
統合失調症は、思考や感情、行動に影響を与える精神障がいです。
とくに、恋愛という親密な関係性の中では、症状の影響がより強く表れてしまうことがあります。
その中でも代表的なのが「幻聴」や「妄想」といった症状です。
統合失調症の幻聴や妄想により、パートナーとの関係を大切に思いながらもパートナーを傷つけてしまったり、自分自身が苦しくなってしまうことも少なくありません。
本コラムでは、統合失調症を抱えながら恋愛を続けていくうえで、幻聴や妄想が出てしまったときの具体的な対処法について解説します。
Contents
幻聴や妄想が恋愛に与える影響

統合失調症とは、現実と空想の区別が難しくなり思考や感情のまとまりなどに支障をきたす精神障がいです。
WHO(World Health Organization:世界保健機関)によると、統合失調症の有病率は約0.32%とされています。
統合失調症の主な症状は、以下のとおりです。
- 幻覚
- 幻聴
- 妄想
- 思考の混乱
- 異常な行動
- 感情の起伏が少なくなる
- 意欲の低下
- 社会的引きこもり
- 会話や思考の貧困化
- 注意力・集中力の低下
- 記憶力の低下
- 計画を立てる・物事を整理する能力の低下
統合失調症の症状のひとつである「幻聴」は、実際には存在しない声が聞こえてしまう状態のことです。
「悪口を言われている」、「命令されている」などの内容が多く、不安や恐怖を強めてしまう傾向があります。
パートナーとの会話中にも幻聴が混ざってしまうことで、「パートナーが自分を責めている」と勘違いすることも少なくありません。
妄想に関しても同様で、「パートナーが裏切っているに違いない」、「監視されている」など根拠のない思い込みが関係に影を落とすことがあります。
統合失調症について詳しく知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。
幻聴や妄想に気づいたときのセルフケア

幻聴や妄想に気づいたとき、まずは「これは症状であって現実ではない」と意識することが重要です。
セルフケアの方法としては、以下のようなものがあります。
- 「これは症状であって現実ではない」と自分に言い聞かせる
- 深呼吸や腹式呼吸で気持ちを落ち着ける
- 静かで安心できる場所に移動して刺激を減らす
- 好きな音楽やラジオを聴くなど、注意をそらす行動をとる
- 軽いストレッチや散歩など体を動かしてリラックスする
自分でできる対処法を持っておくことで、パートナーに不安をぶつける前に心を落ち着けられます。
統合失調症の症状と向き合うためにやるべきことを知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。
パートナーとのコミュニケーションで意識すべきこと

強いストレスを受けたり、生活リズムが乱れたりすると、幻聴や妄想が出やすくなります。
恋愛関係を維持するためには、幻聴や妄想が出やすい時期にパートナーとのコミュニケーションを工夫しなければなりません。
一例として、以下のようなことを実践してみてください。
- 「今は調子が不安定かもしれない」と前もって伝える
- 症状が出たときの合図やサイン(言葉・ジェスチャー)を決めておく
- 妄想が出たときは「疑っているのは病気のせい」と説明して誤解を残さない
- 「助けてほしいとき」、「そっとしておいてほしいとき」にしてほしいことを具体的に伝える
- 感謝の気持ちを小さくても伝える(「聞いてくれてありがとう」など)
統合失調症の症状は人によって異なります。
また、統合失調症の経験がないと、具体的なイメージがわかないことがあります。
そのため、パートナーが「どう対応していいか分からない」という不安を抱くことも少なくありません。
症状が出ているときの対応を一緒に話し合っておくことで、健全な関係を維持できます。
統合失調症などの精神障がいがある人との接し方について知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。
幻聴や妄想を抱えながら恋愛を続けるための心構え

治療を続けたとしても、統合失調症の症状は完全に消えるわけではありません。
そのため、感情の起伏が大きく、急に高ぶったり落ち着いたりします。
そのため、恋愛を続けるには「症状と付き合いながら関係を築く」という柔軟な心構えが必要です。
具体的には、以下のようなことを意識しましょう。
- 症状と自分を切り分けて考える
- 波があることを前提に無理しない
- 正直に症状を伝え、誤解を避ける
- パートナーへの感謝を忘れない
- 専門家や支援を活用して二人で抱え込まない
- 規則正しい生活や服薬を大切にする
医療や専門機関のサポートを活用しよう
幻聴や妄想が頻繁に出てしまう場合は、医師やカウンセラーに相談しましょう。
統合失調症の治療には、以下のようなものがあります。
- 薬物療法
- 精神療法・カウンセリング
- 認知行動療法(CBT)
薬の調整や心理的サポートによって症状のコントロールがしやすくなります。
また、パートナーも同席して相談することで、病気への理解を深め合えるでしょう。
さらに、地域の精神保健福祉センターやピアサポートの場を利用するのも効果的です。
同じような経験を持つ人たちと交流することで、「自分だけではない」と安心できるため、恋愛における不安を軽減できます。
統合失調症をはじめとした精神障がいについて相談できる専門機関を探している方は、こちらのコラムをご覧ください。
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今回は、統合失調症を抱えながら恋愛を続けていくうえで、幻聴や妄想が出てしまったときの具体的な対処法について解説しました。
統合失調症で恋愛中に幻聴や妄想が出てしまうことは、避けられない現実かもしれません。
しかし、統合失調症の特性を理解し、セルフケアしたり、パートナーに協力してもらったりすることで、関係を維持できるでしょう。
統合失調症と向き合うために大切なことは、症状に振り回されるのではなく「症状と一緒に生きていく」姿勢を持つことです。
恋愛は、お互いを支え合い、安心を分かち合う大切な営みです。
病気を抱えていても、その価値は変わりません。
自分自身とパートナーを信じ、少しずつ前に進んでいきましょう。
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