
「何をするにも面倒に感じる。」
「好きだったことにも興味がわかない。」
適応障害がある方のなかには、このような気持ちを抱えている方もいるのではないでしょうか。
やらなければならない仕事や家事があるのに、なかなか身体が動かないと「自分は怠けているのではないか」と自分を責めてしまうこともあります。
しかし、「何もしたくない」と感じることは、必ずしも本人の意志の弱さや怠けが原因とは限りません。
「何もしたくない」という気持ちを無理に消そうとするのではなく、今の自分の状態を理解して、できる範囲で負担を減らすことが求められます。
そこで、本コラムでは適応障害の人が「何もしたくない」と感じるときに、どのように気持ちと付き合うべきなのかを紹介します。
Contents
なぜ適応障害があると「何もしたくない」と感じるのか?

適応障害とは、仕事や人間関係、生活環境の変化などによるストレスが原因となり、心や身体に不調が現れ、日常生活に支障をきたす精神障がいのことです。
環境から受けるストレスが本人の適応できる範囲を超えたときに、心身の不調が現れます。
適応障害について詳しく知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。
適応障害があるとさまざまな症状が現れますが、症状のひとつとして何事にも無関心になることがあります。
そこで、ここからは適応障害があると「何もしたくない」と感じる主な原因を4つ紹介します。
- ストレスによって心のエネルギーが消耗している
- 不安や緊張が続くことで行動する余裕がなくなる
- 精神面だけでなく身体面の不調も現れる
- 自己肯定感が低くなる
ストレスによって心のエネルギーが消耗している
適応障害があると、強いストレスによって心のエネルギーが消耗し、何かをしようという意欲が湧かなくなることがあります。
適応障害は、仕事や人間関係、生活環境の変化など、特定のストレスがきっかけとなって心身に不調が現れる精神障がいです。
ストレスに対処しようとする状態が続くと、心の余裕が失われ、普段なら楽しめる趣味や好きなことにも関心を持てなくなります。
そのまま無理し続けると、家事や身の回りのことが手につかなくなり、日常生活に支障をきたします。
さらに、人と会うことや連絡を取ることさえ負担に感じ、家族や友人との関係が希薄になってしまうことも少なくありません。
不安や緊張が続くことで行動する余裕がなくなる
適応障害があると、ストレスの原因となるできごとや環境に対する不安や緊張が続き、何かを始める気力が湧かなくなることがあります。
適応障害では、ストレスの原因に関連して強い不安や落ち込み、焦りなどが生じる精神障がいです。
それに伴い、不安なことを考え続けたり、失敗を恐れて行動をためらったりするうちに、目の前のことに取り組む余裕がなくなります。
このような状態を放置すると、仕事や学業で必要な行動を起こせなくなり、遅刻や欠席、課題の先延ばしなどを引き起こしかねません。
さらに、人との会話や外出を避けるようになり、周囲との交流が減ることで孤立感が強まることもあります。
精神面だけでなく身体面の不調も現れる
適応障害があると、心の不調だけでなく身体的な疲労や不調が現れ、何もしたくないと感じることがあります。
適応障害では、ストレスの影響によって、頭痛や胃痛、動悸、倦怠感、睡眠の乱れなどの身体症状が生じる精神障がいです。
十分に休んだつもりでも疲れが取れなかったり、眠れない日が続いたりすると、日中に活動するための体力や気力が低下します。
その結果、食事や入浴、掃除といった日常的な行動さえ負担に感じ、生活リズムが乱れてしまうことも少なくありません。
さらに、身体の不調を我慢して無理に活動し続けると、疲労が蓄積し、仕事や家事を続けることがさらに難しくなります。
自己肯定感が低くなる
適応障害があると、思うように行動できない自分を責めたり、以前のように物事をこなせないことに落ち込んだりして、自己肯定感が低くなることがあります。
適応障害があると、ストレスをきっかけに気分の落ち込みや意欲の低下が生じ、自分の能力や価値を否定的に捉えやすくなることがあります。
こうした状態が続くと、家事や仕事などに対する意欲がさらに低下し、できることが減っているように感じてしまうことも少なくありません。
さらに、周囲の人との関わりを避けたり、助けを求めることをためらったりすることで、孤独感が深まり、人間関係にも影響が及ぶ恐れがあります。
適応障害の人が「何もしたくない」気持ちと上手につき合う方法

適応障害が原因で見られる「何もしたくない」という気持ちは、言動によって改善できます。
