恋愛すると、多くの人が「パートナーは自分をどう思っているのだろう」、「嫌われていないだろうか」と不安を抱くことがあります。
このような不安は、誰にでも起こりうる自然な感情です。
しかし、強迫性障害(OCD:Obsessive–compulsive_disorder)を抱えている人の場合、その不安が強くなり、行動として「確認癖」に結びつくことがあるといわれています。
恋愛は本来、楽しさや安心感を得られるものですが「確認しなければ安心できない」、「何度聞いても不安が消えない」という状態が続くと、パートナーとの関係にも影響を及ぼすでしょう。
本コラムでは、強迫性障害の人が恋愛において直面しやすい確認癖と、うまく向き合うためのポイントについて解説します。
Contents
強迫性障害とは?
強迫性障害(OCD:Obsessive–compulsive_disorder)とは、不合理だとわかっていても、繰り返し浮かぶ不安やこだわり(強迫観念)とそれを打ち消すための行動(強迫行為)を止められず、生活に支障をきたす精神障害です。
世界メンタルヘルス(WMH)によると、強迫性障害の生涯有症率は、4.1%とされています。
世界保健機関(WHO:World Health Organization)は、強迫性障害を生活上の機能障害をひきおこす10大疾患のひとつとして認定しています。
強迫性障害の主な症状は、以下のとおりです。
- 汚れや細菌を恐れて過剰に手洗い・入浴・洗濯を繰り返す
- 自分が他人に危害を加えたのではないかと不安になり確認を繰り返す
- 戸締まりやガス栓、電気のスイッチなどを何度も確認する
- 決められた手順で物事に取り組まない不安になる
- 不吉・幸運な数字に強いこだわりを持つ
- の位置や並び方が一定でないと強い不安を感じる
強迫性障害について詳しく知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。
恋愛における「確認癖」とは?
強迫性障害があると、さまざまな症状が見られます。
強迫性障害の代表的な特徴のひとつが、頭に浮かぶ不安や疑念を打ち消すために、同じ確認を何度も繰り返してしまう「確認行為」です。
一例として、「火事になったらどうしよう」という強い不安からガスの元栓を何度も触って確かめたり、「泥棒に入られたらどうしよう」という思いからドアの鍵を何度も確認したりします。
恋愛においても、このような「確認行為」が人間関係に置き換わったかたちで現れることが少なくありません。
一例として、以下のように確認します。
- パートナーに「本当に好き?」と何度も尋ねる
- 既読や返信のスピードを過度に気にする
- 過去の会話を何度も振り返る
- デート後に「楽しかった?」としつこく尋ねる
このように、不安を鎮めるために、自分への愛情があるかを何度も確認してしまいます。
強迫性障害を持つ人にとって、「確認すること」は一時的に不安を下げてくれる行為です。
とくに、本質的に「パートナーの気持ちを完全にコントロールすることはできない」不確実なものである恋愛では、強迫性障害の人は不確実さに強く耐えにくく、「確認しないと落ち着けない」という状態に陥りやすくなります。
確認癖とどう向き合うべきか?
強迫性障害があると、恋愛において確認癖が出ることがあります。
では、恋愛をしたい強迫性障害の人が確認癖とどう向き合えばよいのでしょうか。
ここからは、恋愛をしたい強迫性障害の人が確認癖と向き合うときのポイントを5つ紹介します。
- 「確認したい気持ち」を受け止める
- 書き出して整理する
- パートナーとの信頼関係を育む
- 確認の回数を決める
- 専門家のサポートを受ける
「確認したい気持ち」を受け止める
確認癖と向き合うためには、自分の気持ちに向き合いましょう。
強迫性障害の人は「確認しなければ落ち着かない」という衝動が強く出ます。
このときに「また確認してしまった、自分はダメだ」と否定してしまうと、不安がさらに強まり悪循環につながりかねません。
まずは「確認したい気持ちは症状の一部であって、自分の性格や人間性の弱さではない」と理解することから始めましょう。
「今、不安が大きくなっているな」と一歩引いてとらえるだけで、心に少し余裕が生まれます。
書き出して整理する
確認癖と向き合うためには、確認したい気持ちが出てきたときにすぐパートナーに尋ねるのではなく、一度紙やスマホのメモに気持ちを書いてみましょう。
具体的には、「本当に私のこと好き?」や「嫌われていない?」など、心に浮かんだ不安をそのまま言葉にしてください。
自分の気持ちを書き出すことで、思考が整理され、気持ちが落ち着きます。
また、後で読み返すと「前にも同じことを心配していた」と気づけることがあり、「今すぐ確認しなくても大丈夫かもしれない」と思えるようになります。
パートナーとの信頼関係を育む
確認癖と向き合うためには、パートナーとの信頼関係を育むための工夫を凝らしましょう。
確認癖の背景には「パートナーに嫌われたらどうしよう」という強い不安があります。
そのため、パートナーとの間に安心感を育てる工夫がとても重要です。
一例として、「私は不安を感じやすいから、もし落ち着かなくなっていたら声をかけてくれると助かる」と伝えてみてください。
パートナーが自分のことを理解してくれるだけでも「確認しなくても大丈夫」という安心感を得やすくなります。
また、感謝の気持ちや「一緒にいて楽しい」といった前向きな言葉を伝えることで、パートナーも安心し、信頼関係が自然に強まります。
確認の回数を決める
確認癖と向き合うためには、確認する回数を決めましょう。
確認癖を完全になくそうとすると、大きなストレスになります。
そのため、「今日は1回だけ確認する」というように自分でルールを決めてください。
回数を少しずつ減らすことで、パートナーへの負担も軽くなり、自分自身も「工夫できた」という達成感を得られます。
この達成感は「私は少しずつ変われる」という自信につながり、症状と付き合いやすくなります。
専門家のサポートを受ける
確認癖と向き合うときは、専門家の力も借りましょう。
強迫性障害は、恋愛の場面だけでなく、仕事や友人関係など日常生活全体に影響が出ることがあります。
しかし、意思の力だけで克服するのが困難なことがあります。
不安が強いときや自分だけで対処が難しいと感じたときは、心療内科や精神科、心理カウンセラーに相談してください。
適切なサポートを受けることで、「確認しなくても大丈夫」という感覚を徐々に育てられます。
強迫性障害について相談できる機関について知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。
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今回は、強迫性障害の人が恋愛において直面しやすい確認癖と、うまく向き合うためのポイントについて解説しました。
強迫性障害を抱えている人が恋愛すると、不安から「確認癖」が出やすくなります。
パートナーへの気持ちを何度も確認したくなるのは自然なことですが、過度になると関係に負担を与えてしまいます。
大切なのは「確認癖をゼロにする」ことではなく、「不安と上手に付き合う」ことです。
書き出して気持ちを整理したり、パートナーへ自分の気持ちを正直に伝えたりすることで、安心できる恋愛を築きましょう。
恋愛は不安をともなうものですが、その不安を理解し合えるパートナーとなら、確認癖があっても温かい関係を築けます。
また、恋愛のスタート地点として「自分を理解してくれるパートナーに出会う」ことがとても大切です。
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