統合失調症は、現実との認識がゆがみ、妄想や幻覚などの症状が現れる精神障がいです。
統合失調症があると、恋愛が困難になることがあります。
しかし、統合失調症があるからといって、恋愛をあきらめなければならないというわけではありません。
自身の症状を踏まえてマインドや言動を変えることで、パートナーと良好な関係を築けます。
本コラムでは、妄想や幻覚が恋愛に影響しないために、統合失調症の人が気をつけることを解説します!
統合失調症とは?
統合失調症は、思考や感情、現実との関係性がうまくまとまらなくなる精神障がいです。
脳の働きに何らかの不調が生じ、現実とは異なる考えや知覚が現れることがあります。
厚生労働省によると、2023年時点で76.5万人の外来患者が統合失調症、統合失調症型障がい及び妄想性障がいを有しているとされています。
統合失調症の症状は人によって異なりますが、他の障がいとの主な違いは、以下のとおりです。
統合失調症
- 主な症状:妄想、幻覚、思考の混乱、感情の平板化
- 現実認識:現実と妄想の区別が難しくなることがある
- 感情の表現:感情が鈍くなる(平板化)傾向
- 症状の経過:慢性化しやすいが治療で安定可能
- 治療の中心:抗精神病薬+心理社会的支援
うつ病
- 主な症状:抑うつ気分、無気力、自責感
- 現実認識:基本的に保たれる
- 感情の表現:感情の動きが乏しくなる
- 症状の経過:比較的一時的で回復可能
- 治療の中心:抗うつ薬+認知行動療法
双極性障がい
- 主な症状:躁状態と抑うつ状態の波
- 現実認識:基本的に保たれるが躁状態ではリスクあり
- 感情の表現:激しい感情の波がある
- 症状の経過:波があるがコントロール可能
- 治療の中心:気分安定薬+心理教育
発達障がい(ASD/ADHD)
- 主な症状:コミュニケーションの困難、注意散漫
- 現実認識:基本的に保たれる
- 感情の表現:表現が極端・読み取り困難なことも
- 症状の経過:生涯にわたって特性が続く
- 治療の中心:環境調整・行動療法など
パーソナリティ障がい
- 主な症状:極端な感情反応、人間関係の不安定さ
- 現実認識:歪んだ自己・他者認識を持つことがある
- 感情の表現:感情が激しく不安定
- 症状の経過:状況や対人関係で浮き沈みが大きい
- 治療の中心:対人関係療法・弁証法的行動療法など
統合失調症が恋愛に及ぼす影響
統合失調症は、仕事や私生活などに影響を及ぼします。
恋愛も例外ではありません。
ここからは、統合失調症が恋愛に及ぼす主な影響を4つ紹介します。
- パートナーの言動を誤って解釈してしまう
- 恋愛感情と妄想との境界があいまいになる
- 愛情表現が伝わりにくい
- パートナーから距離を取りたくなる
パートナーの言動を誤って解釈してしまう
統合失調症があると、脳の情報処理機能にゆがみが生じ、現実との境界があいまいになります。
そのため、パートナーの言動を誤って解釈してしまうことがあります。
パートナーへ疑念を抱いてしまうと、パートナーの言葉や表情に過敏に反応し、本来の意図とは違う意味を感じ取ってしまうでしょう。
恋愛感情と妄想との境界があいまいになる
統合失調症の人は、思考や感情を整理することが苦手です。
そのため、恋愛感情と妄想との境界があいまいになることがあります。
一例として、相手が自分に好意を持っていなくても、些細な素振りから「相手が自分を特別に思っている」という確信を持ち、妄想として強まることがあります。
そのため、実際のやりとりとは異なる印象を持ちやすく、現実との区別がつきにくくなることも少なくありません。
愛情表現が伝わりにくい
統合失調症があると、感情が外に出にくくなったり、言語化能力が低下することがあります。
そのため、愛情表現が伝わりにくくなることが少なくありません。
心の中ではパートナーのことを大切に思っていたとしても、冷たく接しているように見えてしまうため、うまく関係性を育めません。
パートナーから距離を取りたくなる
統合失調症があると、緊張や不安を感じやすくなります。
とくに、人との関わりが強い刺激になるため、パートナーから距離を取りたくなることがあります。
また、無理に関係を続けようとすると、心身に負担がかかるため、積極的に関係性を構築できません。
統合失調症の人が恋愛で気を付けること
統合失調症の人が恋愛するためには、いくつか注意すべきことがあります。
ここからは、統合失調症の人が恋愛で気を付けることを5つ紹介します。
- 自分の症状について理解を深める
- 病状が安定している時期に恋愛を始める
- 悩みや不安をひとりで抱え込まない
- パートナーに自分の障がいについて共有する
- 他人と比較しない
自分の症状について理解を深める
統合失調症の人が恋愛するときは、自分の症状について理解を深めましょう。
統合失調症の症状は、人によって異なります。
症状が恋愛にどう影響するかを把握することで、誤解やすれ違いを未然に防げるでしょう。
病状が安定している時期に恋愛を始める
統合失調症の人が恋愛するときは、病状が安定している時期に恋愛を始めましょう。
症状が不安定な時期は、パートナーの言動を誤解しやすく、関係に負担がかかりやすくなります。
また、心が落ち着いていると、自分の気持ちやパートナーとの距離感を冷静に保ちやすくなります。
症状が不安定なときは、焦らず回復に努めてください。
悩みや不安をひとりで抱え込まない
恋愛における悩みや不安をひとりで抱え込まないようにしましょう。
一人で考え続けると妄想や不安が強まり、現実との区別がつきにくくなります。
家族や友人、専門家などの信頼できる人に話すことで、客観的な視点を得られ、気持ちを整理しやすくなります。
統合失調症について公的機関に相談したい方は、こちらのコラムをご覧ください。
パートナーに自分の障がいについて共有する
統合失調症の人が恋愛するときは、信頼できるタイミングでパートナーに自分の障がいについて共有しましょう。
パートナーが自身の症状について理解していると、症状によるすれ違いや誤解を減らせます。
また、無理のない範囲で伝えることで、安心して付き合える関係を築けるでしょう。
他人と比較しない
統合失調症の人が恋愛するときは、他人と比較しないようにしましょう。
普通の恋愛や理想のカップル像と比べると、自信を失ったり、焦ったりしてしまうことがあります。
大切なのは、自分にとって心地よく、安心できる関係を築くことです。
恋愛関係は多種多様であることを意識しながら、恋愛に励みましょう。
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今回は、妄想や幻覚が恋愛に影響しないために、統合失調症の人が気をつけることを解説しました。
統合失調症があるからといって、恋愛できないというわけではありません。
しかし、恋愛において統合失調症の人は、同じ障がいを持っていない人とは異なる工夫が求められます。
専門家や信頼できる人からの支えを大切にしつつ、無理のない範囲でパートナーとの関係を育みましょう!
また、統合失調症の人の中には、自分の障がいについて相談できる人が周りにいないという方も少なくないでしょう。
そのような方には、障がい者の出会いを応援するマッチングアプリ「IRODORI」がおすすめです。
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