまくいかない原因は「あなたという人間」ではなく「双極性障害の症状」によるものです。

症状への対処を学び、工夫を積み重ねていくことで、恋愛を楽しめるようになりましょう。

自己肯定感を高める方法について詳しく知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。

専門家のサポートを活用する

恋愛において、当事者だけで解決できない悩みがある場合は、専門家へ相談しましょう。

主治医や心理士に恋愛や人間関係の悩みを相談することは、決して珍しいことではありません。

むしろ、気分の波に左右されやすい双極性障害だからこそ、専門家のアドバイスが役立ちます。

いきなり専門家へ相談するのはハードルが高いという方は、家族や友人など身近な人に相談してみてください。

双極性障害などの精神障がいについて相談できる専門機関を知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。

双極性障害に理解がある方と出会いたい方にはIRODORIがおすすめ

今回は、双極性障害の人が恋愛で『パートナーを振り回してしまう』悩みへの対処法について解説しました。

双極性障害の人が恋愛において、「パートナーを振り回してしまう」という悩みを抱えることは珍しくありません。

しかし、それは当人が悪い人というわけではなく、障害の特性によるものです。

気分の波を自分でも把握し、パートナーと共有しながら歩むことで、信頼関係を築けるでしょう。

恋愛に悩みながらも「自分に合ったパートナーと出会いたい」と思っている方には、障害者の出会いを応援するマッチングアプリ「IRODORI」がおすすめです。

障害者の出会いを応援するマッチングアプリ「IRODORI」は、障害のある方が安心して恋愛や結婚を目指せるよう設計されたサービスです。

同じような悩みや背景を持つ人とつながれることで、「自分だけじゃない」という安心感が得られ、恋愛に前向きな気持ちを持てます。

双極性障害を抱える方も、自分を理解してくれるパートナーと出会うことで、温かい関係を築ける可能性が広がります。

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