コラム

大切な人を支えるために知っておきたい、うつ病の基本知識

2025/02/02/

うつ病は、持続的な気分の落ち込みや興味喪失、エネルギー不足を特徴とする精神障がいです。

名称は聞いたことがあったとしても、具体的にどのような症状なのか知らないという方も少なくないでしょう。

そこで、本コラムではうつ病の基本知識を紹介します。

うつ病とは

うつ病は、持続的な気分の落ち込みや無気力感が特徴の精神障がいです。

WHO(World Health Organization:世界保健機関)によると、世界人口の約3.8%がうつ病に罹患した経験があるとされています。

うつ病は、2週間以上続くと診断されることが一般的で、日常生活に支障をきたします。

うつ病について詳しく知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。

うつ状態との違い

うつ状態は、一時的な気分の落ち込みや無気力感が続く状態です。

うつ病とうつ状態は似ていますが、明確な違いがあります。

うつ病は、持続的な気分の落ち込みや無気力感が2週間以上続き、日常生活に大きな支障をきたす精神障がいです。

一方、うつ状態は一時的なもので、特定のストレスや状況が原因となり、一時的に気分が落ち込んだり無気力になる状態を指します。

うつ状態は原因が解消されると改善することが多いのに対し、うつ病は専門的な治療が必要です。

うつ病とうつ状態の違いを詳しく知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。

うつ病の種類

うつ病は、症状によって分類されています。

ここからは、代表的なうつ病を4つ紹介します。

  • メランコリー型うつ病
  • 非定型うつ病
  • 季節型うつ病
  • 産後うつ病

メランコリー型うつ病

メランコリー型うつ病は、深刻な抑うつ気分や興味喪失が特徴的なうつ病です。

朝方に症状が悪化する「日内変動」や、睡眠障がい、食欲低下、罪悪感の増大などの症状もあります。

また、何をしても楽しめない、責任感が強すぎるなどの傾向がある人に多く発症します。

ストレスや環境的要因に加え、遺伝や脳内の神経伝達物質の異常などが主な原因です。

非定型うつ病

非定型うつ病は、一般的なうつ病同様、気分の落ち込みがありつつ、いいできごとがあると一時的に気分が改善する「気分反応性」が特徴的なうつ病です。

過食や過眠、手足が鉛のように重く感じる「鉛様麻痺感」、人の評価や批判に敏感になるなどの症状も見られます。

とくに、慢性的なストレスや対人関係の問題が発症の要因となりやすい傾向があります。

季節型うつ病

季節型うつ病は、特定の季節に発症し、季節が変わると症状が軽減または消失するうつ病です。

とくに、日照時間が短くなる秋から冬にかけて発症しやすく、過眠、過食、体重増加、エネルギーの低下などの症状が見られます。

季節型うつ病の主な原因は、日照不足による体内時計の乱れやセロトニンの分泌低下などです。

産後うつ病

産後うつ病は、出産後に発症するうつ病です。

出産によるホルモンバランスの急激な変化や睡眠不足、育児ストレスが主な原因です。

主な症状には、強い不安感や絶望感、無気力感、涙もろさ、イライラ、自己否定感などがあります。

症状の程度によっては、育児や日常生活に支障をきたします。

また、母親だけでなく子どもの発育にも影響をおよぼす可能性があります。

うつ病の主な症状

うつ病と聞くと精神的な症状をイメージするかもしれませんが、実は精神的な症状だけではありません。

ここからは、うつ病の主な症状を3つ紹介します。

  • 心理的症状
  • 身体的症状
  • 行動的症状

心理的症状

うつ病の心理的症状には、抑うつ気分、興味や喜びの喪失、自己否定、不安、集中力低下、希死念慮などがあります。

とくに、自分に対する否定的な感情や自己評価の低下、罪悪感や絶望感を感じることが多い傾向があります。

これらの心理的症状が2週間以上継続したら、うつ病の可能性を考えましょう。

身体的症状

うつ病の身体的症状は、疲労感やエネルギーの低下などが典型的です。

また、不眠や過眠などの睡眠障がいや、過食または食欲不振などの食欲の変化も一般的な症状です。

さらに、頭痛や筋肉痛、消化不良などの体調不良が現れることもあります。

これらの身体的症状は、精神的な負担が身体に現れる形で現れることが多く、うつ病の進行とともに悪化することもあります。

行動的症状

うつ病の行動的症状には、無気力や活動の低下などが典型的です。

また、以前は楽しんでいた活動への興味を失い、外出や人との交流を避けることも一般的な症状です。

さらに、仕事や家庭での責任を果たすことが困難になり、作業効率の低下や怠惰な態度が見受けられます。

うつ病の主な原因

ここからは、うつ病の主な原因を3つ紹介します。

うつ病を予防したい方は、参考にしてください。

  • 生物学的要因
  • 心理的要因
  • 社会的要因

生物学的要因

うつ病には、脳内の神経伝達物質であるセロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミンの異常などの生物学的要因が関与しています。

