コラム

自己愛性パーソナリティ障害の人が恋愛で『愛されない不安』に苦しむとき

2025/10/01/

恋愛は、誰にとっても心を揺さぶる体験です。

パートナーからの愛情を感じる瞬間に喜びを得られる一方で、不安や疑念に苛まれることも少なくありません。

とくに、自己愛性パーソナリティ障害(NPD:Narcissistic Personality Disorder )を抱える人にとって、恋愛関係は「自分が愛されているのかどうか」を常に確かめずにはいられないほど大きな試練になることがあります。

本コラムでは、自己愛性パーソナリティ障害の人が恋愛において「愛されない不安」に苦しむ理由やその不安にどう向き合い、より健やかな関係を築くためにやるべきことなどを解説します。

自己愛性パーソナリティ障害とは?

自己愛性パーソナリティ障害(NPD:Narcissistic Personality Disorder )は、DSM-5(精神疾患の診断マニュアル)で定義されているパーソナリティ障害のひとつです。

一般的には「自己中心的」「人を見下す」といったイメージが持たれがちですが、自己愛性パーソナリティ障害の本質はむしろ「心の奥底に強い不安や劣等感を抱えていること」にあります。

表面上は自信満々に見えていたとしても、内面では「自分は本当に価値があるのだろうか」、「見捨てられるのではないか」という強い恐れを抱いています。

恋愛関係においてもパートナーからの愛情が得られているのか、十分に評価されているのかを常に気にしてしまうでしょう。

自己愛性パーソナリティ障害について詳しく知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。

自己愛性パーソナリティ障害の人が愛されないことへの不安を抱きやすい理由

恋愛において、パートナーの言動により不安を抱くことは珍しくありません。

とくに、自己愛性パーソナリティ障害の人は、パートナーに対して強い不安を感じることがあります。

ここからは、自己愛性パーソナリティ障害の人がパートナーから愛されないことへの不安を抱きやすい理由を3つ紹介します。

  • 愛情を繰り返し確認したくなる欲求
  • 過去の体験
  • 理想と現実のギャップ

愛情を繰り返し確認したくなる欲求

自己愛性パーソナリティ障害の人は、表面的には自信があるように見えるかもしれません。

しかし、内心では「見捨てられるのではないか」、「自分は無価値ではないか」という強い恐れを抱えています。

そのため、「好きだよ」や「大切に思っているよ」というように、パートナーからの言葉や行動で愛情を繰り返し示されないと安心できません。

恋愛における不安が積み重なると、パートナーに対して「本当に私のこと好き?」と何度も確認したくなり、結果的にパートナーを疲弊させてしまいます。

過去の体験

自己愛性パーソナリティ障害の人が持つ「愛されないことへの不安」の要因のひとつは、幼少期の家庭環境です。

一例として、親から「あなたは優秀だから愛している」、「期待に応えれば認めてあげる」という条件付きの愛情を受けた経験があると、無条件に「存在そのものを愛される」感覚を育みにくくなります。

その結果、「成果を出さないと見捨てられる」、「パートナーを喜ばせ続けなければ嫌われる」という信念が強く根づいてしまうでしょう。

また、過去に愛情を十分に得られなかった人ほど「次こそは絶対に愛されたい」という強い願望を抱きますが、それがかえって恋人に対する依存や不安の形で表れてしまうこともあります。

理想と現実のギャップ

自己愛性パーソナリティ障害の人は、自分のパートナーに対して「常に自分を最優先にしてほしい」、「どんなときも愛情を惜しまず注いでほしい」という強い理想を持つことがあります。

このような感情は、心の奥で「特別に扱われたい」、「存在価値を確かめたい」という欲求が根底にあるためです。

しかし、パートナーも仕事や人間関係で疲れているときもあれば、自分の時間を大事にしたいこともあります。

その自然な感情の波を「自分への愛情が薄れたサイン」と受け取ってしまうと、不安が一気に強まります。

このように、本来はパートナーにとって普通の行動であっても、「特別扱いしてもらえなかった」ことに強く反応し、不安や怒りとなって表れてしまいます。

自己愛性パーソナリティ障害の人が恋愛に対する不安に向き合うためにやるべきこと

自己愛性パーソナリティ障害の人が不安に向き合い、受け入れようとすることで、パートナーと健全な関係を育めます。

ここからは、自己愛性パーソナリティ障害の人が恋愛に対する不安に向き合うためにやるべきことを4つ紹介します。

  • 不安を抱くことを否定しない
  • 依存しすぎない
  • 不安を言語化する
  • 専門家のサポートを受ける

不安を抱くことを否定しない

自己愛性パーソナリティ障害と向き合うためには、不安を抱くことについて否定しすぎないようにしましょう。

自己愛性パーソナリティ障害を抱える人にとって、不安は非常に強烈で自分を苦しめる存在に感じられるかもしれません。

しかし、不安について悪く考えすぎると「不安を感じる自分は弱い」、「ダメだ」と自己否定につながります。

不安とは本来「危険を察知して自分を守ろうとする心の働き」です。

つまり、不安は私たちを守るセンサーであり、決して悪いことではありません。

不安を感じたときに「また不安になってしまった、いけないことだ」と否定するのではなく、「自分は今、安心を求めているんだな」と受け止めることが、心を楽にする第一歩になります。

依存しすぎない

パートナーと健全な関係を築くためには、パートナーへ依存しすぎないようにしましょう。

恋愛における「愛されたい」という欲求は、誰にでもあります。

しかし、自己愛性パーソナリティ障害を抱える人は、承認欲求が極端に強くなりやすい傾向があります。

そのため、「パートナーからの愛情がないと生きていけない」という感覚に陥ることが少なくありません。

不安を言語化する

自己愛性パーソナリティ障害の人が持つ不安と向き合うためには、自分の不安を言語化しましょう。

自己愛性パーソナリティ障害があると、恋愛で不安を感じたとき、「嫌われたに違いない」と内心で決めつけてしまうことが少なくありません。

しかし、不安をひとりで抱え込むと、さらに膨らみ、疑い・嫉妬・怒りへと発展することがあります。

「相手を責める言葉」ではなく、「自分の気持ちを伝える言葉」に置き換えることで、パートナーも「どう支えたらいいか」がわかりやすくなります。

専門家のサポートを受ける

もし不安が長期的に強く続き、恋愛関係だけでなく、仕事・人間関係・生活全般にまで支障をきたす場合は、専門家へ相談しましょう。

臨床心理士や精神科医によるカウンセリングや認知行動療法(CBT:Cognitive Behavioral Therapy)、スキーマ療法、対人関係療法などの心理療法は、不安の根本原因に向き合う助けとなります。

また、専門家と一緒に自己愛性パーソナリティ障害の悩みを解消することで、ひとりでは難しかった「不安との健やかな付き合い方」がわかります。

自己愛性パーソナリティ障害について相談できる機関について知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。

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今回は、自己愛性パーソナリティ障害の人が恋愛において「愛されない不安」に苦しむ理由やその不安にどう向き合い、より健やかな関係を築くためにやるべきことなどを解説しました。

自己愛性パーソナリティ障害を抱える人にとって、恋愛における「愛されない不安」は非常に強く、時に苦しみをともなうものです。

しかし、不安は心の弱さの証ではなく「愛されたい」という人間らしい欲求の表れでもあります。

恋愛の不安を責めるのではなく、理解を深め、少しずつパートナーとの関係を深めましょう。

また、恋愛に前向きになりたいと思っても、なかなか出会いの場がないと感じる方も多いでしょう。

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