
「適応障害の原因になっていた職場を離れたのに、気分が戻らない。」
「つらい人間関係から距離を置いたのに、以前のように生活できない。」
適応障害がある方の中には、このようにストレスの原因から離れた後も心身の不調が続くことがあります。
適応障害は、特定の環境や出来事による強いストレスがきっかけとなって、気分の落ち込みや不安、不眠、意欲低下などの症状が現れる状態です。
そのため、「ストレス源から離れればすぐに元気になる」と考えてしまう人もいるかもしれません。
しかし、実際にはストレス源から離れた後も、すぐに症状がなくなるとは限りません。
むしろ、長期間のストレスによって心身が疲弊している場合は、環境が変わってから回復までに時間が必要になることがあります。
そこで、本コラムでは適応障害のストレス源から離れた後も回復しない理由や、回復中に意識したい過ごし方について解説します。
Contents
適応障害のストレス源から離れた後も回復しない理由

適応障害とは、特定のストレスや環境の変化をきっかけに、気分の落ち込みや不安、不眠などの心身の症状が現れ、日常生活や社会生活に支障をきたす精神障がいです。
一般的にストレスの原因から距離を置くことが適応障害の回復に適しているとされていますが、中にはなかなか回復しない方もいます。
そこで、ここからは適応障害のストレス源から離れた後も回復しない主な理由を5つ紹介します。
- ストレスによる心身の疲労が残っている
- ストレス源がなくなっても不安や恐怖が残っている
- 生活リズムが崩れている
- はやく回復しなければならないと焦る
- ストレス源から離れても新しいストレスが発生している
適応障害について詳しく知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。
ストレスによる心身の疲労が残っている
適応障害のストレス源から離れた後も回復しない理由のひとつは、ストレスによって蓄積した心身の疲労がすぐにはなくならないことです。
強いストレスを受けている期間が長いと、ストレス源から離れたことで負担が減ったとしても、それまでに消耗した体力や気力が残ってしまうことがあります。
それにより、ストレスの原因がなくなったにもかかわらず、疲れやすい、集中しにくい、何をするにも気力が湧かないといった状態が続きます。
ストレス源がなくなっても不安や恐怖が残っている
適応障害のストレス源から離れた後も、そこで経験した不安や恐怖などの感情が残ることは珍しくありません。
強いストレスを経験すると、実際にはその環境から離れていても、「また同じことが起こるのではないか」と考えたり、当時の出来事を思い出したりしてしまいます。
とくに、職場や人間関係などがストレス源だった場合は、環境が変わっただけでは気持ちがすぐに落ち着かず、似た状況や場所をきっかけとして症状が再発することもあります。
生活リズムが崩れている
適応障害のストレス源から離れたとしても、生活リズムが大きく崩れていると、心身の状態が安定せず、回復を実感しにくくなります。
強いストレスを受けている間は、眠れない、食欲が低下する、日中に活動する気力がなくなるなど、睡眠や食事、活動量に変化が生じます。
こうした状態がストレス源から離れた後も続いていると、疲労感や気分の落ち込みなどが残り、ストレスの原因がなくなったにもかかわらずなかなか体調が戻らないということになりかねません。
はやく回復しなければならないと焦る
「早く元の生活に戻らなければ」と焦る気持ちが強くなることも、適応障害の回復を実感しにくくなる理由のひとつです。
ストレス源から離れたことで、「もう元気になっているはず」と考えてしまうと、思うように活動できない自分とのギャップを感じることがあります。
さらに、「まだ疲れている」や「以前のように動けない」といった状態を意識することで、回復が遅れていると感じたり、自分を責めたりするなど、心理的な負担が続いてしまいます。
ストレス源から離れても新しいストレスが発生している
以前のストレス源から離れても、別のストレスが新たに発生している場合は、適応障害が再発する可能性があるため、注意しなければなりません。
一例として、職場の人間関係から離れた後に、休職や退職による経済的な不安、将来への心配、家族との関係などが新たなストレスになることも考えられます。
このように、最初のストレス源がなくなったとしても、別の不安や環境の変化が重なることで、心身が十分に休まらず、症状が続いているように感じてしまいます。