これらの神経伝達物質のバランスが崩れると、感情やストレスへの対処能力が低下します。

また、遺伝的要因や家族歴もうつ病を発症するリスクを高める要因です。

さらに、ホルモンの変化や、慢性的な炎症、睡眠の質の低下も影響を与えます。

心理的要因

うつ病には、性格や思考の傾向、過去の経験などの心理的要因が影響します。

一例として、完璧主義や責任感が強すぎる性格の人は、ストレスを感じやすく、うつ病を発症しやすい傾向があります。

また、過去のトラウマや喪失体験などもうつ病を発症するリスクを高める要因です。

さらに、自己否定的な思考や、未来に対する悲観的な見方が悪循環を引き起こし、症状を深刻化させます。

社会的要因

うつ病には、人間関係や職場環境、経済的な困難などの社会的要因が関与しています。

一例として、職場での過度なストレスや長時間労働、いじめやハラスメントは発症リスクを高めます。

また、家族や友人との関係が希薄で孤独を感じることや、経済的な不安定さなども主な要因です。

さらに、社会的な偏見や差別が、自分への否定感や孤立感を強め、うつ病の悪化につながります。

うつ病の治療法

近年は、医療技術の進歩によりさまざまな治療法が確立されています。

ここからは、代表的なうつ病の治療法を5つ紹介します。

  • 薬物療法
  • 精神療法
  • 運動療法
  • 高照度光療法
  • TMS療法

うつ病の治療法をはじめ、うつ病について悩んでいるときに頼れる専門機関を探している方は、こちらのコラムをご覧ください。

薬物療法

薬物療法は、抗うつ薬を使用して脳内の神経伝達物質のバランスを整える治療法です。

「セロトニン」やノルアドレナリンの再取り込みを阻害する「SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)」、「SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)」などの薬物が使われます。

また、症状や個々の反応に応じて、「三環系抗うつ薬」や「四環系抗うつ薬」、補助的な薬物が処方されることもあります。

精神療法

精神療法は、患者の思考や行動のパターンを改善し、ストレスへの対処法を身につけることを目的とする治療法です。

代表的な精神療法として思考や行動のパターンを見直し、ストレスや不安を軽減する「認知行動療法(CBT)」や対人関係の改善を通じて症状を和らげる「対人関係療法(IPT)」などがあります。

精神商法では、症状や個々のニーズに合わせたアプローチが重要視されています。

運動療法

運動療法は、運動によってエンドルフィンやセロトニンなどの脳内物質が分泌し、気分を改善することを目的とする治療法です。

軽度から中等度のうつ病に有効とされています。

運動療法は、ウォーキングやヨガ、軽い有酸素運動などが推奨され、ストレス軽減や睡眠の質の向上にも寄与します。

また、運動を継続することで、自己効力感や自己肯定感も向上するでしょう。

高照度光療法

高照度光療法は、朝の時間帯に高照度の人工光を浴びる治療です。

とくに、季節型うつ病の治療に有効とされています。

高照度光療法は、専用のライトボックスを用い、1日20〜30分光を浴びるのが一般的です。

日照時間の減少による体内時計の乱れやセロトニンの分泌低下を補正し、気分を改善します。

副作用が少なく、安全性が高い治療法ですが、医師の指導のもとで行うことが推奨されています。

TMS療法

TMS(経頭蓋磁気刺激)療法は、頭部に装着したコイルから磁気パルスを送ることで、前頭前野などの脳の特定部位を刺激し、神経伝達物質の働きを活性化させる治療法です。

薬物療法が効果を示さなかったときに用いられます。

副作用が少なく安全性が高い治療法で、短時間で、複数回実施するのが一般的とされています。

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今回は、うつ病の基本知識を紹介しました。

うつ病について知ることで、適切な治療や対処法を把握できるため、回復スピードが早まります。

また、サポートする側も理解を深めることで、偏見を減らし、適切な支援ができるようになります。

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