コラム

依存性パーソナリティ障害で恋人がいないと不安になる理由と対処法

2025/10/01/

恋愛は、人の心に大きな安心感や喜びを与えてくれるものです。

しかし、一方で恋人がいない時間を「耐えられないほど不安」と感じてしまう方もいます。

とくに、依存性パーソナリティ障害(DPD:Dependent Personality Disorder)を抱えている方にとっては、恋人の存在が心の支えの中心になりやすくなります。

そのため、恋人がいないと、極端な不安や孤独感を抱くこともあるでしょう。

本コラムでは、依存性パーソナリティ障害の人が恋人がいないと不安になってしまう理由をもとに、その不安と上手に向き合うための具体的な対処法を解説します。

依存性パーソナリティ障害とは?

依存性パーソナリティ障害(DPD:Dependent Personality Disorder)は、強い「他者への依存」が特徴のパーソナリティ障害です。

StatPearls Publishing LLCによると、依存性パーソナリティ障害の総有病率は0.5%であり、男性よりも女性に多く見られます。

依存性パーソナリティ障害があると、以下のような特徴が見られます。

  • 自分の意思決定に自信が持てず、誰かに頼らないと不安になる
  • 恋人に見捨てられることを極端に恐れる
  • 自分一人では行動できないと感じる
  • 人間関係にしがみつきやすい
  • 承認や愛情を常に求める

恋愛関係においてもこの傾向は強く現れやすく、恋人がいることで安心し、恋人がいないときには「自分には価値がないのでは」と強く不安になってしまいます。

依存性パーソナリティ障害について詳しく知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。

恋人がいないと不安になる理由

恋人がいないと不安になることは珍しくありません。

しかし、依存性パーソナリティ障害があると、恋人がいないと不安になりやすい傾向があります。

ここからは、恋人がいないと不安になる主な理由を4つ紹介します。

  • 承認欲求が恋人に集中する
  • 孤独に耐える力が弱い
  • 見捨てられることへの不安が強い
  • 自分の決断に自信を持てない

承認欲求が恋人に集中する

依存性パーソナリティ障害の人は、自分の存在価値を「自分の内側」ではなく「他人の評価」によって測る傾向があります。

一例として、「私はこれができるから大丈夫」、「私はこういう人間だから大切にされるはず」と思える力が弱く、その代わりに「誰かに愛されている」、「誰かに必要とされている」ことが安心材料になります。

その結果、恋人がいない状態になると、心の中で「私には価値がない」や「恋人に見捨てられた」というような極端な連想が起きかねません。

こうした短絡的な思考は、不安や孤独感を一気に増幅させてしまいます。

このように、依存性パーソナリティ障害の人の中で恋人が「承認欲求を満たす唯一の存在」として位置づけられているため、恋人がいないと自分を肯定できず、強い不安を抱いてしまいます。

孤独に耐える力が弱い

誰にとっても孤独は寂しさを伴うものです。

多くの人は「一人の時間=趣味を楽しむ」、「自分をリセットする」というように寂しさをプラスに転換できます。

しかし、依存性パーソナリティ障害を持つ人は、「一人でいる=支えてくれる人がいない」という解釈に傾きやすく、孤独を「危険な状態」や「放置されている証拠」と受け取ってしまいます。

