
自己愛性パーソナリティ障がい(Narcissistic Personality Disorder:NPD)は、「自分は特別な存在でありたい」という強い思いや、他者からの評価への過度なこだわり、人間関係の築きにくさなどが特徴となるパーソナリティ障がいです。
自己愛性パーソナリティ障がいがある人の中には、
「この性格は一生変わらないのだろうか。」
「治療を受けて効果はあるの?」
「人との関係をもっと楽に築けるようになりたい。」
というような悩みを抱えている人も少なくありません。
そこで、本コラムでは自己愛性パーソナリティ障がいの治療方法や、回復までのステップについてわかりやすく解説します。
Contents
自己愛性パーソナリティ障がいとは?
自己愛性パーソナリティ障がい(Narcissistic Personality Disorder:NPD)とは、自分を特別な存在だと強く感じる傾向や、他者からの賞賛や評価を強く求める一方で、批判や失敗に対して非常に傷つきやすい特徴を持つパーソナリティ障がいです。
自己愛性パーソナリティ障がいがあると、以下のような特徴が見られます。
- 自分は特別な存在だと感じている
- 賞賛や評価を強く求める
- 批判や失敗に過敏に反応する
- 相手の気持ちを理解することが苦手
- 人間関係が長続きしにくい
- 強い劣等感を隠していることがある
自己愛性パーソナリティ障がいの人は、自分に自信があるように見えても、実際には自己評価が不安定で、他人から認められることで自分の価値を保とうとすることがあります。
そのため、少しの批判や否定的な意見でも強いショックを受けたり、怒りや落ち込みにつながったりします。
自己愛性パーソナリティ障がいについて詳しく知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。
自己愛性パーソナリティ障がいの主な治療法

自己愛性パーソナリティ障がいは、短期間で完治する病気ではありません。
しかし、適切な治療や支援を受けることで改善が期待できます。
ここからは、自己愛性パーソナリティ障がいの主な治療法を5つ紹介します。
- 心理療法
- 認知行動療法
- スキーマ療法
- 薬物療法
- グループ療法
心理療法
心理療法(精神療法)は、精神科医や公認心理師、臨床心理士などの専門家との対話を通じて、考え方や感情、行動のパターンを見直す治療法です。
薬による治療とは異なり、自分自身の悩みや人間関係、物事の受け止め方について話し合いながら、生きづらさの原因を整理し、より適切な対処方法を身につけることを目的としています。
自己愛性パーソナリティ障がいの人が心理療法を受けると、自分自身への理解が深まり、対人関係のトラブルを減らしながら、より安定した生活を送れるようになります。
認知行動療法
認知行動療法(Cognitive Behavioral Therapy:CBT)は、物事の捉え方や行動のパターンを見直す治療法です。
極端な考え方や思い込みに気づき、現実的で柔軟な考え方へ少しずつ修正していくことを目的としています。
認知行動療法を通じて批判や失敗に対する過度な落ち込みや怒りをコントロールすることで、ストレスへの対処力が向上します。
スキーマ療法
スキーマ療法(Schema Therapy)は、幼少期から形成された思考や感情のパターンに働きかける治療法です。
「認められたい」や「見捨てられたくない」といった根深い思い込みや価値観を整理し、より健全な自己理解を育てます。
スキーマ療法を受けることで自分を過度に守ろうとする反応が和らぎ、他者との信頼関係を築きやすくなります。
薬物療法
薬物療法は、不安や抑うつ、不眠などの症状を和らげる補助的な治療法です。
症状に応じて抗うつ薬や抗不安薬、睡眠薬などが処方されます。
自己愛性パーソナリティ障がいそのものを改善する薬はありませんが、薬物療法により心身の負担を軽減することで、心理療法に取り組みやすい状態を維持しやすくなります。
グループ療法
グループ療法は、複数の参加者と交流しながら人間関係の築き方を学ぶ治療法です。
同じような悩みを抱える人と意見交換することで、自分では気づきにくい考え方やコミュニケーションの癖を客観的に理解します。
グループ療法は相手の気持ちを考える力や適切なコミュニケーション能力を身につけるきっかけになり、人間関係を改善しやすくなります。
自己愛性パーソナリティ障がいが回復するまでのステップ

自己愛性パーソナリティ障がいの回復は、一人ひとりの症状や生活環境によって異なります。
そのため、自己愛性パーソナリティ障がいの方は、治療を受ければすぐに回復するというわけではありません。
段階を踏みながら少しずつ考え方や行動を変化させることが求められます。
そこで、ここからは自己愛性パーソナリティ障がいが回復するまでの流れを4つのステップにわけて紹介します。
- 自分の状態を受け入れる
- 専門家に相談する
- 考え方や行動のパターンを見直す
- 治療を継続する
自分の状態を受け入れる
自己愛性パーソナリティ障がいを回復させる第一歩として、自分の状態を受け入れましょう。
自分の特徴や考え方の傾向を全否定してしまうと、改善に向けて行動しにくくなります。
人間関係で繰り返し起こるパターンや、強く反応してしまう場面をメモしながら客観的に自分の特性を整理しましょう。
専門家に相談する
自身の症状に対して理解を深めたら、早めに専門家へ相談しましょう。
自己愛性パーソナリティ障がいを長期間そのままにしてしまうと、「批判への過敏さ」や「人間関係の衝突」といった反応が習慣化してしまう恐れがあります。
さらに、パーソナリティの修正は時間がかかるため、早く始めるほど小さな変化を積み重ねる期間を確保できます。
精神科や心療内科、公認心理師などに相談し、自分に合った治療方針を一緒に決めましょう。
自己愛性パーソナリティ障がいの悩みを相談できる専門機関をお探しの方は、こちらのコラムをご覧ください。
考え方や行動のパターンを見直す
治療の方針が固まったら、考え方や行動のパターンを少しずつ見直しましょう。
極端な思考や反応のクセが、人間関係のトラブルや生きづらさにつながります。
認知行動療法などを通じて「本当にそうだろうか」と一度立ち止まる習慣を身につけることで、柔軟な思考を養いましょう。
治療を継続する
自己愛性パーソナリティ障がいの治療は長期化することもありますが、専門家と相談しながら焦らず継続しましょう。
幼少期からの経験や人間関係の影響によって形成されたパーソナリティは、短期間では変わりにくい傾向があります。
さらに、自己愛性パーソナリティ障がいの人は自分の行動や考え方を客観視することが苦手で、治療の必要性を実感するまでに時間がかかることもあります。
小さな変化や成功体験を記録しながら、自分のペースで続けることで、徐々に生きやすさを実感できるようになりましょう。
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今回は、自己愛性パーソナリティ障がいの治療方法や、回復までのステップについて解説しました。
自己愛性パーソナリティ障がいは、すぐに治るものではありませんが、適切な治療や支援を受けながら少しずつ改善を目指せます。
焦らず、一歩ずつ取り組むことで、自己愛性パーソナリティ障がいを回復させましょう。
また、恋愛や結婚においても、自分を理解し合える相手と出会えることは、大きな安心感や自己成長につながります。
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