そこで、ここからは適応障害の人が「何もしたくない」気持ちと上手につき合うためにやるべきことを5つ紹介します。
- 心身を休めることを優先する
- やるべきことを細かくわける
- 生活リズムを整える
- 自分ができたことを振り返る
- 負担が少ないリフレッシュ方法を取り入れる
心身を休めることを優先する
適応障害により何もしたくないと感じるときは、無理に行動しようとせず、まずは心身を休めることを優先しましょう。
疲れを感じているときに無理を重ねると、意欲の低下や倦怠感が強まり、回復に向けた行動を起こすことも難しくなります。
仕事や家事の予定を減らしたり、静かな場所で横になったりすることで、心身を落ち着かせる時間を確保しましょう。
また、休むことに罪悪感を抱かず、必要に応じて職場や家族に事情を伝えながら、自分の負担を軽減しましょう。
心身を休めるためにすぐ実践できることをお探しの方は、こちらのコラムをご覧ください。
やるべきことを細かくわける
適応障害により何もしたくないと感じるときは、やるべきことを細かく分けて、無理のない範囲で少しずつ取り組みましょう。
適応障害によって意欲や集中力が低下していると、普段なら簡単にできることでも、大きな負担に感じてしまうことがあります。
部屋の掃除であれば「部屋全体を片づける」ではなく、「机の上のものをひとつ片づける」「ごみを一つ捨てる」というように、小さな作業にわけてみてください。
また、ひとつの作業が終わったら休憩を挟み、余裕があれば次の作業に進むなど、自分の体調に合わせて調整しましょう。
生活リズムを整える
適応障害特有の「何もしたくない」という気持ちと上手につき合うためには、体調に配慮しながら、できる範囲で生活リズムを整えましょう。
適応障害によるストレスや不安は、睡眠や食欲に影響を及ぼすことがあります。
毎朝できるだけ同じ時間に起きる、日中にカーテンを開けて自然光を浴びる、食事を取れるタイミングで少しずつ食べるなど、取り組みやすいことから始めてみましょう。
また、夜はスマートフォンの使用を控えめにし、落ち着いて過ごせる時間をつくるなど、睡眠につながる環境を整えることも大切です。
生活リズムを整えるコツを知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。
自分ができたことを振り返る
適応障害により何もしたくないと感じるときこそ、自分ができたことを振り返り、小さな一歩を認めるようにしましょう。
適応障害によって意欲が低下すると、以前のように物事をこなせない自分を責めたり、できなかったことばかりに目が向いたりします。
寝る前に「今日は食事を取れた」、「少し外の空気を吸えた」、「無理をせず休めた」というように、その日にできたことをひとつだけ書き出してみてください。
また、できなかったことがあっても自分を責めず、体調に合わせて過ごせたことを認めることで、焦りや自己否定を和らげましょう。
負担が少ないリフレッシュ方法を取り入れる
適応障害により何もしたくない気持ちが続くときは、心身に負担がかからない範囲で、気分転換につながる方法を取り入れましょう。
適応障害があると、ストレスや不安によって気持ちが落ち込みやすくなり、好きだったことにも関心を持てなくなります。
無理に楽しもうとする必要はありませんが、「好きな音楽を聴く」や「温かい飲み物を飲む」というように、負担の少ない活動を通じて気持ちを切り替えるきっかけをつくりましょう。
また、取り組んでみて疲れたり、気分がすぐれなかったりした場合は、すぐに中断しましょう。
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今回は、適応障害の人が「何もしたくない」と感じるときに、どのように気持ちと付き合うべきなのかについて解説しました。
適応障害があると、「人と関わるのもしんどい」と感じることがあります。
その一方で、誰かと話したい、理解してくれる人とつながりたい、孤独を感じることがあるという方もいるでしょう。
人とのつながりは、必ずしも直接会って話さなければならないものではありません。
自分の体調に合わせて、メッセージでやり取りしたり、共通の趣味について話したり、同じような経験を持つ人と交流したりする方法もあります。
自分にとって負担の少ない方法で安心して話せる相手や居場所を少しずつ見つけることで、自分らしく人間関係を築けるようになりましょう。
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