適応障害とうつ病の違いは?
2024/07/02/
適応障害とうつ病の違いをご存知でしょうか。
近年は、医療技術の進歩によりさまざまな精神障害が発見され、各障害に適した治療方法が誕生しています。
適応障害やうつ病は、代表的な精神障害のひとつです。
本記事では、適応障害とうつ病の違いについて解説します。
最後まで読んでいただくと、適応障害とうつ病にかんする理解が深まります。
Contents
適応障害とは
適応障害は、日常的なストレスに対処できないことで、抑うつや不安感などの精神症状や行動面の変化が現れ、社会生活に支障をきたす病気です。
ICD(International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems)-10では、ストレスが生じてから1か月以内に発症し、ストレス解消後6か月以内に改善するとされています。
しかし、症状の度合いによってはストレスが長期化することも少なくありません。
適応障害の症状は不安障害と似ており、抑うつ気分や不安感、不眠、動悸などがあります。
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適応障害の原因は、環境変化や人間関係の悪化などの外因的要素と、ストレスへの耐性や社会的サポート状況などの内因的要素が組み合わさって発症します。
うつ病とは
うつ病は、気分が落ち込んで楽しめない精神症状や、不眠、食欲不振、疲労感などの身体症状が現れ、日常生活に大きな支障をきたす病気です。
WHO(世界保健機関:World Health Organization)によると、世界人口の約3.8%がうつ病に罹患した経験があり、日本では約6%の人が罹患したと国立精神・神経医療研究センターが発表しました。
また、うつ病の罹患は、男性よりも女性の方が約50%多く見られます。
うつ病を発症する原因は正確には分かっていませんが、一般的には精神的ストレスや身体的ストレスが関与していると考えられます。
気分の落ち込みや楽しめない、悪いほうに考える、周囲から見ても分かる変化などがあり、身体症状として食欲不振、性欲減退、眠れない、疲れやすいなどがうつ病のサインです。
うつ病特有のうつ状態と躁状態が繰り返されると双極性障害の可能性があります。
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適応障害とうつ病の違い
適応障害とうつ病は、いずれもストレスや気分の問題に関連する精神疾患です。
しかし、その発症原因と症状の持続期間には明確な違いがあります。
適応障害は特定のストレス因子に対する一時的な障害であり、比較的短期間に発症します。
症状には抑うつ気分、不安感、行動変化などがあり、生活環境の変化や人間関係の問題など外因的要素が大きく影響します。
一方、うつ病は明確な外的ストレス因子がなくても発症することがあり、原因は完全には解明されていません。
症状は長期間続き、気分が持続的に落ち込む、楽しめない、不眠、食欲不振、疲労感などがあり、日常生活に大きな支障をきたします。
適応障害からうつ病へ移行するケースがある
適応障害からうつ病に移行するケースは少なくありません。
適応障害と診断されても経過観察の結果、うつ病と再診断されることがあります。
ブレインクリニックでは、適応障害の診断を受けた人の40%以上が5年後にはうつ病などに移行しているとのデータも公表されています。
適応障害はうつ病の前段階と見なされることがあるため、早期の医療機関受診が重要です。
適応障害の症状が現れた場合、放置せず早めに対策を講じましょう。
適応障害やうつ病の治療について
適応障害の治療は、以下の4つの段階で寛解を目指します。
1.ストレスの発生源から距離を置く
2.心身を回復させる
3.適応できない環境との向き合い方を考える
4.再びストレスを引き起こさないように適応する
寛解までの期間には個人差がありますが、周囲からのサポートを受けつつストレスを引き起こす環境と向き合うことで回復できるでしょう。
しかし、ストレス因子に対する一時的な反応で比較的早く改善する適応障害とは異なり、うつ病は持続的な気分の低下や身体症状を伴うため、長期間の治療が必要となります。
また、一般的にうつ病の症状はストレスが解消されても自然には改善しないことが多く、専門的な治療が必要です。
うつ病の代表的な治療法は、以下の5つです。
1.薬物療法
2.精神療法
3.高照度光療法
4.修正型電気けいれん療法
5.経頭蓋磁気刺激法
薬物療法
薬物療法とは、薬でうつ病を治療する方法です。
うつ病の薬物療法では、主に抗うつ薬が用いられます。
抗うつ薬にはSSRI、SNRI、NaSSAの3種類が広く用いられており、副作用が少ないことが特徴のひとつです。
一方で、抗うつ薬は効果が現れるまで時間がかかります。
また、抗うつ薬の効果が十分でない場合は、抗うつ薬に非定型抗精神病薬を組み合わせる増強療法が効果的です。
なお、薬物療法を利用する場合は、主治医の指示に従い、自己判断で薬の量を調整せず継続的に服用しましょう。
精神療法
精神療法は、カウンセリングなどを通じて行動や思考パターンを見直し、改善方法を見出す治療法です。
代表的な精神療法には、「認知行動療法」と「対人関係療法」があります。
認知行動療法は、思考の偏りを修正して感情や行動をコントロールし、うつ病の症状を軽減する方法です。
ワークシートを用いて日々の出来事を振り返ることで、自然に考え方の偏りに気づき、修正する習慣が身につきます。
一度習得すれば、治療をやめても長期間応用可能で、つらい状況でも気持ちを楽にできます。
対人関係療法は、1970年代にアメリカの精神科医クラーマンらによってうつ病治療のために開発された方法です。
悲哀、対人関係上の役割をめぐる不和、役割の変化、対人関係の欠如という4つの領域からうつ病罹患者が抱えている問題を理解し、1〜2つのテーマに絞った上で改善方法を見出します。
精神療法は、薬を用いないため、副作用がまったくない治療法として利用されています。
高照度光療法
高照度光療法は、高照度の光を朝に浴びることで体内リズムを整える治療法です。
主に秋から冬にかけてうつ状態になる「季節性うつ病」の治療に用いられます。
高照度光療法では、メラトニンの分泌を調整し、体内時計のリズムを改善します。
最近では、季節に関係のない一般的なうつ病や双極性障害にも効果が認められ、副作用が少ない治療法として注目されている治療法です。
修正型電気けいれん療法
修正型電気けいれん療法(m-ECT)は、脳に短時間電気刺激を与えて脳機能を改善する治療法です。
1930年代から実施されていた電気けいれん療法の副作用を軽減し、安全性と効果を向上させました。
修正型電気けいれん療法では、こめかみに数秒間電気を流し、脳波にてんかんと同じ波形を生じさせることで精神症状を改善します。
麻酔や筋弛緩薬を用いるため人員や設備が必要で、施行できる施設は限られます。
また、うつ病の重症度などにより適用が制限されます。
経頭蓋磁気刺激法
反復経頭蓋磁気刺激療法(rTMS)は、脳に繰り返し磁気刺激を与えてうつ病の症状を緩和する治療法です。
米国やカナダ、オーストラリアでの臨床試験により、薬物療法が効かない患者に有効とされました。
うつ病の診断指針である「HAM-D」では効果が確認され、2008年に米国で承認されました。
反復経頭蓋磁気刺激療法は副作用が少なく、3〜5割の患者に効果があると報告されています。
しかし、再発予防の方法は確立されていません。
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今回は、適応障害とうつ病の違いについて解説しました。
精神障害への理解を深めることは、偏見や誤解を減らし、適切な支援を受けられるようにするために必要です。
また、罹患者が安心して治療を受け、精神障がい者が活躍できる社会の実現へとつながります。
適応障害やうつ病などの精神障害への理解を深め、多様な価値観が認められる社会を目指しましょう。
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