適応障害の回復中に意識したい過ごし方

適応障害の回復中は、「早く元の状態に戻ろう」と焦らず、心身への負担を減らしながら少しずつ生活を整えることが求められます。
そこで、ここからは適応障害の回復中に意識したい過ごし方を6つ紹介します。
- 十分な休息をとる
- 生活リズムを整える
- できることから少しずつはじめる
- ストレス源から適切な距離をとる
- 「できない自分」を責めない
- 医師や周囲の人に状態を伝える
十分な休息をとる
適応障害の回復中は、無理に活動量を増やそうとせず、十分な休息をとることを意識しましょう。
ストレスによって心身のエネルギーが消耗していると、ストレス源から離れた後もしばらく疲労感や気力の低下が続くことがあります。
「何もしない時間も回復のために必要」と考え、疲れを感じたら横になる、睡眠時間を確保する、予定を詰め込みすぎないなど、その日の体調に合わせて休む時間を意識的につくってみてください。
生活リズムを整える
適応障害の回復中は、無理のない範囲で起床や就寝、食事などの生活リズムを整えましょう。
睡眠時間が日によって大きく変わったり、昼夜逆転したりすると、心身の状態が安定しにくくなります。
いきなり完璧な生活を目指す必要はありませんが、毎朝同じくらいの時間に起きる、朝食をとる、日中に少し活動するなど、取り組みやすいことから始めてみてください。
生活リズムを安定させるコツについて知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。
できることから少しずつはじめる
体調が少しずつ回復してきたら、無理のない範囲でできることから少しずつ始めてみましょう。
回復を急いで一度に多くのことをこなそうとすると、疲労が蓄積して再び体調を崩してしまいます。
「今日は10分だけ散歩する」や「短時間だけ人と話す」など、現在の体調で無理なくできる行動から始めてみてください。
また、ストレスや疲労感が強くなったと感じたときは、無理せずに活動量を減らしましょう。
ストレス源から適切な距離をとる
適応障害の回復中は、適応障害のきっかけとなったストレス源から適切な距離をとりましょう。
ストレスの原因となった環境や人との関わりが続いていると、心身が十分に休まらず、かえって回復が遅れてしまいます。
仕事がストレス源であれば仕事関連の連絡を確認する時間を限定する、人間関係が原因なら必要以上に接触しないなど、現在の状況に応じて自分の負担を減らせる距離感を保ちましょう。
「できない自分」を責めない
適応障害の回復中、以前のようにできないことがあったとしても、自分を責めすぎないようにしましょう。
適応障害の症状によって、仕事や家事、人付き合いなどを以前と同じようにこなせないことがあります。
「今日は何もできなかった」と考えるのではなく、「今日は休む必要があった」と捉えたり、その日にできた小さなことにも目を向けてみたりしてみてください。
医師や周囲の人に状態を伝える
適応障害の症状や体調の変化はひとりで抱え込まず、医師や信頼できる周囲の人に現在の状態を伝えましょう。
自分では「これくらいなら大丈夫」と思っていても、症状の変化や無理している状態に気づきにくいことがあります。
医師に相談するときは、睡眠や食欲、気分、疲れやすさなど回復中に起こった些細なできごとも細かく伝えましょう。
また、家族や友人には「今は人と会うのが負担になりやすい」など、具体的な状態を共有しておくと、必要なサポートを受けやすくなります。
適応障害について気軽に相談できる専門機関について知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。
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今回は、適応障害のストレス源から離れた後も回復しない理由や、回復中に意識したい過ごし方について解説しました。
適応障害の原因となるストレス源がわかたとしても、スムーズに回復しないことは珍しいことではありません。
ストレス源から離れた後は、すぐに以前の生活へ戻ろうとするのではなく、今の自分の状態に合わせて生活を整えることを意識しましょう。
また、恋愛や新しい出会いについても、体調を最優先にしながら、自分のペースで進めることが重要です。
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