演技性パーソナリティ障害（Histrionic Personality Disorder：HPD）とは、注目を強く求めることにより、感情表現が過度に演劇的になりやすくなる障害です。

恋愛において演技性パーソナリティ障害があると、パートナーから愛されたい気持ちが強すぎるあまり、健全な関係を築きにくくなります。

本コラムでは、演技性パーソナリティ障害の人向けに恋愛バランスを取る方法などを解説します。

演技性パーソナリティ障害とは？

演技性パーソナリティ障害（Histrionic Personality Disorder：HPD）とは、注目を集めるために、過剰に感情表現したり、劇的な行動をとったりするパーソナリティー障害です。

以下のような特徴が見られます。

• 常に周囲の注目を浴びたがる
• 感情表現が極端で演技的・誇張的
• 外見や魅力を強調しようとする
• 人間関係が表面的で浅いことが多い
• 批判に敏感で自己評価が不安定
• 誰とでも親密になりやすいが持続しにくい

演技性パーソナリティ障害の原因は明確には解明されていません。

しかし、一般的には以下の要因が関係すると考えられています。

• 遺伝的素因：親や家族に類似の性格傾向が見られる
• 幼少期の環境：過度な賞賛や無関心、愛情の不足、不安定な家庭環境
• 心理社会的要因：表現や自己主張が強く奨励される文化や環境で育つ
• 神経生物学的要因：感情調整や衝動制御に関わる脳機能の特性

演技性パーソナリティについて詳しく知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。

演技性パーソナリティ障害があると愛されたい気持ちが強くなる理由

演技性パーソナリティ障害の人は、他者からの愛情や注目を強く求める傾向があります。

ここからは、演技性パーソナリティ障害があると愛されたい気持ちが強くなる理由を4つ紹介します。

• 自己肯定感が低い
• 安心感や満足感が不足している
• 承認欲求が高い
• 孤独感や不安を和らげたい

自己肯定感が低い

演技性パーソナリティ障害を持つ人は、自己肯定感が低い傾向があります。

自己肯定感が低いため自分の価値を内面で感じにくく、他者からの愛情や称賛によって安心感を得ようとします。

そのため、愛されたいという欲求が強くなり、注目を集める行動や感情表現が過剰になることが少なくありません。

自己肯定感の高さが及ぼす影響について詳しく知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。

安心感や満足感が不足している

演技性パーソナリティ障害を持つ人は、安心感や満足感が不足する傾向があります。

内面的な安心感や満足感が乏しいため、自分の存在に対する不安を長期的に抱えることが少なくありません。

そのような不安を他者からの愛情や注目で埋めようとするため、愛されたいという気持ちが強くなります。

承認欲求が高い

演技性パーソナリティ障害の人は、承認欲求が高い傾向があります。

高い承認欲求により、他人から評価されることでしか自分の価値を感じられません。

そのため、常に注目されたい、愛されたいという気持ちが強くなります。

また、誰かに必要とされることで不安や空虚感を埋めようとし、過剰に愛情表現したり注目を集めたりします。

孤独感や不安を和らげたい

演技性パーソナリティ障害を持つ人は、内面的に強い孤独感や不安を抱えています。

孤独感や不安を和らげるために、他者からの愛情や関心を強く求めます。

愛されていると感じることで安心感を得ようとし、常に他人の注目を引こうとするため、愛されたいという欲求が強くなるのです。

演技性パーソナリティ障害がある人の恋愛が上手くいかなくなる典型パターン

ここからは、演技性パーソナリティ障害がある人の恋愛が上手くいかなくなる典型パターンを3つ紹介します。

• 過剰な愛情要求
• 感情が不安定
• 関係が浅くなる

過剰な愛情要求

演技性パーソナリティ障害があると、過剰に愛情を要求することがあります。

一例として、付き合い始めたばかりのパートナーに「毎日好きって言って」と何度も求め、返信が遅いなどのささいなきっかけで、パートナーからの愛情表現がないと勝手に決めつけて感情的に責めます。

過剰に愛情を要求すると、パートナーは疲れを感じ、距離を置くようになるでしょう。

感情が不安定

演技性パーソナリティ障害があると、感情が不安定になります。

一例として、デート中にパートナーがスマホを見ただけで「私に興味ないの？」と泣き出し、その数時間後には笑顔で甘えるなど感情の起伏が激しくなります。

感情が不安定になると、パートナーは何が地雷か分からず疲弊するため。次第に会う頻度が減ってしまうでしょう。

関係が浅くなる

演技性パーソナリティ障害があると、恋愛関係が浅くなります。

一例として、パートナーとの関係が始まってすぐ、「運命の人」と呼び、過剰な愛情表現で急速に距離を縮めるものの、深い会話や信頼の構築は苦手で、表面的なやりとりが続きます。

関係性が浅くなると、パートナーが次第に本音で話さなくなり、心の距離が広がることも少なくありません。

演技性パーソナリティ障害を持つ人が恋愛バランスを取るためのポイント

ここからは、演技性パーソナリティ障害を持つ人が恋愛バランスを取るためのポイントを3つ紹介します。

• 自己理解を深める
• 考えてから発言する
• 一人の時間を大切にする

恋愛に対して前向きになれない方は、こちらのコラムをご覧ください。

自己理解を深める

演技性パーソナリティ障害の人は、自分の感情や行動の原因を理解していません。

自己理解を深めることで、過剰な愛情要求や感情の波を認識・調整できます。

それにより、恋人とのすれ違いや衝突を減らし、より安定した関係を築けるでしょう。

考えてから発言する

演技性パーソナリティ障害の人は、感情表現が激しく衝動的になりやすい傾向があります。

考えてから発言することで、誤解やトラブルを減らせます。

また、冷静に言葉を選ぶ習慣を身につけることで、恋人との信頼関係を深め、感情の波によるすれ違いを防げるでしょう。

一人の時間を大切にする

演技性パーソナリティ障害の人は、他者からの注目や愛情に依存しやすい傾向があります。

一人の時間を大切にすることで。自己価値を内面から育てられます。

また、自分と向き合い心を整えることで、恋愛における過剰な依存や不安を減らし、より健康的な関係を築けるでしょう。

演技性パーソナリティ障害に理解がある人と出会いたい方にはIRODORIがおすすめ

今回は、演技性パーソナリティ障害の人向けに恋愛バランスを取る方法などを解説しました。

演技性パーソナリティ障害がある人が恋愛すると、関係を維持することへ精神的ストレスを感じる一方で、安心感や満足感を得られ症状が回復することがあります。

自分の力だけでは恋愛に対する悩みが解消できない場合は、第三者の力を借りてください。

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