そのため、孤独そのものが耐えがたい苦痛になることも少なくありません。

このように、本来なら「自分を育てる時間」として利用できるはずの孤独が、恐怖や不安を呼び起こしてしまいます。

見捨てられることへの不安が強い

依存性パーソナリティ障害を抱えている人の多くは、過去の家庭環境や人間関係で「見捨てられる」、「無視される」ということを強く感じた経験があります。

その結果、「どうせまた見捨てられるのではないか」という思い込み(スキーマ)が心の奥に根付いていることも少なくありません。

恋人がいないとき、このような「見捨てられることへの不安」が現れ、不安を慢性的に維持させます。

このように、現実には「たまたま今恋人がいないだけ」でも、それを「自分が見捨てられた証拠」と解釈してしまい、必要以上に自分を責めたり、落ち込んだりしてしまいます。

自分の決断に自信を持てない

依存性パーソナリティ障害の人は、自分で物事を決めることに強い不安を感じやすい傾向があります。

具体的には「もし自分で決めて失敗したらどうしよう」、「自分の選択より、他人に任せたほうが安全」などと考えてしまいます。

そのため、日常生活の小さなことでも他人の助言や判断を頼ってしまうことが少なくありません。

とくに、恋人は「心から信頼できる相談相手」であるため、食事・休日の過ごし方・将来の決断に至るまで、あらゆる場面で支えとなる存在になります。

しかし、その恋人がいなくなると、支えを失った感覚から「どうしたらいいかわからない」と混乱してしまいます。

恋人がいないことによる不安を和らげるための対処法

恋人がいないことによる不安を完全になくすことは簡単ではありません。

しかし、工夫次第で少しずつ軽減できます。

ここからは、恋人がいないことによる不安を和らげるための対処法を5つ紹介します。

  • 自分の時間を充実させる
  • 友人や家族とのつながりを強める
  • セルフケアを習慣化する
  • 小さな「自立経験」を積み重ねる
  • 専門家に相談する

自分の時間を充実させる

恋人がいないことによる不安を和らげるためには、自分の時間を充実させましょう。

依存性パーソナリティ障害の人にとって「一人の時間」は不安や孤独を増幅させやすいものです。

しかし、視点を変えると「自己成長のための大切な資源」に変えられます。

一人の時間を「不安の時間」から「幸福感を高める時間」や「自己投資の時間」へと変えることで、恋人の有無に左右されない安定感が育ちます。

友人や家族とのつながりを強める

恋人がいないことによる不安を和らげるためには、友人や家族とのつながりを強めましょう。

恋人にすべてを依存してしまうと、恋人が不在のときの不安が大きくなります。

恋人以外の人間関係を複線的に持つことで、安心できる人間関係の「支えの柱」を増やせるでしょう。

また、頼れる人が複数いると、健全な関係性を構築しやすくなります。

セルフケアを習慣化する

恋人がいないことによる不安を和らげるためには、感情をセルフケアができるようになりましょう。

依存性パーソナリティ障害の人は、不安が高まると「誰かにすぐ助けてもらいたい」という気持ちが強くなります。

自分で自分を落ち着ける方法を持っていると、不安に振り回されにくくなるでしょう。

また、「不安になったときだけ」ではなく、「毎日の習慣」としてセルフケアを取り入れることで、心の体力が少しずつつきます。

簡単にできるセルフケアについて詳しく知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。

小さな「自立経験」を積み重ねる

恋人がいないことによる不安を和らげるためには、自立経験を積み重ねましょう。

依存性パーソナリティ障害の人にとって、「自分で決める」ことは大きな挑戦です。

そのため、自分の症状を改善するためには、進学・就職・結婚などいきなり大きな決断に挑むのではなく、日常の小さなことから練習することが効果的です。

小さな決断を繰り返すことで、「自分の選択でも大丈夫だった」という成功体験を積み重ねられるため、次第に「一人でもやっていける」という自信が芽生え、恋人にすべてを委ねなくても安心できるようになります。

専門家に相談する

セルフケアや人間関係の工夫だけでは不安が強く残る場合は、専門的なサポートを利用してみましょう。

心療内科・精神科では、薬物療法や心理療法を組み合わせて不安を和らげるサポートを受けられます。

また、臨床心理士や公認心理士によるカウンセリングでは、「不安を引き起こす思考のクセ」を見つけ、より現実的で安心できる考え方を身につけられるでしょう。

とくに、認知行動療法(CBT:Cognitive Behavioral Therapy)は、効果的であるとされています。

専門家に相談することは「弱さ」ではなく「回復への積極的な一歩」です。

不安に苛まれる前に、安心できる第三者の助けを求めることが、自立や安定への近道になります。

依存性パーソナリティ障害について相談できる機関について知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。

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今回は、依存性パーソナリティ障害の人が恋人がいないと不安になってしまう理由をもとに、その不安と上手に向き合うための具体的な対処法を解説しました。

依存性パーソナリティ障害の人が恋人がいないと不安になるのは、決して珍しいことではありません。

恋愛における不安の主な要因は「承認欲求の強さ」や「孤独への耐性の低さ」、「見捨てられ不安」などが重なって生じる自然な感情です。

しかし、その不安に支配されてしまうと恋愛が苦しくなり、恋人との関係も不安定になってしまいます。

そして、恋愛を望むときには自分に合った出会いの場を見つけることも大切です。

本コラムの内容をもとに、「恋人がいなくても自分は大丈夫」という感覚を少しずつ育みましょう。

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