
「どうしてこんなに不安になるのだろう…。」
「相手が少し冷たく感じるだけで、心が壊れそうになる。」
このような「愛されていない気がする」という感覚は、境界性パーソナリティ障害(BPD:Borderline Personality Disorder)の人が抱えやすい感情のひとつです。
境界性パーソナリティ障害が持つ負の感情は、現実のできごと以上に深刻に感じられることがあります。
本コラムでは、境界性パーソナリティ障害を持つ人が「愛されていない」と感じたときに心を守るための具体的な対処法を紹介します。
本コラムを通じて、境界性パーソナリティ障害を持つ方が少しでも安心して人と関われるようになれば幸いです。
Contents
境界性パーソナリティー障害とは?
境界性パーソナリティ障害(BPD:Borderline Personality Disorder)とは、対人関係や感情の不安定さ、自分のイメージの揺らぎが強く、見捨てられることへの恐れや衝動的な行動が現れやすい精神障害です。
循環器疫学サイトによると、欧米での境界性パーソナリティ障害の有病率は1〜3%とされています。
境界性パーソナリティー障害の主な症状としては、以下のようなものが挙げられます。
- 人間関係が不安定
- 情緒不安定
- 衝動的な言動が見られる
- 見捨てられることへの恐怖が強い
- 自殺や自傷行為について考える
境界性パーソナリティー障害は、遺伝・生物学的要因だけでなく、いじめや家庭内暴力のような環境要因などにより発症します。
境界性パーソナリティー障害があると、恋愛において以下のような特性が見られます。
- 自己肯定感が変化しやすく恋人から愛されていないと感じることがある
- 愛情表現が極端になりやすい
- 恋人から嫌われたと感じやすい
- 衝動的に行動してしまい恋人を惑わせる
- 感受性が豊かで恋人に共感しやすい
境界性パーソナリティー障害について詳しく知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。
境界性パーソナリティ障害の人が『愛されていない気がする』と感じたときの対処法

境界性パーソナリティー障害があると、境界性パーソナリティ障害の人が「愛されていない気がする」と感じることがあります。
恋人からの愛情へ不安を感じたとしても、工夫を凝らすことで負の感情を軽減できます。
ここからは、境界性パーソナリティ障害の人が「愛されていない気がする」と感じたときの対処法を5つ紹介します。
- 「愛されていない気がする」感情の背景を理解する
- 感情を「事実」を切り離す
- 「自分軸」を取り戻す小さな習慣を身につける
- 信頼できる人へ相談する
- お互いの「境界線」を尊重する
- 治療する
「愛されていない気がする」感情の背景を理解する
境界性パーソナリティ障害の人が「愛されていない気がする」と感じたときは、「愛されていない気がする」感情の背景を理解するようにしましょう。
恋人からの愛情に対して不安を感じてしまう背景が曖昧なままだと、改善に向けて行動したとしても根本的な原因を改善できません。
- 恋人が忙しく、以前より連絡が減った
- 恋人の態度がそっけない
- 恋人に期待しすぎて思うような反応が得られない
- いつも恋人のことが気になってしまう
このように感情の背景を整理することで、適切に行動できるようになります。
感情を「事実」を切り離す
境界性パーソナリティ障害の人が「愛されていない気がする」と感じたときは、自分の感情と事実を切り離して考えましょう。
「感情=現実」と感じてしまうことは、境界性パーソナリティ障害の人が抱える悩みのひとつです。
一例として、「恋人がそばにいない時間が多い」という感情により、「恋人が自分に対して冷たい」というように勘違いしてしまうことがあります。
感情が事実を必ずしも反映しているわけではありません。
自分の感情を言語化・客観視することで、冷静に自己理解を深めましょう。
「自分軸」を取り戻す小さな習慣を身につける
境界性パーソナリティ障害の人が「愛されていない気がする」と感じたときは、「自分軸」を取り戻す小さな習慣を身につけましょう。
相手の言動次第で自分の価値が揺れてしまうと、心の安定を保つことが難しくなります。
他人の愛情や反応に頼らず、自分の内側から満たすことで、関係性を維持するうえでの不安が少しずつ軽減します。
以下のような些細なことを積み重ねることで、自分らしさを保ちましょう。
- 1日1回「自分のため」に何か小さなことをする(好きな飲み物を選ぶ、音楽を聴くなど)
- SNSや他人の意見から少し距離を取り、自分の気分に意識を向ける
- 感情を書き出して、自分の思考を整理する
- 無理に好かれようとせず、自然体の自分を見せる
- 毎日「今日のよかったこと」を3つ書き出す
信頼できる人へ相談する
境界性パーソナリティ障害の人が「愛されていない気がする」と感じたときは、信頼できる人へ相談しましょう。
一人で感情を抱え込むと、不安が膨らみやすくなります。
家族や友人など、身近な人を頼ることで自立しやすくなります。
境界性パーソナリティー障害のことを家族や友人に相談するときは、以下のようなことに注意してください。
- 相談の目的を明確にする
- 相手が落ち着いて話を聞けるタイミングを選ぶ
- 静かで安心できる場所で話す
- 専門用語を自分の言葉で言い換える
- 相手の反応をコントロールしようとしない
- 自分を責めない
境界性パーソナリティー障害をはじめとした精神障害について相談できる専門機関をお探しの方は、こちらのコラムをご覧ください。
お互いの「境界線」を尊重する
境界性パーソナリティ障害の人が「愛されていない気がする」と感じたときは、お互いの「境界線」を尊重することを意識しましょう。
境界性パーソナリティー障害の人は、恋人へ過度に依存したり、逆に突き放したりすることがあります。
しかし、恋人に合わせようとしすぎると、かえって精神的負荷が大きくなってしまうでしょう。
「心の距離感」を掴むことが難しい恋愛は、お互いを尊重する境界線を持つことが長続きの秘訣です。
愛されるために「恋人に合わせすぎる」のではなく、「自分も、恋人も大切にできる関係」を目指しましょう。
治療する
境界性パーソナリティ障害の人が「愛されていない気がする」と感じたときは、境界性パーソナリティー障害を治療することも視野に入れてください。
医療技術の発展にともない、境界性パーソナリティー障害に効果的な治療法として以下のような手法が確立されています。
- 弁証法的行動療法(DBT:Dialectical Behavior Therapy)
- 認知行動療法(CBT:Ognitive Behavioral Therapy)
- 転移焦点化療法(TFP:Transference Focused Psychotherapy)
- 薬物療法
治療により症状を改善することで、恋人との関係性を育みやすくなります。
また、治療の過程で症状に対する理解が深まるため、自分がやるべきことが明確になります。
いきなり治療に取り掛かるのはハードルが高いという方は、カウンセリングなどから初めてみてください。
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今回は、境界性パーソナリティ障害を持つ人が「愛されていない」と感じたときの対処法について解説しました。
「愛されていない気がする」と感じる瞬間は、誰にでもあります。
しかし、境界性パーソナリティ障害を持つ人にとって、「愛されていない気がする」という感情はより深く、現実を揺るがすほど強いこともあります。
「愛されていない気がする」という感情から心を守るためには、境界性パーソナリティ障害への理解を深め、適切に対処しましょう!
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