恋愛は、人生において大きな喜びのひとつです。
しかし、うつ病を経験している方の中には「恋愛に興味が持てない」や「誰かを好きになりたいのに気持ちが動かない」と感じることがあります。
このような状態は、決して珍しいことではありません。
本コラムでは、うつ病によって恋愛したい気持ちが湧かなくなる心理を解き明かし、回復のヒントについて詳しく解説していきます。
Contents
うつ病が恋愛感情に影響する理由
うつ病とは、気分の落ち込みや意欲の低下が長期間続く精神障がいです。
WHO(World Health Organization:世界保健機関)によると、成人の約4%がうつ病を経験したとされています。
うつ病について詳しく知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。
うつ病は、仕事や私生活だけでなく、恋愛にも影響をおよぼします。
うつ病が恋愛感情に影響する主な理由は、以下のとおりです。
- 脳内の神経伝達物質のバランスの乱れ
- 自己評価の低下
- エネルギー不足
- 薬の副作用
脳内の神経伝達物質のバランスの乱れ
うつ病は、脳内で情報をやり取りする神経伝達物質の働きが不安定になることと深く関係しています。
一例として、セロトニン は「安心感や安定した気分」に、ドーパミン は「快感や意欲」に、ノルアドレナリン は「集中力や活力」に関わっています。
恋愛により「人と一緒に過ごすと楽しい」、「好きな人に会いたい」という気持ちが湧くのも、神経伝達物質の働きによるものです。
これらの神経伝達物質が不足したり、脳の機能が低下したりすると、気持ちが沈み込みやすくなり、やる気が出ない状態に陥ります。
自己評価の低下
うつ病の大きな特徴のひとつが「自己否定的な思考の強まり」です。
心が健康なときは「多少失敗しても大丈夫」、「自分にも良いところがある」と考えられます。
しかし、うつ状態では「自分には価値がない」、「誰の役にも立たない」という極端に否定的な考えが繰り返し浮かんでしまうことが少なくありません。
このような自己評価の低さは、恋愛に対しても影響します。
「どうせ自分なんて愛されるはずがない」、「付き合ってもパートナーに迷惑をかけるだけ」という思い込みが強まることで、恋愛への関心や意欲が自然と薄れてしまいます。
結果として、恋愛をしたいという気持ち自体が芽生えにくくなるでしょう。
エネルギー不足
うつ病は、心だけでなく体にも大きな影響を与えます。
うつ病を持つ人の多くは、「とにかく疲れている」「何をするにも重荷に感じる」と日常的に訴えています。
そのため、「食事をとる」、「会社や学校に行く」、「身だしなみを整える」といった基本的なことだけで精一杯になり、恋愛に必要な気力や体力を残す余裕がなくなるでしょう。
また、恋愛はパートナーへの配慮や時間の共有が求められるため、心身が消耗している状態ではどうしても「後回し」になってしまいます。
薬の副作用
うつ病の治療では、抗うつ薬や安定剤が用いられることがあります。
抗うつ薬や安定剤には、感情や欲求に影響を及ぼす副作用が出る場合があります。
一例として、セロトニンを増やす薬の一部は「性欲の低下」や「感情表現の鈍さ」を引き起こすでしょう。
このような薬の副作用により、「好き」という気持ちが以前より湧きにくくなり、恋愛に対する熱量が減ったと感じることがあります。
恋愛感情を取り戻すための回復のヒント
恋愛欲求は、人間にとって自然なものです。
しかし、その強さや出方は人によって異なります。
うつ病によって一時的に恋愛感情が弱まることは、心の防衛反応ともいえます。
弱まった恋愛感情を回復させる方法は、以下のとおりです。
- 自分ことを否定しない
- 恋愛以外の「楽しみ」を見つける
- 小さな人間関係を大切にする
- 恋愛のハードルを下げる
- 専門家へ相談する
自分ことを否定しない
恋愛感情を取り戻すためには、自分のことを素直に受け入れましょう。
恋愛は「自分を大切にできる力」があってこそ成り立ちます。
自分の心と体が消耗しているときに無理をして恋愛を始めても、パートナーに依存してしまったり、うまくいかずにさらに自己否定を深めてしまったりすることがあります。
うつ病で苦しんでいるときは、以下のようなことを実施し、自分をケアすることに集中しましょう。
- 十分な睡眠をとる
- バランスの取れた食事
- 日光を浴びる
自己肯定感を高める方法について詳しく知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。
恋愛以外の「楽しみ」を見つける
恋愛感情を取り戻すためには、恋愛以外で夢中になれるものを探しましょう。
恋愛は、人生を彩る要素のひとつです。
しかし、それだけが生きる目的ではありません。
以下のように恋愛以外に「小さな楽しみ」を積み重ねることが、回復の大きな力になります。
- 好きな音楽を一曲聴く
- 気分に合う映画やドラマを観る
- 散歩をして季節の変化を感じる
- ペットや植物に触れる
- 手を動かす趣味(料理、絵、裁縫など)を試してみる
このように「ちょっと楽しい」、「少し心が動いた」と思える体験で、恋愛への関心や人と関わる楽しさを少しずつ取り戻しましょう。
小さな人間関係を大切にする
恋愛感情を取り戻すためには、恋愛をいきなり目指すのではなく、負担の少ない人間関係 を大切にすることから始めましょう。
一例として、以下のようなことに取り組んでみてください。
- 家族と一緒に食事をする
- 信頼できる友人に短いメッセージを送る
- 職場や学校で軽く挨拶を交わす
「少し話したら気持ちが楽になった」、「笑えた」という小さな経験が、人とつながる喜びを思い出させてくれます。
パートナー以外にうつ病のことを伝えるときのポイントについて知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。
恋愛のハードルを下げる
恋愛感情を取り戻すためには、恋愛を身近なこととしてとらえることが重要です。
「早く恋人を作らなきゃ」と思うとプレッシャーが強くなると、逆に動けなくなることがあります。
恋愛は義務ではなく、自分が「してみたい」と思えたときに始めるものです。
「恋愛する」ではなく「人と少し関わってみる」という意識に変えることで、気持ちを楽にしましょう。
専門家へ相談する
自分の力だけで恋愛感情を取り戻せない場合は、専門家へ相談してみましょう。
「恋愛できない自分」に強い焦りや苦しさを感じるときに以下のような専門家へ相談すると、新しい気づきを与えてくれます。
- 精神科医
- 心療内科医
- 臨床心理士
また、「恋愛したい気持ちが湧かないのは病気のせいであって、自分のせいではない」と理解できるだけでも、心が軽くなるでしょう。
自治体やNPO、厚生労働省が運営する心の健康相談窓口など、無料で活用できるサービスもあるため、ぜひ活用してみてください。
うつのときに頼れる専門機関について知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。
うつ病に理解がある方と出会いたい方にはIRODORIがおすすめ
今回は、うつ病で『恋愛したい気持ちが湧かない』ときの心理と回復のヒントについて解説しました。
うつ病によって「恋愛したい気持ちが湧かない」と感じるのは、脳や心の働きに不調があるためであり、決して「自分が冷たい人間だから」ではありません。
気持ちが湧かない時期は自然なものとして受け入れ、まずは自分を大切にすることから始めましょう。
小さな楽しみや安心できる人間関係を積み重ねることで、やがて恋愛感情は少しずつ戻ってきます。
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