
恋人が少しスマホを触っただけで「誰と連絡しているのだろう?」と不安になることは少なくありません。
とくに、妄想性パーソナリティ障害(PPD:Paranoid Personality Disorder)を持つ人は、恋愛関係において特に「信頼」と「安心」のバランスを取ることが難しいと感じやすい傾向があります。
本コラムでは、妄想性パーソナリティー障害の人が恋人に疑念を抱いてしまう理由と、より穏やかに愛を育むための向き合い方を解説します。
Contents
妄想性パーソナリティ障害とは?
妄想性パーソナリティ障害(PPD:Paranoid Personality Disorder)とは、他人の意図や行動を悪意的に解釈しやすい傾向があるパーソナリティー障害です。
一例として、誰かの何気ない言葉を「自分を批判している」と受け取ったり、好意を示されても「裏があるのでは」と感じてしまったりすることがあります。
妄想性パーソナリティ障害の傾向は「人に裏切られたくない」、「傷つきたくない」と強く思う気持ちから生じるものです。
つまり、根底には「恐れ」や「防衛」の心理があり、決して“わがまま”や「被害妄想」ではありません。
むしろ、過去の経験から学んだ「自己防衛の知恵」が過剰に働いている状態ともいえます。
妄想性パーソナリティ障害の人が恋愛で疑念を抱きやすい理由
妄想性パーソナリティー障害があると、恋愛において恋人へ疑念を抱きやすい傾向があります。
ここからは、妄想性パーソナリティ障害の人が恋愛で疑念を抱きやすい理由を3つ紹介します。
- 親密になるほど「警戒心」が強まる
- 裏切られた経験がトラウマになっている
- 恋人の曖昧な態度に対して疑念を抱きやすい
親密になるほど「警戒心」が強まる
妄想性パーソナリティー障害の人は、心を開くことで自分が傷つく可能性が高まると無意識に感じてしまいます。
そのため、親密になるほど相手への警戒心が強まります。
また、親密さは安心と同時に「裏切られるかもしれない」という恐れを呼び起こすことも少なくありません。
このように、妄想性パーソナリティー障害の人は、恋人の言葉や行動を慎重に読み取り、危険を察知しようとする傾向が生まれます。
妄想性パーソナリティ障害以外のパーソナリティー障害について知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。
裏切られた経験がトラウマになっている
妄想性パーソナリティー障害の人は、人への信頼を築くこと自体に強い不安を感じやすい傾向があります。
とくに、裏切られた経験は深いトラウマとして残りやすくなります。
恋人のように一度信じた相手に裏切られると、「やはり人は信用できない」という確信が心に刻まれかねません。
結果として、新しい人間関係でも同じ痛みを繰り返すことを強く恐れるようになります。
恋人の曖昧な態度に対して疑念を抱きやすい
妄想性パーソナリティー障害の人は、相手の意図がはっきりしない状況を不安や危険と結びつけることがあります。
一例として、話しかけても上の空で反応が薄くなったり、スマートフォンを見せようとしなかったりするなどのあいまいな言葉や態度は、「何かを隠しているのでは」と感じさせます。
その不確かさが、心の中で「裏切られるかもしれない」という想像を膨らませるため、安心よりも疑いが先に立ち、相手の行動を慎重に見極めようとするでしょう。
恋人との関係を壊さないための向き合い方

妄想性パーソナリティー障害の人が恋人へ疑念を抱いたとしても、言動を変えることで恋人との関係を壊さずにすみます。
ここからは、恋人との関係を壊さないための向き合い方を4つ紹介します。
- 恋人を疑う前に自問自答する
- 少しずつ信頼関係を育む
- 気持ちを落ち着かせる
- 専門家のサポートを受ける
恋人を疑う前に自問自答する
恋人との関係を壊さないためには、恋人のことを疑う前に自分の心に問いかけましょう。
感情の勢いで恋人を責めてしまうと、誤解が広がる危険があります。
なぜ不安を感じたのか、何を根拠にそう思ったのかを一度立ち止まって考えることで、本当に恋人の問題なのか、自分の不安が影響しているのかを整理できます。
自分だけで考えを整理できない時は、家族や友人などに相談してみましょう。
少しずつ信頼関係を育む
恋人との関係を壊さないためには、自分のペースで信頼関係を築きましょう。
妄想性パーソナリティー障害の人にとって、すぐに人を信じることは大きな負担です。
そのため、焦らず小さな誠実さを積み重ねていくことが求められます。
小さな信頼の積み重ねは、疑いよりも理解を選べる関係につながるでしょう。
気持ちを落ち着かせる
恋人との関係を壊さないためには、まず気持ちを落ち着かせましょう。
強い不安や疑いの感情のまま行動すると、相手の言葉を冷静に受け取れなくなります。
また、一時的な感情で発言すると、誤解や衝突が生まれかねません。
気持ちを整えることで、自分の感じている不安の正体を見つめ直せます。
また、落ち着いた心で恋人と向き合うことで、恋人が本当に考えていることや状況を理解しやすくなります。
一例として、以下のようなことを実践してみてください。
- 深呼吸で心拍を整える
- 自分の感情を紙に書きだす
- やわらかい照明やアロマキャンドルを使う
- 落ち着く音楽や自然音(波の音・雨音)を流す
- ストレッチやマッサージで体をほぐす
今すぐに実践できるリラックス方法について知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。
専門家のサポートを受ける
恋人との関係を壊さないためには、専門家のサポートを受けましょう。
妄想性パーソナリティー障害の人は、自分の考え方や感じ方の傾向に気づきにくいことがあります。
専門家に相談することで、心理パターンを一緒に整理し、誤解や不安の背景を理解するサポートを提供してくれるでしょう。
また、第三者の視点が入ることで、感情に振り回されにくくなります。
妄想性パーソナリティー障害をはじめとした精神障害について相談できる専門機関をお探しの方は、こちらのコラムをご覧ください。
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今回は、妄想性パーソナリティー障害の人が恋人に疑念を抱いてしまう理由と、より穏やかに愛を育むための向き合い方について解説しました。
妄想性パーソナリティ障害を持つ人が恋愛で疑念を抱いてしまうのは、心が弱いからではありません。
むしろ、「深く信じたい」「裏切られたくない」という強い愛情の表れでもあります。
恋人と少しずつ信頼を築くことで、「不安な恋」から「支え合える関係」へと変化させましょう。
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